12月4日に新青森まで開業する東北新幹線のダイヤがJR東日本から発表になった。
ごく妥当なもので、E5系のはやぶさが間に合わない今回の開業では、はやての運行を単純に新青森まで延伸し、二戸に停車するはやてはすべて七戸十和田にも停車し、この2駅は一日12往復、いわて沼宮内は一日8往復。全体では東京・新青森15往復+区間運転2往復(仙台発着、盛岡発着)。
ということで、来年3月以降のはやぶさが登場した時にどういうダイヤになるか(全体の運行本数と八戸通過)が焦点だ。今回の発表ではむしろ盛岡発着列車で、やまびこの減便とこれに替わる仙台・盛岡間各駅停車のはやての設定の方が面白い。現行の盛岡発着のやまびこはいかにも中途半端だ。
これに対して、来年3月全然開業の九州新幹線は、九州の沿線自治体からの山陽新幹線直通のさくらの停車要求がやかましくて、JR九州の国道交通省へのダイヤの申請が1ヶ月遅れているらしい。この列車はそもそも関西圏と九州を結び航空機に対抗するための広域的な高速交通手段として考えられているのだから、地域エゴで(個別にはそれほどの乗降客数が見込めない)停車駅を増やすのは非効率だ。中央リニア新幹線の長野県と同じような我が儘である。
JR九州の会長が語った見通しとして、以下のような熊本日日新聞の記事がある。
2011年3月に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートのダイヤに関し、JR九州の石原進会長は11日、1時間に熊本駅で停車させる上下各4本うち、2本が熊本始着になるとの見通しを明らかにした。
熊本市であったシンポジウム「九州新幹線全線開業と熊本都心のまちづくり」で述べた。
JR九州は熊本駅停車は1時間に上下各4本で、うち1本を新大阪駅直通の「さくら」にする方針を打ち出していた。
石原会長は「全線開業の3カ月前の12月にダイヤと運賃は決まる」とした上で、「鹿児島中央までは1時間に2本、熊本止まりはプラス2本になる」と説明。鹿児島中央の始着本数は現行ダイヤ並みとなる認識を示した。
熊本駅停車については「ラッシュ時間帯には5本になるかもしれない」と、現在の特急「リレーつばめ」「有明」の運行本数から最大2本を増発する可能性も示唆した。
一方、新大阪-鹿児島中央に走らせる最速列車では「博多-鹿児島中央のうち、博多、熊本、鹿児島中央で停車すると、3時間40分台で走る列車が可能。ただ運行本数は少ない」と話した。
名称として有力候補の「みずほ」でなく、浸透している「さくら」に“スーパー”と付けて区別する案には「名前を長くするとコンピューター改修費用がばく大にかかる」として「難しい」との見解を示した。(中原功一朗)
ということであれば、既開業区間の新八代・鹿児島中央のダイヤを基本的には変えないという前提で考えて、以下のような運行パターンが現実的だろう。
みずほ 新大阪・鹿児島中央間運転
新大阪・新神戸・岡山・広島・小倉・博多・熊本・鹿児島中央
さくら 新大阪・鹿児島中央間運転
新大阪・新神戸・岡山・(福山)・広島・(徳山)・(新山口)・小倉・博多・(新鳥栖)・(久留米)・熊本・新八代・[川内]・鹿児島中央
つばめA 博多・鹿児島中央間運転 博多・熊本・以遠各駅停車
つばめB 博多・熊本間運転 博多・(新鳥栖)・(久留米)・(新大牟田)・熊本
つばめC 博多・熊本間運転 各駅停車
※駅間距離の近い新鳥栖・久留米はいずれか一方の停車とし、さくらとつばめBのいずれかで毎時停車を確保。
※さくらの福山・徳山・新山口はいずれか一駅停車。
※さくらの川内は現行並みの停車から、通過は1往復とする。この列車は博多・熊本間も通過。
※さくらの停車駅はみずほ+4駅で新大阪・鹿児島中央の所用時間は4時間5分程度。ただし一部は航空機との競合からみずほ+新八代のみ停車とし、新大阪・鹿児島中央を3時間52分での運転とする。
来春の開業区間で交通結節点でもないのに後から加わった筑後船小屋・新玉名は鹿児島方面への需要などそれほどないだろうから、熊本発着の列車が毎時1本停車すれば十分である。本音を言えば政治駅の船小屋なんぞはいわて沼宮内並みでもいい(笑)。新鳥栖の全列車停車も誇大妄想である。
さて、実際に出てくるダイヤとどれくらい「違って」いるだろうか(笑)。
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