2007年5月30日 (水曜日)

やれば少しはできるじゃん。だけど…

発信箱:たばこの危険、牛肉の不安=元村有希子

見出しと本文が乖離しているのは相変わらずだな。
しかし、まともな学者にインタビューすると、普段はトンデモ記事ばかり書いている記者にも、少しはまともな文章が書ける、というのが今日の発信箱だろう。

それでも、他人事みたいな態度も変わってないな。
安井至教授の「マスコミがBSEへの遭遇確率を無視し、毒性を強調しすぎたからだ」という批判についても、そのことに対する自己批判はない(もともと彼女自身も含めてマスコミが悪いとつもりがないからだろうと推測できる)。

煙草についても「たばこは危険なのに許容され」としれっと書いているが、どこぞの新聞社のお偉いさんに、紙面を使ってタクシーの全面禁煙を批判している御仁がいらしゃいましたな。マスゴミ業界は煙草を許容する程度の甚だしいところの1つではないか。

「不安が大きいのは、BSEに未解明な部分が多いためで、億単位の対策費は『安心料』と見ることもできる。」

リスクマネジメントが全然分かってねえよ。この文章でそれがバレバレ。
未解明な部分が多い現象などいくらでもある。それに対して不安を感じるのも人間の心理としてはしかたがない。だからこそ、リスク評価をきちんとしましょう、ということなのに、BSEだけを特別扱いする姿勢は相変わらずである。ゲーム脳のことだって、自分で種をまいておいて、国に調査研究や対策をやれ、と責任転嫁している態度と通底している。

安心料だと?だったらそんなの税金から支出せずに、不安を感じている奴から検査料徴収しろよ、と言いたくもなる。

「そろそろ社会が『安全』と『安心』を切り分け、本来のリスクについて考える潮時かもしれない。」

それはそのとおりである。だったらまず毎日新聞が率先して、「安全・安心」と安直に併記した記述を無くすことから始めてもらいたい。An An, Non Nonである(笑)。

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2007年5月16日 (水曜日)

こいつは本当に想像力貧困で頭悪いな

第1回科学ジャーナリスト大賞受賞者様のことです。

発信箱:されど博士=元村有希子

「されど博士」っていうからには対句に「たかが博士」というのがある訳だ。ところがこの記事で言及されている博士はどうみても「たかが博士」に過ぎない低レベルとしか思えない。

修士しか持ってないおまいが偉そうに言うなって(笑)?俺だってガキの頃は学者になりたいと思っていたよ。でもまともな大人になればそれが可能かどうかくらい判断がつく。俺は学者に向いてないと悟ったのだ。今のように博士の大量生産やる時代ではなかった。能力なら負けない自信はある。

だいたいだね、「恒例の『大人になったらなりたいもの』調査(第一生命)」なんてどれだけ意味があるのかね?

元村記者の想像力貧困(悪いけどこれじゃあ高校の途中で文転するはずだよ)はこの文章に表れている。

彼らの多くはおそらく、実物よりもアニメやゲームの中の博士を思い描いていると私は想像する。
それはちょっと違うと思うね。俺の時代だとこれは天馬博士やお茶の水博士あたりなんだが、そういうのに憧れた記憶はない。

俺は宇宙が好きで、かつテレビをよく見ていたせいか、NHKによく出演されていた故・竹内均東大名誉教授あたりに憧れたものだが、今ならホーキング博士をはじめ、実在の偉大な学者はいくらでも接する機会はある。それがどうしてオーキド博士や阿笠博士なんだよ(怒)。さすが「ゲーム脳」のレベルだな(爆)。

そもそも小学生くらいでも本当に頭のいい子は、アニメキャラなんかではなく、自分の思い描く独自の世界が既にあるはずなのである。アニメキャラなんぞが介在する余地はない。そんなことも想像できないでそれこそ幼児並みの文章晒しやがって。

