« それが判決と何か関係あるのか? | トップページ | 民主党のマニフェストで賛成できないものを洗い出してみる »

2009年8月10日 (月曜日)

総選挙前に高速道路料金について考えてみる

高速道路料金について考察してみようと思っていたら、こんな記事に出くわした。

高速道路料金:上限1000円、損失5億円 春の大型連休、東京-名古屋で分析
(ウェブ魚拓)

そもそも道路計画を策定する時には、交通需要を予測して、これにもとづいて道路交通容量を算定して道路構造(具体的には設計速度や車線数など)を定めるのだが、道路交通容量は基本容量に各種の補正係数を乗じて算定する。高速道路の場合は一般道路と比較すると設計速度の値が大きく良好な線形を確保しやすく、また交差点がないなど条件がよいので、設計容量と基本容量の差が小さい。

ただし、税金で建設して通行料金をとらない一般道路と違って、通行料金から建設費を償還するという前提があるので、料金抵抗というのを交通容量の算定時に加味することになる。これは料金が高ければ支払いを嫌って交通量は減少し、逆に料金が低ければ交通量は増加する、ということで、抵抗という名称のとおり料金抵抗と交通量の関係は、電気抵抗と電流との関係と同様である。

本来適正な料金を徴収することを前提に設計された高速道路に、政治的な低料金ないし無料化が導入されれば、料金抵抗が下がって交通量が増加するのは当然のことである。交通容量ぎりぎりくらいの交通量の区間では1割くらい交通量が増加すると渋滞が発生する。特に高速道路の場合、上り勾配、トンネル入り口など渋滞の発生ポイントになりやすい箇所があちこちにある上、普段走り慣れていない技量不足のドライバー、いわゆるサンドラ(Sunday drivers)が多く流入するので、渋滞発生に対しては非常に脆弱である。

さて、先日来何度か高速道路を走る機会があったが、その際、土日に連続してほぼ同じトンネル区間で事故渋滞に遭遇した。土曜日は午前の下り線、日曜日は夕方の上り線とものの見事に交通量がピークを迎える時間帯のことである。それ以外にも上限1000円の区間で土日に事故に遭遇している。そしてどうもこれは私の個人的な感覚だけでなく、実際に事故発生件数が増加しているようなのである。

明らかに技量不足のドライバーが目立つ。一番困るのは流れに乗れないドライバーであり、片側3車線の第2通行帯(真ん中のレーン)でトロトロと走っているのがけっこういる。そういう時に限って本来低速車用の第1通行帯はがらがらで、こっちが「第2追越車線」になってしまっている。それと相変わらず上り坂での速度低下に気がつかないドライバーも多い。縦断勾配が5%を超えるような区間では積極的に登坂車線を確保して、3〜4車線しないと渋滞は酷くなる一方だろう。インターチェンジから本線流入する際の加速区間でも加速できないドライバーがいる。

こういう輩ははっきり言って、いくら料金が安くなっても高速道路を走るべきではないのだ。

ポビュリズムの典型のようなこんな政策は早く止めるべきだ。競合する船会社だって1度潰れたら簡単には復活できないぞ。

東京湾アクアラインの800円にしても、関係ない国民が税負担を強いられ、千葉県民が買い物に横浜方面にでかけるだけのストロー効果で地域振興なんて期待できやしない。あれはそもそも造ったのが間違いなのだ。普通車料金5000円で日交通量25000台で均衡というありえない前提でできているからだ。実際開通当初5000円の時は日交通量は10000台いくかいかない程度だったはずである(8000〜11000台程度だったと思う)。どうしても安くすると言うのなら国税を投入するな。千葉県だけの負担にせよ。

むしろ、高速道路会社は民営化したのだから、たくさん利用する常連客を優遇すべきであり、高速道路の常連客であれば走り慣れているから渋滞発生の原因にもなりにくい。ただし、しばしばみかけるDQNドライバーや追越車線をサーキットと勘違いしている自己陶酔野郎はがんがん取り締まって欲しいけれどね。

最後に、もう何年も感じているのだが、トラブルがあって路側帯に停車する時に、三角板を設置しないドライバーが大半である。これは道路交通法違反というだけでなく、自らの身を守るという観点からも大きな問題である。警察や高速道路会社はPRや取り締まりを強化すべきである。

|

« それが判決と何か関係あるのか? | トップページ | 民主党のマニフェストで賛成できないものを洗い出してみる »

コメント

>一番困るのは流れに乗れないドライバーであり、片側3車線の第2通行帯(真ん中のレーン)でトロトロと走っているのがけっこういる。

ゆっくり走るのならば、左端の車線や登坂車線を走れば良いと思うのですが、合流されるのが怖いのか真ん中をゆっくり走る乗用車を多く見かけます。
それと、登坂車線を利用するにはレーンチェンジをする必要があるわけですが、速度を調節できないようなドライバには、レーンチェンジも難しい(または面倒)なのでしょう、あまり移動しません。いっそのこと、登坂車線ではなく追越車線側にレーンを増やすようにレーン構成を変えた(単に線を引き直すだけ)ほうが、ドライバや車の性能差に合致するように思います。

投稿: TuH | 2009年8月11日 (火曜日) 12時07分

>>TuHさん

高速道路の料金を低減ないし無料化にすることで、料金抵抗の減少と運転技能未熟なドライバーの流入という設計の前提を覆す事態を問題視しているのですが、それとは別に、道路構造の抜本的な改善は必要ですね。

渋滞の原因も最近は研究が進んで対策が取られるようになっていますが、まだまだ渋滞してもしかたがない、という道路管理者側の開き直りと利用者の諦観が支配的です。もっと利用者、特に高速道路の常連客は文句を言わないとダメですね。

投稿: フロレスタン | 2009年8月11日 (火曜日) 23時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34842/45890741

この記事へのトラックバック一覧です: 総選挙前に高速道路料金について考えてみる:

« それが判決と何か関係あるのか? | トップページ | 民主党のマニフェストで賛成できないものを洗い出してみる »