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2009年1月31日 (土曜日)

またくだらない調査で税金を無駄遣いする厚生労働省

南の島は子だくさん 市区町村別出生率、1位徳之島・最下位目黒区 (ウェブ魚拓はこちら)
出生率トップは鹿児島・伊仙町=大都市は少子化−自治体別の過去5年平均・厚労省 (ウェブ魚拓はこちら)

合計特殊出生率というのは、統計データとして考えるなら、国家単位くらいで意味がある数値だろう。都道府県くらいでもまだ譲れる範囲かも知れない。比較する母集団(ああ、この場合は文字通り「母の集団」ということかな(笑))ができるだけ均質でないと意味がない。この数値の場合、分母は15歳から49歳までの女性人口ということになるが、職業や価値観・人生観、収入、家庭環境、教育環境、障碍の有無などいろいろな側面から見て、母集団が均質(充分かつ多様なサンプル数が確保されている)ことが必要だ。

今回の調査がこれを満たしていないことは明らかだ。

伊仙町の女性人口は(やや古いが2000年の国勢調査で)3,980人である。Wikipediaの伊仙町の記載を見てもわかるが、人口は大幅な減少基調であり、20〜30歳代の人口が全国平均と比較して極めて少ない。

30位の真庭市の女性人口も2005年3月末時点の住民基本台帳ベースで28,242人に過ぎない。こちらも人口は減少傾向である。

一方、目黒区はというと、2009年1月1日時点で134,189人、外国人登録の女性だけで3,658人と伊仙町の女性とほぼ同じくらいいるのである。試しにこの人たちの合計特殊出生率を算定してみるがいい。想像に過ぎないが、恐らく区の平均よりは高く出るだろう。伊仙町の合計特殊出生率が全国一位だ、子育て環境が整っているのだろう、などと推測するのは、目黒区の外国人登録女性の合計特殊出生率を云々するのと同程度に意味がないのだ。

そもそも伊仙町のようなところに残っている若い女性は、大都市の女性と比較してもともと出生意志が強いと考えられる。伊仙町から転出していった(全国平均との差に該当する)若年層の多くは相対的に出生意志が低く、かつ大都市が受け皿になっているだろうから、この調査結果はやる前からわかっていたはずだ。全く持って時間の浪費(つまりは税金の無駄遣い)である。

強いて評価するとすれば、厚生労働省が少子化対策の優等生のごとくもてはやす九州沖縄の島嶼部でも、その数値が大幅に減少していることだ。子育て環境が整っているはずの南の島でも、若い人たちが子供を産まなくなりつつあるのかも知れない、ということにもっと危機感を持つべきだ。

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2009年1月30日 (金曜日)

この記事の文章では誤解を招く

高崎哲学堂:市に建物、土地を売却へ 所有財団、維持困難に (ウェブ魚拓はこちら)
現地の写真付きの読売新聞の記事はこちら。
高崎哲学堂」市に売却へ (ウェブ魚拓はこちら)

ローカルニュースだが、若干関わりのあった者として、コメントを残しておくことにする。関係者の方がもしもご覧になって、事実誤認などがあればご指摘いただきたい。毎日新聞記事の文章が問題だらけなのは、これに限ったことではないのだが…

まず「高崎哲学堂」(旧井上邸)の場所はここである。高崎駅西口から徒歩数分という好立地である。そもそも、この建物の建築主であった井上房一郎氏は、昨年秋に破綻した井上工業というゼネコンの経営者であり、高崎でも屈指の芸術文化人でもあった。小生が高校時代、校庭のバラ園の手入れによく見えていたのを記憶している。「ここに泉あり」の群馬交響楽団とも関わりが深く(前身の高崎市民オーケストラを設立)、亡命したブルーノ・タウトをかつて庇護したことでも知られている。