毎年1万人以上の博士が誕生するが、約3割が職にありつけない。
博士が職にありつけないのではなく、職にありつけないのが博士号取っているだけだろ。博士号がそういうレベルになったというだけのこと。本当に能力があるなら、自分で起業すればいいではないか。税務や会計の知識がなければ勉強するか(博士号取るくらいの能力あれば決して難しくはない)、適当な相方を探せばいい。そういうサービスを提供してくれる会社もあるし、自治体当たりのインキュベーション施策だって利用できるだろう。
もう一つは「低品質博士」。報われないイメージから、博士課程への進学率は既に下がり始めている。「優秀な学生は博士にならずに就職し、残りが博士課程に進む。その結果、世界と戦える博士が減り、優れた博士を活用している海外に追い抜かれる」。経団連が描く悲観的シナリオだ。
経団連ってのは木偶の坊文系経営者の集まりか?日本で過程博士にならない優秀な学士や修士を採用して、必要があれば留学させて博士号取らせればよい。その方が海外とのつながりもできるし、国際競争に勝つ力も増強できるというものだろう。使い道のない粗製濫造の博士をなんで、新聞記者ごときに「小言」言われて無理矢理雇わにゃならんのよ。

(追記)
初めて明かしますが、私にとっては、アニメキャラの中で最強のサイエンティストでありエンジニアであるのは、宇宙戦艦ヤマトの真田技師長なのです。彼がとてつもないスーパーマンであることは、あれこれ語るよりもヤマトを通してみればすぐわかる。

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2007年3月 2日 (金曜日)

あまりにも期待どおりで驚いた

理系白書の「脳」特集

ゲーム脳という誤った概念を広めてしまった毎日新聞科学環境部のM記者自らが執筆者に名を連ねている。
そして「似非科学」を取り上げるのに自らのそうした過去を反省しないのはおかしいだろう、という批判が理系白書ブログに集まった。私も批判した1人である。

しかし、実際の記事での記述はこうである。

>森教授は02年、「ゲーム脳」仮説を提唱した。テレビゲームをしている時には脳波の中のベータ波が低下し、認知症に似た状態になると指摘。その状態が続くと前頭前野の機能が衰えると警告した。単純明快なストーリーはマスコミに乗って広がり、暴力的な描写に眉(まゆ)をひそめる教育関係者や、ゲームをやめさせたい親に支持された。<

は?マスコミに乗って広がり、だと。他人事かよ。誰が広げたんだよ。しかも5年近く経過するというのにそのことを何度指摘されても頬被りを続け、挙げ句に総括がこれである。

そして後半は「話題の」東北大教授、川島隆太氏の話題で巧妙に逃げている。

最後のこれは何だよ!

>研究者はどのように科学的成果を伝え、市民はどう受け止めるべきか。模範解答はないものの、今、一人一人が自らの問題として考えることが求められている。<

研究者と市民の責任は問うているのに、伝える側のメディア自らのあるべき姿は触れられていない。嗚呼。

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2007年1月24日 (水曜日)

またまた「お前が言うな」

しつこいというか、厚顔無恥というか、ゲーム脳なんてトンデモ科学を広めてしまって、何の反省もない本人が、しれっとこんなこと書いているのはいただけないな。

発信箱:納豆騒動のからくり=元村有希子

常識で考えておかしい(笑)箇所があるので、ちょっと突っ込んでみます。

>まず役者がそろっている。主役は納豆という健康食品の優等生。<

納豆はいつから「健康食品」それも優等生になったんだ?ごくありふれた身近な食料品だぞ。こんな書き方自体がそもそも、あるある大事典に自らが毒されていることの証ではないか。

>優良企業がスポンサーを務める人気番組である。納豆を買いに走った視聴者は、いわば集団催眠にかかったようなものだ。<

花王のどういう点を優良企業と言っているのか聞きたいが、それはともかく集団催眠というより洗脳だよな。

>同じ条件なら、誰が何度やっても同じ結果が出るのが科学の前提だ。だから信用される。今回は実験そのものがねつ造だったわけで、科学への信頼が悪用された。<

前の方の文章、科学の前提というのはちょっと違和感あるな。舌足らずなんだよ、表現が。「仮説が正しければ、検証実験は、同じ条件下で結果に再現性があるのが自然科学というものである」くらいの表現だろう。それよりも、科学への信頼が悪用された、というよりは、科学音痴の多い日本人が、科学もどきに騙された、と直裁に表現すべきだろう。科学を信頼している人ならば、こんな番組見て納豆を買い漁りになど走りはしない。科学的な思考力や知識が不足していることが問題なのだ。

