2010年1月 7日 (木曜日)

諸君、注目したまえ、生誕200周年だ

今年はドイツ・ロマン派の作曲家、ローベルト・アレキサンダー・シューマンの生誕200周年である。
小生のハンドルネームは、シューマンが評論家として文筆活動を行った際に使用したペンネームの一つを拝借している。本当のフロレスタンは200年前にこの世に生を受け、そして46歳で精神を病んで死んでいった。

彼の作品を聞いていると、独特の和音進行や対位法の使い方などに、ある種の精神の不健全さを感じることが多い。聞いているとそれが快感なのである。ピアノ三重奏曲第一番、ピアノ五重奏曲、交響曲第二番と第四番、ビアノ協奏曲、三重奏曲おとぎ話など。恐らく現代音楽にも通ずるところがあるのだろう。音楽史としては、マーラーからシェーンベルクあたりにつながっていく。もっとも彼に直接師事した後継者はヨハンネス・ブラームスだが。

彼はツヴィッカウ(Zwickau)という小さな街で生まれ、エンデニヒ(Endenich)という無名の街の精神病院で生涯を閉じる。
3番目の交響曲(Drittes Symphonie)は「ライン」(Rhein)という愛称がついているが、彼は死の2年前そのラインに身を投じて自殺を図り救出されている。最盛期にはドレスデンなどの主要都市でも活躍した。

その波乱に満ちた生涯を追いかけるように、彼の過ごした土地を巡る旅をしてみたいと思っているが、今年は時間的にも経済的にも無理だ。私が死ぬまでに実現できるだろうか。没後160年にあたる2016年は一つの目標だな。

その前に今年は、一年を通じて彼の音楽を今一度じっくりと味わってみることにしよう。

なお、ピアノの詩人フレデリック・ショパンも今年生誕200周年だが、シューマンは彼を(もちろん日本語訳だが)「諸君、注目したまえ、天才だ」と評している。

(追記)
ビアノ曲「トロイメライ」や合唱曲「流浪の民」などが通俗的には有名ですが、あまり聞いたことがない、という方もこれを機会に何か鑑賞してみて下さい。ハイネの詩に彼が曲をつけた歌曲「詩人の恋」あたりがとっかかりにはよいでしょう。作品番号1のビアノ曲「アペッグ変奏曲」は、若き日の作品ですが、シューマンの個性を感じ取れる代表作といえるでしょう。abeggという名のとおり、A-B-E-G-Gという音の進行をテーマにしています。スケールの大きな本格的なビアノ曲なら組曲謝肉祭。オーケストラ作品では前述のピアノ協奏曲(イ短調の一曲のみ存在)が聴き応えがあります。

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2008年10月20日 (月曜日)

What's inside ?

先週読んだある週刊誌のコラムから。執筆は生物学者の福岡伸一氏。

D♭ D♭ G♭ D♭ A♭

これを見ただけでどんなメロディーかわかる人は音感が優れている、という趣旨のことが書いてあった。
いや、それほどでもないだろう。私も音感は自信があるし、このメロディーはすぐに頭の中で流れたが、わかる人は大勢いると思う。

でも、聞いたことがあるような気がするのに、何のメロディーかどうしても思い出せない。

記事の最後を見て、愕然とした(笑)。大袈裟だけど。
「世界で1番売れているCPUのメーカー」のテレビコマーシャルの最後に流れる音楽だったのだ。
Walter Werzowaという作曲家の作品だという。そしてこれは、全世界で5秒に1回の頻度で流されていたらしい。

そうだよなあ。言われてみればどうってことないのに。
私の頭の中にはIntel入ってないからな(笑)。

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2007年11月26日 (月曜日)

余計なお世話だ、聞きたくない自由を侵害するな

運転してると名曲響く…「メロディーロード」相次ぎ誕生

ただでさえ、様々な音で騒々しい日本(特に都市部)なのに、どうして自動車を運転していて、いきなり聞きたくもない音楽(それも道路の溝による振動が発する質の低い音)を聞かされなくてはいけないのか。

私は嫌だね。どうしてこうお節介が過ぎるのだろうか。「北海道標津町の建設会社、篠田興業の篠田静男社長」はいいアイディアだと自画自賛なのかもしれないが、こういうのは個人の趣味に留めるべきだ。こんなものに地域活性化の期待をかける自治体も情けない。

制限速度を守ると音楽が聞こえるらしいが、いつも制限速度で走れるとは限らないし、現在の制限速度そのものが自動車性能や道路舗装などの面から時代遅れのものである。

逆に聞きたくないドライバーが制限速度を守らなかったり、わざとノロノロ運転したらどうする気だろうか。

音楽というのは、聞きたい人間が聞きたいときに、それにふさわしい場所で聞くものではないのか。

(追記)
大石英司の代替空港に「ただこの手の凹凸はハンドル取られるので乗ってる方としてはあんまり嬉しくないですね」というコメントがありました。安全を考えるなら、そういうバイクの視点も無視できませんね。

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2007年11月 4日 (日曜日)

