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2010年1月30日 (土曜日)

経済不安が少子化の原因なのか

クロハトキン総理の国会の施政方針演説は、「命を守る」が柱だったことに驚きを隠せない、訳ではなく、寧ろこの総理ないし内閣の社会主義的体質をよく表していると思う。その点では個人的には「想定の範囲内」ということになる。日本国憲法にも規定されているような当然の内容を今更のように強調するところに、この内閣の手詰まり状況が凝縮されていると言ってもよいだろう。

全体像はともかく、経済的不安から子供を産まない、という認識についてはそれが「子ども手当」に結びついている訳だが、政治家だけでなくメディアも含めて、影響力のある人たちが数字を読み間違っているのではないか。そもそも少子化の傾向は30年以上前から統計データに表れているのであって、その間景気は変動している。つまり少子化と経済不安とは相関性(という言葉が言い過ぎなら関連性)はない。

出生率(専門用語では合計特殊出生率という)は、15歳から49歳の女性が対象になるのだが、これは5歳階級のコーホートが人口データの取り扱いによく用いられることに起因するものだろう。なにしろわが国の法令では女性の結婚可能年齢は16歳である。

だが、これは女性という属性だけを年齢で輪切りにしたものであり、結婚しているかどうかは関係ない。事実、少子化(出生率の低下)の要因として、有配偶率、特に20代女性での低下の影響が大きいからだ。
例えばこれの第14項目。

女性が高学歴化して働くようになれば、これは当然のことだ。
しかも彼女らはしばしば結婚相手に対する要求水準が高いから、なおさら容易に結婚に踏み切らない。
加えて、出生時の男女比率は概ね1.06 : 1.00であり、乳幼児〜若年層男性の死亡率が低下しているから、なおさら適齢期の男は「余剰」になり、結婚しにくい社会状況が強調されて見える。

結局のところ、経済成長によって若い人たちに将来に対する希望を持たせ、かつ女性が労働力として活躍できるような職場環境を拡大することによって、なんとか少子化問題は解決の糸口を見いだすしかないのだろう。ただし、即効性はないが。

となれば、やはり規制をできるだけ緩めて政府が余計な口出しをしないことに限る。それから悪しき既得権の撤廃も必要だ。

総理の演説では長寿企業が二万社を超える日本を賛美しているようだが、そういうところが本当に社会的貢献をしているのだろうか(全部がしていないとは言わない)。古い因習にとらわれて、女性の職場進出や復帰を妨げているところはないだろうか。古い企業を守るよりも、新しい感覚をもった経営者がどんどん起業できるようにした方がよいのではないだろうか。いや、古くても中小企業なら既婚女性でも戦力にしているところは多いはずだ。いや、せざるを得ないと言った方がよいかもしれない。一番問題なのは大企業だろう。

折しもアップルコンピュータからiPadが発表になり、Kindleなどとの電子書籍争いもささやかれているが、日本の出版流通の古い仕組みでは、電子書籍すらままならない。出版不況だというのに、これでは業界に将来性などないではないか。既得権の撤廃の必要性とはそういうことだ。

子ども手当などのばらまきとは違う、財源のいらない経済成長戦略と雇用対策、少子化対策を打ち出せる政治が必要なのである。

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