>二度あることは三度あるという。社内調査では、過去もちゃんと調べてほしい。<

それこそ、お前が言うな、ですな(^_^;)。

>科学者ももっと怒っていい。番組には計3人の研究者が出演し、結果的にねつ造の片棒を担いだ。取材を受けた日本人研究者は「全体の構成までは知らされていなかった」という。科学者の地位も悪用された。<

悪用されたのは、「科学者の地位」ではなく「科学者の肩書き」だろ。
ちゃんとした科学者なら、とっくにこんな糞番組には怒っているだろう。それにさ、本当にこんなこと書くくらいなら、自分でこの手の番組見て、おかしいと思ったら、すぐに裏付け取材に走るなど、全国紙科学環境部の記者としての立場でいくらでも可能だろうに。週刊朝日に出し抜かれやがって(笑)。

>「まゆつば」度を星の数で示すぐらいの節度<

どうしていつも最後はこういうトホホな終わり方なんだろうなあ。

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社説のパロディを作ってみますた

元ネタはこれ。
社説:ねつ造番組 報道機関を名乗る資格がない

でもって、当エントリーはJosephYoikoさんのブログ記事に触発されて書きましたので、そちらとセットで御覧下さい。
頭を下げない人々(=_=)

あくまでパロディです。

斜説:ねつ造記事 報道機関を名乗る資格がない

 毎日新聞で報道された科学環境部記者による記事「ゲーム脳」でいい加減な計測方法によるデータの存在が発覚した。テレビゲームに熱中すると脳に悪影響を与えるという記事内容はまったくのでたらめだった。

 報道した毎日新聞(東京都千代田区)は緊急会見した。キレた子供であることを示す写真は別人で、脳神経科の医師の発言についてありもしない文章をねつ造したり、異常を示したとされる脳波は実際には計測すらしていなかった。

 記事掲載の直後から、研究を担当したM教授が急に注目を集め出し、評価も急上昇して、教授は大学からは姿を消して全国の学校からの講演依頼に対応したところも多かった。ところが、ゲームの影響についてはまったくのねつ造で、ゲーム機の減産体制をとった業者は一転して大量の受注残を抱えるなど、混乱が広がっている。

 新聞をめぐっては、やらせや発行部数操作などの問題がこれまでも続いたが、ねつ造が引き起こした社会的な影響の大きさという意味から、今回の記事は特に悪質だ。テレビでいうなら番組が放送打ち切りに追い込まれた関西テレビの「あるある大事典II 納豆ダイエット」に匹敵する。

 にもかかわらず毎日新聞は自覚に乏しい。緊急会見では当初「事実と異なる部分があった」と繰り返すだけで、記者から追及され、会見の最後でようやくねつ造を認める始末だった。

 会見では社長が「報道機関でもある新聞社として」とも語っていた。しかし、こんな状態で報道機関と言えるのだろうか。毎日新聞だけでなく、東京放送などグループ全体としてとらえるべき問題だ。楽天との攻防の際、東京放送は「公共性」を強調していたが、公共性を語る資格があるのかとも言いたい。

 記者個人に執筆責任を丸投げし、デスクはノーチェック状態だったことも明らかになった。テレビゲームを長時間やるだけで子供はキレるようになるなどという話は常識的におかしく、それに気付いて当然だった。

 広告費確保のために発行部数を偽ると同時に取材費を削り利益を増やそうとする新聞社の経営姿勢が、ねつ造ややらせを生んでいると指摘されている。ねつ造は記者個人の行為だが、少ない予算で酷使し、科学ジャーナリスト大賞の獲得を目指せとまで強いている新聞社の責任はさらに重大だ。

 新聞社は、記者クラブを牛耳るなど報道機関の頂点に君臨してきた。しかし、報道内容の大部分が官製の報道機関用資料の垂れ流しという構図のままでいいのだろうか。お手軽な煽り記事ばかりが量産され、ねつ造ややらせまで行わざるを得ない状態でまともな新聞記者が育つとは思えない。