「水子」の交響曲

NHKのBShiで「シベリウスの魂 フィンランド」という昨年オーストラリアで製作された番組が放映された。

そうだ、今年はこの偉大な作曲家の没後50周年なのだ。1957年9月20日、私が母の胎内にいる時にこの世を去ったシベリウス。なんと第8交響曲が完成していたという。しかし多分1942年に全部焼き捨てられたと番組中で語られていた。

第7交響曲の凝縮された完成度を考えれば、晩年のシベリウスには不満だったのかもしれない。しかしそんな曲があると知れば、聴きたいと思うのが人情である。

草稿の残されたベートホフェンの10番交響曲。未完成に終わったシューベルトの8番交響曲と彼の系譜を継ぐアントン・ブルックナーの同じく未完成の9番交響曲。別の作曲家による補筆によるCDの出ているチャイコフスキーの7番交響曲。そしてマーラーの10番交響曲にシベリウスの8番交響曲。

偉大な作曲家達の「最後の」交響曲はこの世とあの世の橋渡しなのか、不思議な香りが漂う。モーツァルトに至っては最後の未完の曲が「レクイエム」である。

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2007年10月 2日 (火曜日)

リンゴ交換

結局iPod nano (3rd gen)は、電源が入らず、購入店で初期不良認定で交換。
その結果、何事もなかったようにちゃんと起動する。

まあApple製品なんてこんなもの(笑)。怒ってはいけないのである。

カードサイズにCD何枚分も音楽データが入れられるのは便利である。
クラシック音楽何枚分か入れたらすぐに2GBくらいのデータ量になってしまった。
ああ、いけねえ、リンゴなのにまだウィリアム・テル序曲を入れてなかった(^_^;)。

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2007年5月28日 (月曜日)

対照的な2人の死

<ZARD>坂井泉水さん死去 病院のスロープから転落

これはびっくりした。悲しいニュースである。
坂井泉水、特別にファンというわけではないが、ドラマやアニメのエンディングなどで流れる彼女の曲はしばしば耳にする。声もメロディも私のツボにぐさっと来るものがあるのである(^_^;)。

癌がそんなに酷かったのか、というのもあるし、その治療の副作用で体調が思わしくなく、転落に繋がったのかもしれない。悲観して自殺なんてことはないのだろうな。

心からご冥福をお祈りする。音楽家はそれでも録音された作品がある限り、不滅である。

もう1つ。こっちは酷えよな。
疑惑の中、松岡農相自殺 林道談合・ナントカ還元水…

疑惑の固まり。そしてそのことに対してまともな説明をしようともしない。
鳥取大の農学部出身らしいが、農水技官から省のトップに上り詰めた権力者のなれの果てということだな。
一般論としては死者にむち打ちたくないが、こいつは例外の1人だ。

日朝友好議員連盟の会員だというし、例の日本食の認証制度の発案なんてお莫迦なこともやっている。
内閣府認証のNPOの申請に関する口利き疑惑などもあるようだし、こりゃ単なるゴロつきぢゃないか。

腐った21世紀梨と鳥取砂丘の砂とラクダのウンコでも投げつけてやれ。

本当の理由など知るべくもないが、さんざん権力を濫用して甘い汁を吸い、挙げ句に身の危険が迫ると自殺とは言語道断だ。そんなことなら最初から政治家なんかやるなよ、というかそれが政治屋の実体か、やれやれ。893以下などと言ったら、まっとうな893に失礼だな。

丹波哲郎先生によると、自殺すると地獄に堕ちるとのこと。まあこいつは自殺でなくとも地獄行きだろうが。
こいつの死を嘆くのは、せいぜい家族、親類縁者、利権にしがみつきたい後援者と閣僚、政府首脳くらいのものだろう。

悪い奴が1人消えたわけだが、モグラ叩きかゴキブリ退治みたいに、またぞろ同じような奴が出てくるのだろうな。

(追記)
JosephYoikoさんのブログ「文系白書ブログ」の2007年6月1日のエントリーにありますが、安直に「冥福を祈る」という表現を使うのは考え物です。ちょいと軽率でした。調べてみると坂井泉水さんは「戒名」が「澄響幸輝」とのことで、「法名」ではないから浄土真宗の門徒ではないと考えてよいでしょう。もっともこのニュースを流したメディアが無知で、本当は「法名」なのに「戒名」と書いたとしたら、事態は異なります。その場合には、坂井さんにお詫びせねばなりません。

(追記2)
戒名の本体は2文字なので、より正確には坂井さんの戒名は「幸輝」と言った方がいいようです。澄響というのは「道号」に相当する部分ではないかと。

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2006年10月 9日 (月曜日)

そっくりさん?

