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2009年3月17日 (火曜日)

「を」と「に」。来年のことじゃないけれど鬼が笑うかな?

最近、助詞の「を」と「に」が誤用されるケースが増えているように感じる。
アナウンサーや新聞記者の文などでもよく聞く(見かける)から、これは近年の日本語の変化の傾向なのかもしれない。

例えば、今日のネットニュースではこれ。
折れたバットがツ軍先発・パーキンスの右ふくらはぎに直撃。
右ふくらはぎを直撃、が正しい。

印欧語族のような屈折語だと、これは対格と与格の違いだが、印欧語でも膠着語化してしまった英語では名詞の格変化すらなく、痕跡として残った代名詞でもme,him,us,themのように対格と与格が同じ語形である。「を」と「に」の誤用も同じような語形統一への変化なのかもしれないが、英語の場合には語順で区別するし、膠着語の漢語では「給」のような語を使って与格的な表現をするので、語形としては同じでも文法的な区別はなされているので、やはり質的に違うような気がする。

変化は避けられないのかもしれないが、「を」と「に」の誤用は単に表現力の稚拙さに原因が求められるように思う。まあ、しかしそんなものなのだろう。英語が今のような姿になった(屈折語尾を喪失した)歴史には、Norman conquest以前にイングランドを支配した同一語族のゲルマン民族の北欧語との共通性があるようだ。要するに「わかるから端折ってもいい」のだという。1000年前でも今と似たような「ずさんな」言葉遣いがあったということだ(笑)。

1000年後に日本語が残っていたら、助詞が消滅しているかもしれない。その時に「古文」になっている現代日本語を学習する31世紀の日本人は、助詞の学習に苦労するのだろうな。そして「ず」と「づ」、「じ」と「ぢ」の違いもかな…

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コメント

「で」も随分と幅を利かせているような気がします。
例えば、「○○○をお願いします」となるべきところが「○○○でお願いします」など。
歳をくったせいか、そんなのに敏感になっています。

投稿: Joe | 2009年3月18日 (水曜日) 19時13分

>>Joeさん

ああ、そのとおりですね。
こちらは、チェーン店などのマニュアル言葉が起源ではないかと見ています。○○を注文すると、「○○でお待ちのお客様」などと言われることがけっこうあります。それが敬語だと思っているから始末が悪い。咎め立てするのもアホくさいからスルーしますけどね(笑)。

投稿: フロレスタン | 2009年3月18日 (水曜日) 21時54分

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