 独占禁止法の適用除外の維持などの既得権益確保のための活動が、巨額のPR費をつぎ込んで行われているが、新聞各社と取材先の関係がこのままでは、今回と同じことが繰り返されかねない。

 科学技術をわかりやすく報道するという問題はさまざまな観点から論じられ、科学ジャーナリストの育成も大きなテーマだ。そのためには、記事執筆を文系出身の記者から解放するという視点と、そのための方策も必要なのではないだろうか。

My Niche新聞 2007年1月24日

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2007年1月21日 (日曜日)

前から気になっていたイカサマ男を晒す

Web2.0というのは手放しで礼賛すべきものではない、どころか危険か潜んでいる。眉唾で接するべきだろう。

「グーグル八分とは何か」(吉本敏洋著)というのを読んでいる。まだ途中だが。
この著書、及び著者についての評価はかなり割れているようだが、それはそれで結構なことである。このエントリーは、そのことに言及するのが問題ではない。

この本の中に、学位を商売にしている「イオンド大学」という会社組織のことが書いてあり、それで思い出したことがあっただけのことだ。

アスカコーポレーション代表取締役南部昭行(なんぶてるゆき)。
パネルクイズ「アタック25」を見ていなければ、(同番組のスポンサーである)こんな胡散臭い会社のことは知らずに終わったかもしれない。この番組は以前もトリムウォーターなんて胡散臭いのがスポンサーだった。

要は「天然素材を使った自然派化粧品」のメーカーなのだが、その代表である南部の肩書きが、たまたま何日か前の新聞広告で目に入ったのである。これは同社のサイトでも確認できた。

ジェイムス大学名誉科学環境博士、ウェストミンスター大学生物科学博士、ハワイホノルル大学客員教授、国際学士院終身特別会員フェロー、そして大学名のない薬学博士、栄養学博士。

そもそもこれだけ学位を並べるだけでも胡散臭いが、名前の出ている機関はみな学位や肩書きを金で売っている機関であり、大学はアメリカ教育省で認定された正規の大学ではない。

そのイカサマ男が「こんな健康食品では寿命が縮む!!—いいサプリメント・悪いサプリメントの見分け方 」なんて本を出している。イカサマの連鎖であるが、この本のamazon.co.jpでのカスタマーレビューには

「同じビタミンCでも天然と合成ではその作用に大きく違いがあります。合成というのは、製造上その半分が光学異性体で全く効果の違う物質だからです。そしてなおかつフラボノイドを含まず吸収も悪い。アレルギーのもとにもなる。これが何で食品に含められなければいけないのか」

なんて出鱈目が記述してある。正しくは、アスコルビン酸には4つの異性体があり、そのうちのL-xylo-AsAをビタミンCというのであって、天然であろうが合成であろうとビタミンCはビタミンCに変わりはない。

消費者が情報発信する、などと絶賛されているWeb2.0であるが、結局は正しい知識と適切な判断力を伴う情報リテラシーがなければ、痛い目に遭う可能性がある、ということである。

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2006年12月20日 (水曜日)

さすってえなあ

読んだらなんか脳が傷ついてヒリヒリするような気がするw。

発信箱:カシミヤと砂漠=元村有希子

またもや突っ込みどころ満載なのだが、面倒くさいので、今日は読者の方々に、どこが私の突っ込みどころかコメントいただくことにしました。嗚呼、怠慢モード(爆)。

ちなみに記事中に出てくる武内教授は、私が30代の頃、ご近所でもあり、日本都市計画学会の仕事でお世話になった先生である。その部分は突っ込みどころではありません(^_^;)。

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2006年2月 2日 (木曜日)

科学者の不祥事

<詐欺>北海道大元教授を逮捕、海底地震計の代金だまし取る(毎日新聞)
元北大教授を詐欺で逮捕 海底地震研究の第一人者(共同通信)

島村英紀氏である。何冊か著書を持っているが、地震関係の書物ではなかなかのものだと思う。
それだけに残念であるが、北大当局も言っているように、悪いことしたのだから仕方がない。