顔面兄弟。さて、皆さんの評価はいかほど。

イヴィツァ・オシム
リヒャルト・ヴァークナー(ワーグナー)

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2006年8月25日 (金曜日)

実態としての太陽系には何の変わりもないのだが

国際天文学連合のプラハ会議で冥王星が惑星から除外された。マスコミは大騒ぎである。産経新聞などは一面トップ扱いだ。科学の中でも身近な話題だけにマスゴミとしては騒ぐ価値があるのだろうな。

冷静に考えれば何も変わった訳ではない。冥王星の異質さを考えればむしろすっきりする。英国の作曲家グスタフ・ホルストの作品に組曲「惑星」というのがあるが、冥王星は含まれない(占星術から発送されているので地球も含まれない)。作曲当時発見されていなかったからだが、結果的にそれでよかったことになる(笑)。一般人が普通に手に入る光学式望遠鏡で見ることができないような星の学問上の定義をどうするか、ということでそんなに騒ぐなよ。

教科書の書き換え云々というが、そんなもの現場で対応すればいいことだろう。それとも理科の教師はそんなにアホ揃いか?

それにしても、毎日新聞の記事中の松本零士のコメントには呆れたね。自分の妄想がいつの間にか「多くの人の夢」になっちまっている。それはねえだろ。

そのうえで「冥王星はこれからも太陽系の一族だ」と強調し、存在感が低下しないよう何らかの形で配慮してほしいと訴えている。

別にあんたが強調しなくても、冥王星が太陽系の一族であることを誰も否定もしないし忘れもしない。存在感なら今回の騒ぎでかえって高まったろう。それより、宇宙戦艦ヤマトだったか、冥王星を跡形もなくガミラスに爆破させてしまったのはあんたではなかったのかな?(笑)

その点、観山正見・国立天文台長の話は冷静かつ中立的でよい。

(追記)
産経新聞の記事はなかなかよい出来だと思った。一面の報道には松井孝典東大教授の談話を掲載(惑星を8個としたことは科学的に妥当であり、わかりやすくて社会的にもよい、という趣旨)。また社会面には「冥王星」という和名の命名者の遺族(娘さん)の残念だが仕方ない、という談話や、ホルストの曲のこと、教科書会社及び科学館や天文台などの対応についても言及し、バランスが取れている。

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2006年6月17日 (土曜日)

モーツァルトイヤーのある訃報

W杯モードなので、エントリーの大半がサッカーだが(^_^;)、これはしかたない。

しかし、この訃報にはコメントせざるを得ない。

指揮者の岩城宏之氏が亡くなった。73歳。晩年は数々の病魔と闘い、やせこけた姿になっていたが、それでも1日でベートホフェンの交響曲全曲演奏など、音楽への情熱を燃やし続けた人だった。若手の作曲家のためにポケットマネーで曲を委嘱し、人の育成にも尽力したという話も感動的である。雑誌のコラムなども執筆していたが、音楽家の随筆というのは、舞台裏や演奏家の心理がわかってなかなか楽しいものである。昨今はおしゃべりのできる音楽家はけっこういるものの(例として誰とは言わない)、気の利いた文章の書ける人が少ないような気がする。

中学・高校の頃、よくNHK教育テレビでN響アワーを鑑賞したが、解説・番組進行の大木正興氏とともに、実際の演奏で指揮棒を振る岩城氏は、身近に感じられる存在でもあった。

天国には、多くの偉大な作曲家や指揮者がいる。そして今年はモーツァルト生誕250周年(これでけっこう世の中は騒がしいし、それで儲けているCD関連の会社などもあるようだ)、シューマン没後150周年である(私にとっては、このブログのハンドルもシューマンの評論家としてのペンネームを拝借しているので、こちらの方が重要なのだが)。岩城氏はこうした偉大な芸術家に温かく迎えられたに違いないのである。

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2006年6月15日 (木曜日)

ベートホフェンの国で蛙の「合唱」

スペイン・ウクライナは4−0でスペインの快勝。後半早々にウクライナのDFに退場者が出て、そのファウルによるPKで3点目。この対戦はグループHの頂上対戦ではなかったのかな?

今、チュニジア・サウジアラビア戦やっているて、その内容見ないと何とも言えないけれど、スペインとチュニジアの勝ち抜けってのもあるかもしれないな。

スペインは決定力不足が言われていたのにいきなり4点。残りの試合にとっておけばよかったなんてならないだろうな(^_^;)。全員奮闘していたが、2点いれたFWのビジャとDFのプジョルが目についた。ウクライナはボールが繋がらなくて、焦りからかオフサイドトラップに何度も引っかかり、挙げ句にロングボールをシェフチェンコめがけて放り込んでも、スペインDFに跳ね返される。ただ、何度か鋭い攻撃も見せてはいた。

この苦戦は、そもそも実力差なのか(シェフチェンコがいるために過大評価されていたかも。彼はミランなら活きるのだろうが)、暑さのせいなのか、いろいろと考えられるが、1つロイターで面白いニュースがあった。

W杯ウクライナ代表、カエルの鳴き声で不眠訴える

とここまで書いてきたら、前半23分、チュニジアが先制。サウジ、何とかしろよ、アジア枠が減っちまうぜ。

ところで、ブラジル・クロアチア戦については、エントリー「隣は勝ったぞ」のコメント中に論評しております。

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