ところが、「3代目」の放蕩息子(創業者・保三郎氏の曾孫、房一郎氏の孫)がこの土地・建物を手放す原因を作った。会社の破綻もそこに遠因(いや、主因か?)がある。このあたりは「井上健太郎 井上工業」で検索するといろいろと出てくるのである。

まあ、それはいい。
かくして井上邸は競売にかけられることになった。2002年のことである。
前述のような立地条件から、ディベロッパーに買い取られ、何の変哲もない高層マンションになる危険性があった。そうなったらなったで、経済原理からはいたしかたない面もあったわけだが、地元の有志はそれではいかんと立ち上がった。財団法人高崎哲学堂(当時の名称は「高崎哲学堂設立の会」)は、購入資金の一部に充当するために基金の一部を取り崩した。私が過去に支払った会費の一部もそこにはあった(笑)。また、当時私は都市計画の専門家という立場から、高崎市民新聞にいささか過激な文章を投稿した。もちろん旧井上邸の保全の重要性を訴える文章である。井上房一郎とアントニン・レーモンドが高崎に残した足跡を考えれば、あれは絶対に保全しなくてはならないのだ。東京在住の小生にはほとんど伝わってこなかったが、地元では「あそこまで書くんかい」という当惑気味の反応がけっこうあったらしい(後で知り合いの元市幹部の方から酒席で聞いた)。

さて、今回の毎日変態新聞の記事である。

購入に際して市民から1億2000万円の寄付が集まったが、2億1000万円は金融機関からの融資を受けた。この返済が重くのしかかり、施設の維持が難しくなったため、市に売却を要望していた。土地の実勢価格などから売買価格は2億円程度になると見込まれる。

 同財団の熊倉浩靖常務理事は「市民の寄付だけでは持ちこたえられなくなった。より多くの市民の共有財産にしてほしいと思い、市に購入をお願いした」と話している。

 市は「哲学堂は高崎の文化、建築の両面で価値がある。隣接する市美術館とあわせた活用を考えていきたい」としている。【増田勝彦】

毎日新聞 2009年1月29日 地方版

あのな、増田記者。こういう書き方をすると、いかにも財団が無謀なことをやった、あるいは放漫経営でどうにもならなくなった、と事情を知らない人が見たら勘違いするだろう。

本来は2002年の競売の時点で、高崎市が取得すべきだったのである。私の「過激な文章」も、さりげなくそのことを唆していた(ように記憶している(^_^;))。関東財務局との関係など、当時の諸事情からそれがかなわなかったので、公益法人である財団法人高崎哲学堂設立の会が肩代わりをするような形になったのだ。公式にそういうことになっていないのかもしれないが、実質はそうなのだ。ようやく市が前面に出る時がやって来たのである。

2億円が高いって?高崎市の人口は約34万人である。割り算すれば1人あたり590円ほど。定額給付金の一部を寄付すればお釣りが来るじゃないか(笑)。私のように市外にいる高崎出身者も参加すれば、もっと安く済む。もともとの財源は国庫だから、結局は将来の増税で埋め合わせるわけだけれど(^_^;)。

市が取得後の利用法については、お役所仕事にならないよう、いろいろと知恵を絞ってもらいたいものである。あ、夏は蚊がたくさん出て大変よ(笑)。あと、防火には要注意だな。

こういうサイトもあるのでご覧になっていただきたい。
山を歩いて美術館へ 観音山から高崎市美術館・高崎哲学堂・群馬音楽センター

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2009年1月28日 (水曜日)

それだけでいいの?

