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2009年1月20日 (火曜日)

突っ込みどころ満載な「識者」の語る経済危機脱出策

毎日「変態」新聞の今日の記事から

世界不況:識者に聞く 「金融腐蝕列島」の作家・高杉良さん
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私は経済小説を含めて小説というのをほとんど読まないが、「経済小説の第一人者」がこんな認識で、全国紙に識者として主張を開陳するというは、世も末のような気がする。

米国流の市場原理主義の敗北だ。
もうこれは殺し文句ですな。もちろんサブプライムローン問題のように行き過ぎたところはあったろうが、それで全てをわかったようなつもりになるのは思考停止である。日本の場合、官製不況をはじめとする日本独自の問題のこともきちんと捉えるべきだろう。もともとの体力が上であれば、ここまでひどくなったかどうか。
かつて企業経営者には「雇用に手をつけたら、自らも去る」との矜持(きょうじ)があった。あらゆる経営努力を尽くして、最後の最後が雇用調整だった。
これまでも景気の波はあったし、危機的な状況もあった。しかし少なくとも1980年代までは基本的に右肩上がりの経済成長、特に1970年代までは高度成長だったから、今の経営者と同列に比較するのは酷というものだ。
市場原理主義の結果、潤沢な内部留保を持つ企業まで景気が悪くなると真っ先に業績の調整弁として雇用削減に走るようになった。
小泉改革以前でも、雇用の調整弁としての期間工というのは存在したわけですが、何故かそのことはスルー。
派遣問題への対応など制度見直しも必要だがより重要なのは日本の企業経営者の意識だ。経営者は「多少給料を下げるかもしれないが、内部留保を取り崩してでも雇用は守る」との明確なメッセージを発するべきだ。
この点に関しては、自分自身のささやかな経験から、竹中平蔵氏、木村剛氏や池田信夫氏らの意見に賛成である。労働市場の流動化の促進、正社員過保護の撤廃、一部の生産性の低いホワイトカラーの給与の適正化などである。会社を経営したことのない連中からどんなに批判されても、内部留保を取り崩す経営者はいないだろう。いたとしてらスタンドプレーが自爆行為だ(笑)。

そんなことをして、後々企業経営がおかしくなったら、ダブルスタンダードのメディアは、あの時内部留保を取り崩したからおかしくなったのだ、などと言い出しかねない。

高杉氏の主張によると企業経営者の意識を変えれば全てがうまくいくように読める。
しかし、現状で企業経営者にできることは少ないだろう。

私は企業の中間管理職らミドルに焦点を当て、エールを送る小説を書いてきたが、日本再生に向けてミドルが本当にやる気を出せるかどうかだ。
ミドルというのが具体的に何歳くらいを指すのか不明だが、それこそ生産性以上に給料を得ている連中のことを指すのであれば笑止千万だ。よしんば給料の高くない中小企業の中高年労働者に対してエールを送るのであれば、それこそ一つの企業にしがみつくのではなく、他の会社や業種に移っても(転職者に冷たい今の日本社会が原因の)様々なハンディなしに働けるような労働環境づくりが必要だ。国や自治体が政策として実施するのであれば、そういう点が重要だ。もっとも、厚労省系の天下り組織の跳梁跋扈は排斥しなければならないが。

それよりも、若者が将来に希望を持てるようにすることが必要ではないのか。エールを送る先を間違えておるよ、高杉氏は。

オバマ次期大統領が中産階級の底上げを宣言している。
そりゃ、民主党の支持層だもんね。当たり前のことだろう。翻って日本では若い人たちの考えはほとんど選挙に反映されない(投票しないやつも悪いのだが)。いつまでも高齢者や圧力団体、利権団体、特定の宗教団体に顔を向け続ける自公連立政権では、今回の経済危機脱出は困難だろうが、だからといってこれまた既得権益の固まりのような労働組合に支持されている民主党にも期待できないのが、この国の不幸だ。もちょっと自民党から「造反」が出てこないと袋小路だな。

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