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2012年7月23日 (月曜日)

専門家を排除しようとする風潮

昨今の日本はすっかり素人社会である。テレビにはコメンテーターと称する連中が登場して、ろくに勉強もせずに大衆受けしそうなことを専門外の分野で好き勝手に話している。

エネルギー政策を考える意見聴取会では、電力会社の社員が排除されてしまうことになった。
このまま素人主導で今後のエネルギー政策が決められてしまうと、日本社会はますます混迷を深めるのではないかと危惧される。

さて、自分の専門分野に関連していうと、実はもう何年も前から絶望的である。
「市民参加のまちづくり」とやらがすっかり定着し、プランナーがファシリテーターに転職している。これははっきりと転職と言ってよいと思う。プランナーにファシリテーターの素養は必要だが、自分で計画をつくることが第一義ではなく、素人の意見を調整集約することが第一義になってしまっては職能は違うからである。都市のフィジカルプランニングは専門的トレーニングが必須だと今でも私は確信している。それは大学での専攻という狭い意味ではない。

行政からあるテーマで業務を受託し、会合の場に行くと多数の「市民」が待ち構えている。その中には、専門家として正当に契約を締結し報酬を得て業務を遂行しようとする我々に対して、どういう権限で出席しているのか、契約金額はいくらかなどと堂々と尋ねてくる。大きなお世話だ、そんなことを開かす必要もないし、大した金額ではない(のに「そんなに貰っているのか」と反発する奴までいる)。

専門家を軽視し、排除しようとする芽は恐らくそこここに存在するのだと思う。
最近は幸か不幸かこういう場にお声もかからないのだが、かかってもこういう場には出たくはない。雀の涙ほどの金で不快な思いをするだけなのだ。

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