酒気帯び運転(呼気1リットル中アルコール0.25ml以上)で罰点13、免許停止だったのが、政令の改正で25点に引き上げられ、一発で免許取り消しになるという。

厳罰化は一部の酔っぱらいには効果があるだろう。
見つからなければいいな、とついつい飲んでしまうような連中だ。そして、酔っぱらい運転の事故の被害者やその遺族はこれを歓迎しているようだ。

しかし、これだけではダメだろう。
アルコール依存症のドライバー(本来、診断が下った時点で即免許を取り上げるべきだ)をはじめ、「酔っぱらい運転の常習者」には恐らく効果がない。免許取り消しになったところで、無免許状態のまま運転するのは間違いない。現に、既に免停や取り消しで運転した連中の中には、そのことが発覚するのを恐れてひき逃げしているのがいる。そもそも、こういう奴らは「自分だけは大丈夫」という全く根拠のない自信をもっている。

結局のところ、物理的に対処するしかないのだ。アルコールインターロックのような飲酒運転防止装置の設置を義務づけるしかない。物理的な対策はよくない、人や社会の問題だ、とすぐに感情に訴える人がいるが、ひき逃げ事故を増加させるだけ、という現実から目をそらして表面的な正義感を振りかざしたいだけなのだ。

問題は、今の日本ではこれが警察や国土交通省の利権につながる可能性が大きいことだろう。
一律に義務化すると、利権化した高額の「警察庁指定」とか「国土交通大臣認可」の装置を買わされることである。ただでさえ自動車が売れなくなっているのに、これではまたまた官製不況の原因となる。
これについての妙案はとりあえずないなあ(^_^;)。物理的な利権防止装置はつくれないものな。

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自分たちの世界に引きこもるテレビ関係者

帰宅したら報道ステーションが流れていた。子供がその前のテレ朝の番組を見ていたらしい。

でもって、スポーツコーナーでは、全豪オープンの杉山ペアの大逆転勝利ベスト4入りの映像の後、松岡修造が出てきそうになったので、そこでスイッチオフにした(笑)。

その前のニュースで、山形県鶴岡市の料理店での河豚中毒(店主が無免許で調理した河豚を出した)のことを伝えていたのだが、その中で免許や基準が都道府県でばらばら、という現状を伝えていた。

東京都の基準が1番厳しく、試験を課しているのは16都府県のみ、今回の山形県を含む31の道府県ではそれがない。同番組のウェブサイトに記載されたバックナンバーによると「山形県では、フグを取り扱うには、フグ調理資格のある人のもとで2年間実績を積んだ後、県が開く講習会を受けなければならない。しかし、この店主は講習会に参加しておらず、県に届け出をしていなかった」とのこと。

で、多分河野明子アナだと思うのだが、ニュースの最後に「せめて最低限の統一をしてほしい」などとふざけたコメントを残していた。

あの、ニュースの中では統一が困難だから、ばらばらな現状だってのをやっていたわけでしょ(笑)。
「最低限の統一」を求めるなら、逆に東京都の基準を下げなくてはならない。それは普段から「食の安全」を喧伝しているあんたらのスタンスと正反対だろうが。全くスタジオにいてお気楽なコメントを発しているものだ。これで高給取りなんだから困ったものだ。

高給取りといえば、小林麻耶アナがTBSを退社してフリーになると報じられた。
フリーになると年収が5倍になるとも言われているらしい。

もともとキー局の社員の過剰な高給取りぶりは、下請け制作会社の劣悪な条件と待避されて最近は広く知られるところだが、フリーになったからと言って生産性が5倍になるわけではあるまい。

アナウンサーの生産性というのもよくわからんが、例えば出演時間が5倍になることは不可能だろうし、視聴率が5倍(ないし広告料が5倍)になるということも考えにくいから、これは一体何なのだろうかと思ってしまう。これまた「格差社会の是正、貧困の打破」を喧伝しているあんたらのスタンスと正反対だろうに(笑)。

かつてのようにテレビが独占的なメディアであった時代ならいざ知らず、テレビや新聞などの「レガシーメディア」の斜陽が言われている今日だが、メディア関係者に危機感は薄いのだろう。

危機感ついでにもう一つ。25日の日曜日の大阪国際マラソンの中継で、「コマーシャルが長いなんて言わないで下さい」と相変わらずスポンサーの方ばかり向いた台詞を吐いた関西テレビの馬場鉄志アナウンサー。30km過ぎの勝負所で長いんだよ、実際。そう思っているから、こんな台詞が飛び出た違いない。しかもレースのライブ中継の間に延々と「イメージソング」を流す鬱陶しさ。こんなことをしているから視聴者が離れていくんだよ。