データや論文捏造した訳ではないから、業績そのものに傷がつくという可能性は低いだろうが、世間からは色眼鏡で見られるよなあ。何か金に困ることでもあったのだろうか。それでも大学の所有物(つまり当時は国有財産な訳だ)をちょろまかそうとしたのだから、これはダメだよな。

「被害者」のベルゲン大学は支払う前に事実関係の確認しなかったのか?それとも島村氏を信用したのだろうか。いずれにしても、ちょいと言葉に詰まる事件である。

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2006年1月25日 (水曜日)

結局そこに行き着くのかよ

朝読んで気になったのだが、批評するのがこの時刻になってしまった。
毎日新聞の発信箱である。内輪では実は発疹箱とか発信箱(デムパ振りまいているので)という別称もある。
今朝の書き手は、科学環境部の看板記者元村さんである。前にも批判するエントリー書きましたけどね。今年はこのシリーズ増えるかもしれません(笑)。

ある大学院で理系学生たちと話す機会があった。どうすれば人生成功するのですか、と無邪気に尋ねられて戸惑った。
いやあ、いいですねえ。こういう質問されるということは成功している人、と思われているのだ。私なんか敗者復活戦でもがいているから、こんな質問は来ないやね(^_^;)。そもそも理系の大学院生にもかかわらず「無邪気に」こんな質問すること自体が、この院生(最近は学生と院生の区別がついていないプロの物書きや自身が院生である奴も少なくない)の知的レベルを疑ってしまうのだが....
「君の考える成功って何なの」と聞くと、ある学生は「ホリエモンみたいな金持ちになること」と答えた。志を持つのはいいことだが、科学技術の未来を担う人材にも、勝ち組思想はしっかり根付いている。
ああいう金儲けするのが「勝ち組」なのかね。「勝ち組=濡れ手で粟のボロもうけ」という図式を毎日新聞は批判していたのではなかったっけ?少なくとも地検特捜がライブドアに入ってからはそうだよねえ。

シナのIT企業とアメリカ留学云々のくだりは、何を言いたいのかよくわからない。また読解力に自信がなくなったよ(^_^;)。優秀な連中がたくさんいることは認めるけれど、シナのIT企業で世界的に影響力のあるところってあるのかね?寡聞にして聞いたことない。下請けとしては優秀なのかな?共産党一党独裁で、インターネットにも監視が入っているような国で、IT企業で成功するには中央政府や党にべったりでないとだめでしょう。もっとも北京大学や精華大学に入学した時点で党には逆らえないだろうけど。

という文脈で解釈してみると、

留学組の多くは、中国市場で一もうけしたい米国人にとって格好の投資先にはなるが、人気は水ぶくれと見た方がよい。「本当に支持されるサービスや商品を生む才覚は、地道に努力してきた生え抜き人材の方が一枚上手」という。
というのは、結局のところアメリカナイズされないで、中央政府や共産党にべったりなままだから、支持されるサービスや商品生み出せるのではないかな、と毒づいてみる(笑)。

でもってあとはお決まりのホリえもん批判だよ。これにはもううんざりだねえ。

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2006年1月 4日 (水曜日)

最初から担当記者がこんな調子では新企画も先が思いやられる

毎日新聞は平成18年の企画として「理系白書06」なるものを特集する。「ニッポンは強いか」というタイトルだそうで、担当記者のブログによると「「強いか」、というのは、科学技術のレベルや独創性や科学教育の中身が、海外に比べて優れているか、という問いかけである。理系白書が主張してきた『人材こそが宝』『日本の科学技術のよい部分を戦略的に活かすべきだ』というスタンスを保ちつつ、視点を世界に広げて日本を位置付けたいと思う。」のだそうである。

その元村記者が新年早々発信箱でなかなか香ばしい「ニッポン万歳」記事を書いた。
発信箱:江戸のロボット=元村有希子

まず、ロボットということでドラえもんの登場である。困った時にドラえもんに頼るのは怠け者だとシナ人に言われた、とある。確かに野比のび太は怠け者であるよ。ああいう子供がいたら困ったものである。でもね、自分の非を認めることをせず、困った時にすぐに日本を叩いて金をせびろうとするシナにそんなこと言われたくないね。

