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2009年9月 6日 (日曜日)

高速道路無料化による経済効果試算の欺瞞

高速無料化2・7兆円効果、国交省試算が存在 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) via kwout

民主党の高速道路無料化という政策は、今年になっていきなり出てきたものではなく、プレーンと思われる山崎養世氏の主張で以前から存在している。国交省が「裏資料」としてその経済効果を試算したとしても何の不思議もないし、民主党が野党であればその政策は実現しようもないから、その時点で公開される必要性も全くない。それが今になって出てきたとしても何の不思議もない。政権交代が常態化すれば、こんなことはいくらでも今後起きるだろう。

それにしても、こんなに早く政権が変わるとは考えていなかったのか、”政府はこれまで、国会答弁などで、高速道路無料化の経済効果に関する試算について「国交省がまとめたものは存在しない」としていた。試算の存在が判明したことで、民主党政権の発足後、問題追及される可能性がある”、というように嘘は拙い。こういう行政による嘘が少なくなるかもしれないという期待は政権交代の結果としてできるかもしれない。

しかし、これも記事中にあるように、”道路建設の費用対効果を判断する際に用いる走行時間短縮、燃料費などの削減、交通事故減少の三つを金額に換算して合計している”、という程度の試算であり、こんなものを絶対化して無料化が羽化があるなどと考えてはいけない。

国土交通省の行う道路の経済効果の試算は、道路建設を前提としたものだ。しばしばプラスの要素は水増しされる。
それでも最近は財政難から、道路建設に際してコストベネフィットが問題とされるようになったので、それほど酷い水増しはないとは思うが… いずれにしても、限定された要素だけをもとに、ある程度意図的な操作が可能な経済効果の試算結果でプラスになったからと言って、それが絶対に正しいどということはない。

実際に土日祝日1000円となった今年の実情を反映させて、原単位を設定直し、試算をやりなおせば、渋滞の悪化や事故発生件数の増加といったマイナス面は、この試算当時よりも多く出る可能性も当然考えられる。

さらに言えば、この試算は道路に限定したものであり、鉄道利用者数の減少、フェリーへの影響などを考えれば、試算のプラス分は、こちらのマイナスで相殺されてしまう可能性もあり、また地方の鉄道やバス、フェリー路線などは一度廃止されてしまうと復活は難しい。フェリー業界や造船業界など雇用問題にもつながる。

読売新聞のような大手でもこの程度の垂れ流し記事しか書けないのは情けない。

自分で試算していないので、断定できず「可能性がある」という表現が多くて恐縮だが、試算のやり直しは原単位データと予算があればできるものである。野党となった自民党はこれをやったらよい。

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コメント

国土交通省の試算の報道は元々半年前のものです。
http://www.zakzak.co.jp/top/200903/t2009030630_all.html
気が付かずに、改めて最初に「スクープ」したのが朝日新聞で、その後読売や共同が釣られたものです。

投稿: March | 2009年9月 9日 (水曜日) 00時49分

記事中にある軽量計画研究所(略称IBS)は、私の知り合いも複数いて知っている機関です。というか、私の会社も過去にここから仕事をもらったことがある(^_^;)。

この手の道路交通がらみの業務はずっと前から多く手がけている研究機関です。メディアが無知なだけです。

調査時期や隠蔽云々はもはやどうでもよいことです。ETCの普及、土日1000円定額という施策実施前のものなので前提条件が全く異なるため、この内容自体が民主党の公約を後押しするものではありません。

馬淵議員も現在の状況を前提としたシミュレーションの必要性は認めたようなので、民主党の公約もいい加減なものだということがバレバレです。

首都高、阪神高速以外にも有料のままの区間が出てきそうですし、渋滞の激化に不安を感じている人も多く出てきて、大都市圏では原則無料化に反対の人が半数以上、という最近のアンケート結果も出ています。

他の施策もそうですが、脱官僚といいつつ、役所に大きく依存するようなばらまき政策を打ち出している時点で、民主党の公約は根本的な自己矛盾を抱えていると言わざるを得ません。

投稿: フロレスタン | 2009年9月 9日 (水曜日) 10時25分

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