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2009年1月25日 (日曜日)

田中美佐子最高っ!出演陣の年齢ギャップを何とかしてくれ

昨年は「篤姫」を忌避していたが、今年の天地人は今のところ視聴を継続しております。

上杉氏に関して、謙信没後を本格的に取り上げたドラマというのは多分これまでなくて、関ヶ原の時に東北地方で反乱起こしたという程度で、その後は「忠臣蔵」まで出番がない。

何年か前に新潟県南魚沼郡六日町(現南魚沼市)の仕事をしたことがあって、ここが主人公直江兼続(後に重光と改名)の生まれ故郷であることも、親近感を感じる理由の一つである。それと大島ミチルの音楽も好きである。

一昨年の風林火山が1561年の川中島合戦で幕を閉じており、このドラマの幕開けがその3年後の1564年。「続編」として遊び半分で見てみるとなかなか楽しい(^_^;)。

  • Gacktが阿部寛になってしまった。どこでそんなに変われるのか(笑)。
  • 川中島で戦死した諸角虎定が、北高全祝という僧侶になって登場する。僧侶も化けるのか?(加藤武さん、失礼)
  • 戦闘員、いや仙桃院は西田尚美から高島礼子へと綺麗になりすぎ(^_^;)。西田も綺麗だと思うけれどね(^_^;)。それにしても剃髪しない尼って(^_^;)…
  • 春日虎綱はせっかく正しい名乗りが風林火山で登場したと思ったら、高坂弾正に逆戻り。田中光太朗から大出俊ってのも年取りすぎ。

それ以外では、笹野高史の秀吉に違和感感じる。笹野は味のあるよい俳優だと思うけれど。主君の織田信長役の吉川晃司とは実年齢で27歳も笹野の方が上(利家とまつの時ですら、信長役の反町隆史=1973年生まれ、秀吉役の香川照之=1965年生まれ、とここまでのギャップはなかった)。笹野高史の実年齢が、ほとんどなくなった時の秀吉の年齢に近い(秀吉の生年1537年説をとれば、笹野は今年6月で秀吉の亡くなった時の満年齢と同じになる)ことがその違和感の理由だ。せめて本能寺の変あたりまでは中堅の俳優を使って欲しかったなあ。

主な登場人物の生年と俳優の生年はざっと次のようなところ。登場人物の若い順に並べてある。
阿部寛は演じている上杉謙信と実年齢が近いわけだが、仙桃院は(大河常連では)名取裕子あたりが妥当だったな。

淀    1569? 深田恭子 1982
伊達政宗 1567  松田龍平  1983
真田信繁 1567? 城田優  1985
大国実頼 1562  小泉孝太郎 1978
直江兼続 1560  妻夫木聡 1980
石田三成 1560  小栗旬  1982
お船の方 1557  常盤貴子 1973
上杉景勝 1556  北村一輝 1969
上杉景虎 1554  玉山鉄二 1980
毛利輝元 1553  中尾彬  1942
北政所  1548? 富司純子 1945
徳川家康 1542  松方弘樹 1942
前田利家 1539  宇津井健 1931
羽柴秀吉 1537  笹野高史 1948
織田信長 1534  吉川晃司 1965
上杉謙信 1530  阿部寛  1964  
仙桃院  1524  高島礼子 1964

今日の第4回では、泉沢久秀役の東幹久が、兼続に「又五郎」と呼ばれて「またごろうと呼ぶな、ひさひでと呼べ」と言っていたが、これは史実とは逆だな。普通は実名を呼ぶのは忌み嫌われた(だから実名は諱=忌み名)、本当は久秀殿と呼んだら「ひさひでと(諱で)呼ぶな(縁起悪い)、またごろうと(通称で)呼べ」が正しい。まあドラマだからしょうがないけれどね(^_^;)。