「日本人にとってのロボットは、幸福をもたらしてくれる存在であり続けてきた。その愛情に支えられて、日本のロボット産業は発展している」のだそうだが、最初この文章の意味がよくわからなかった。また俺の読解力がないのかね、と思ったよ。よく読むと、日本人がロボットに愛情もっていて、その愛情がロボット産業を発展させている、ということのようだが、本当かね?多くの日本人はロボットなどに通常は無関心だと思う。アニメは別として(笑)。

関係者の熱意と努力こそがロボット産業を発展させているのではないかな。
本当に理系の見方、科学者・技術者の味方を任じるのであれば、「日本人の愛情」などと抽象的で曖昧なものを第一に賛美するのではなく、現場の努力にまずは言及すべきではないのか。

さて、幕末の佐賀藩の田中久重によるからくり人形である「文字書き人形」に言及するに至って、1つ気がついた。ドラえもん、鉄腕アトム、鉄人28号などが並んでいて、記者が日本人にとってのロボットはこれだという認識をしているらしいことがわかる。アニメは別と上で書いたように、確かにこれらは人間型であって親しみやすさを感じる。だが、これはロボットの一側面でしかない。どうも見た目の派手さ、華やかさだけに目を奪われているのではないかなあ。

科学史家の東野進という人が出てきて、久重は「人形ではなく人間を作ろうとしたんじゃないか」と言っているようだ。そう考えるのは自由であり、夢があってよろしい。でも歴史家であれば久重に関する史料にあたって、彼の真意を推測するくらいの慎重さが必要ではないかと思う。

そして最後の段落が笑えるのである。

「容易に妥協しない緻密(ちみつ)さは、戦後の日本を支えたモノづくり精神そのものだ。久重は明治維新後、東芝の前身となる工作所を75歳で創業している。外国の借り物ではない江戸の匠(たくみ)の技から、日本の製造業は生まれたのだ。」
日本の緻密なものづくりは戦後だけか、という突っ込みもあるが、まあそれは深入りしない。ただ戦前からの積み重ねがあるから、戦後の発展もあったのだ、と言っておこう。どうもこの新聞社全体がそうなのだが、戦前=暗黒という虚構に捕らわれているのではないかと感じるのである。

外国の借り物ではない江戸の巧みの技から日本の製造業は生まれた?
うん、確かにそういう側面もあるにはある。しかし明治維新に雇われ技師や学者として日本にやってきた米国人、英国人、ドイツ人、フランス人などは一体何なのだ?

多くの近代産業は欧米を模倣するところから始まった。江戸の巧みだけから現在に至る製造業が出てくるのか?
最初はマネでも、勤勉な日本人は欧米から多くのことを学び取ろうとした。勤勉な姿勢は確かに日本人の古くからの美徳であろう。そして有意の青年達はこうした外国人から学び、そしてある者は留学して、さらに欧米の科学技術の生の姿に触れ、それを日本に伝えて、更に発展させた。その発展過程で、江戸の匠という伝統が活かされて、和洋の融合が日本の近代産業を強くしたのだ。

様々な海外の文化を取り入れつつ、日本的な要素を加えて独自の文化を創り上げてきた少なくとも2000年の歴史を持つ日本の姿がここにも映し出されている。

いくら「ニッポンは強いか」という問いかけをしようとしても、最初からこんなずさんで脳天気な日本万歳では、新企画「理系白書06」に、客観的かつ論理的な展開など望めないではないか。

とここまで書いてきて、例のES細胞のウソツク教授のことを思い出し、この記事、韓国語で書いてあって日本という部分がテーハンミングッになっていたら、韓国の記事でも通用するのではないか、と感じた次第(笑)。

新聞お得意の、最初に(華やかな)結論があって、その結論に都合のいい素材を取材しているだけでは、一般受けする記事は書けるかもしれないが、理系白書の本当の目的は達成されず、むしろ地道に働いている科学技術の現場にいる多くの人間から疎まれる可能性すらあると指摘しておこう。

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