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2010年2月10日 (水曜日)

公的機関のくせに酷い調査をするものだ

日本政策金融公庫が先月実施した平成21年度第2回「消費者動向調査」。
公庫のウェブサイトの中の「各種レポート | 農林水産事業」のページから調査レポートのPDFファイルが入手できる。

景気が悪化して食品購入に対する消費者の動向が変化した、というもので、その内容は低価格志向で「国産へのこだわり」が減ったというものだ。「食の『経済性指向』が30代と40代で49%の効率。安全志向は一段低下」と煽った見出しがついている。

「国産は輸入品よりおいしくて安全」という思い込み(これはレポートの図4に掲載されている数字を見れば明らか。これだけ多くの人が洗脳されているのも考えようによっては恐ろしい)を前提にして、経済性と安全性という本来独立した属性を、あたかも相反するものであるかのように扱った表現であり、偏向した調査内容であると言わざるを得ない。

そもそも30代、40代は育ち盛りの子供がいて食費がバカにならない世代である。そこへもってきてこの景気悪化である。低価格志向にならざるを得ないではないか。それを安全志向は低下、とまで言ってしまうのは、所詮は倒産しない公的機関のお気楽な感覚だ。多くの消費者は安全性を気にしながら、財布の中身と相談しながら買い物をしているし、シナ製毒入り餃子という特殊な例だけを取り上げて、輸入食品全体が危険であるかのように公的機関が語るのは非常に問題だ。

それともう1つ。生鮮食料品の価格は下げ止まり感がある一方、「加工食品への値下げ期待が根強く、食品加工業者や小売業者にとっては値下げのプレッシャーになりかねない状況ともいえそうです」などと他人事のように述べているが、そのプレッシャーを受ける事業者は公庫の取引先も多いはずだ。確かに加工食品の価格水準が今のままでいいかどうか、という問題はあるものの、農業改革によって生鮮食料品の価格低下を促進し、割高な国産農産品を許容しているような国民性を変えるような提言をすべきだと思う。

旧農林漁業金融公庫を統合していることを考えると、所詮は今のどうしようもない保護主義的な農政の手先に過ぎないのかもしれない。タイトルには「公的機関のくせに」と書いたが、「公的機関だからこそ」とした方がよいのだろうか。

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コメント

先日、NHKスペシャルで財政破綻に瀕しているカリフォルニア州にて教育費が削減されているという特集がありました。そこで、登場したのがなんと、

日雇い教師

なる人たちでした。予算が削減されたため、公務員にも関わらずレイオフ(極東の亡国、じゃなかった、某国のようにリストラなどいって誤魔化しません。しかも、レイオフは日本の英語辞書では”一時”解雇”の訳が堂々と載っていますが、実際には永久に解雇=首切りです。技術者を技術者をengineerでなく、technicianと誤訳する英和辞典が全てですから、それを見過ごす英語学会というのもタカが知れている、といえばそれまでですが。)され、日に一度掛かってくる翌日の勤務先の電話を逃すまいと待ちながら生活を送っているとのことでした。

日本のお役所も、税収が減った分、解雇や給料に反映させればもっと気を引き締めるのではないでしょうか。

投稿: outlaw | 2010年2月11日 (木曜日) 08時21分

>>outlawさん

年金の物価スライドなんて制度がありますが、公務員給与の税収比例というのはありかもしれませんね(少なくとも国会議員と国家公務員の幹部クラス)。税収に関係なく給与が支給されるので、でたらめな経済成長政策でも、誰も責任取りませんから。

いずれにしても公務員も含めた雇用の流動化を進めないと、この国の将来は暗いと思います。公的機関の無駄はきちんと削るべきで、政策公庫なんてこんな下らない調査やってないで、もっと中小企業の悩みに真剣に対峙できるコンサルタント機能を強化すべきです。そのための人材を確保すべき。ただし正規職員である必要はない。

投稿: フロレスタン | 2010年2月11日 (木曜日) 09時19分

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