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2012年3月 3日 (土曜日)

「高齢出産」が困難なことに変わりはない

2月14日のNHKクローズアップ現代で「産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~」(テキスト部分のみの魚拓はこちら)が放映されて、少なからぬ女性が衝撃を受けたようだが、アンチエイジング、某政治家の人工授精による出産、高齢芸能人女性の妊娠のニュースなどで惑わされて何歳になっても子供は産めるとでも思っていたのだろうか。

高齢芸能人に関しては、妊娠だけがニュースになって目立つから、実際には妊娠しにくいということに気がつきにくいのだろう。また産んだ後の苦労の話はほとんど報道されない。

ところが、3月1日にこんなニュースが登場した。
卵子は次々に作られる、幹細胞の新研究ウェブ魚拓

仮にティリー氏による卵子の幹細胞の存在という「ミクロの現象」が事実だとしても、その発見によって高齢出産が容易になるわけではない。それは長い歴史の中で多くの女性が証明している「マクロの現象」である。

1度に受精できる卵細胞は1つである。卵子が完全に入れ替わる訳ではないから、幹細胞によって新しく生まれた「新鮮な」卵子が常に受精の対象になるとは限らないだろう。

報道によると、ティリー氏も「出産年齢の女性の卵巣にこうした卵子の前駆細胞があることと、年齢を重ねると生殖能力と卵巣の機能が低下するという事実とはまったく矛盾しない」と言っているので、加齢による卵巣の機能低下までは否定していない。

科学的に新たな発見があったとしても、ミクロなメカニズムが書き換えられるだけで、普遍的に見られるマクロな現象を変えるわけではない。もちろん、今回の話題に関して言えば、卵細胞を全て新しいものに置換できるような技術が開発されれば話は別であるが、そういうことではない。

仕事を持っていようが持っていまいが、子供が欲しい女性が20代のうちに安心して出産・育児のできる環境をどうやって実現するか、改めて考える必要があるだろう。例えば専門的な仕事などであれば、出産前後の産休はやむを得ないとして、妊娠中や子育て中の自宅就労などを積極的に採り入れてもよいと思う。そういうことが可能な条件はITなどで揃いつつあるはずである。

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コメント

女性の体は、生物学的には10代後半での出産がベストであるように創られているそうですね。

江戸時代には15-6歳で結婚したのもさもありんなんでしょうか。

投稿: outlaw | 2012年3月 7日 (水曜日) 13時45分

>>outlawさん

初潮が10代始め頃だから、そういうことになるのでしょうね。昔は乳幼児の死亡率も高かったから、子孫を残そうとしたら早く出産する必要があったはずです。

今は子供が殆ど死なず、少数の子供を大切に育てることが可能になったということも出産年齢が高くなる要因の1つではないかと思います。それが行き過ぎると出産適齢期を逃してしまうことに。

投稿: フロレスタン | 2012年3月 8日 (木曜日) 11時02分

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