そんなことより、このドラマで1番感動したのは田中美佐子の演技である。
久々に彼女の姿をテレビで見たが、相変わらず綺麗である。そして円熟している。
幼子を送り出す母の葛藤、強さ、優しさといったものをものの見事に表現している。何回くらいで退場となるのかわからないが、病身の役柄、できるだけ長く登場させてくれ。

田中美佐子と高島礼子を見るために日曜夕方6時にNTVからチャンネルをBShiにを切り替えているようなものである(^_^;)。予定されている出演者リストを見ると後半の楽しみは深田恭子と木村佳乃だな。常盤貴子なんかどうでもいい(常盤ファンの人、失礼)。長澤まさみは邪魔ですらある。なんだ、あの初音ミク、じゃなくて(^_^;)初音ってのは。真田信繁(幸村)の妹だって?巧妙が辻の時もそうとう鬱陶しい役だったが、少なくとも彼女は大河ドラマではキワモノ女優だ。

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京産大、共産大?

京産大、「益川塾」設立へ=定年ない「終身教授」に−ノーベル賞祝賀会・京都ウェブ魚拓はこちら

京都産業大学、鼻息が荒いなあ(笑)。
まあ、理系の教育に力を入れることは素直によいことだと思うけれど、昨今のご時世を考えると、ここまで鼻息が荒いのは、商売っ気が感じられて少々胡散臭い。

益川さんのノーベル賞受賞は京都大学在職中の業績に対してのものである。他人の土俵で相撲を取っているような感もある。

それと益川氏は左翼的な反戦平和主義者でもあるらしいので、そういう面で若者に悪影響を与えないでもらいたい。

とまあ、こういう突っ込みを寄せ付けないだけの実績を今後残してくれれば言うことはない。

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空騒ぎか、これは

自主営業の京品ホテルで強制執行、元従業員ら立ち退かせるウェブ魚拓はこちら

この問題については、不当解雇だという見方もあるし、営業利益が一億円もあって事業は継続できる、といった見方もあるが、60億円の負債を抱えて(その原因となったバブル期の事業多角化の失敗に関して言及し出すときりがない)、しかも耐震基準を満たしていない老朽化した建物(基準を満たすための改装に20億円かかるという)で営業継続をするのは無謀というものだろう。債権買い取ったリーマンブラザーズの破綻の問題など、論点はいくつもあるが、それはあちこちで語られているだろうし、これからもこの問題が決着つくまで語られるだろうから、これ以上は触れない。

じゃあ、何を言いたいのか(笑)。
まずはこの記事とコメントを見て欲しい。

従業員を解雇し廃業した京品ホテル経営陣の思惑

ウェブ魚拓1 ウェブ魚拓2 ウェブ魚拓3 ウェブ魚拓4 ウェブ魚拓5(コメント)

問題はコメントの4番目。

この記事は根本的に間違っております。記事によれば品川駅高輪口の再開発話があり、この京品ホテルの土地はますます価値が上がるとありますが、そうはなりません。現地に来るとすぐに分かりますが、京品ホテルの並びの建物はみんな3-4階建てばかりです。それはここが第一京浜拡幅計画で立ち退き交渉が行われている場所だからで、つばめグリルのビルあたりから京品ホテルはもちろん、その隣の京急のウイング品川の一部(マクドナルド、ア−トコ−ヒ−がある部分)も無くなってしまいます。だからウイングはここだけ分離して壊せるようになっております。このことを労組の方に聞くと「そんなこと知らない」ととぼけてみせますが、地元説明会まで行われ、道路拡幅計画に基づく建物の規制は30年以上前からなのに知らないわけがありません。後ろの品川プリンス車寄せもこれらの建物がなくなり、第一京浜に直接面するようになる前提で設計されています。それゆえ嘘をつく労組には胡散臭いものを感じます。またリ−マンにしても何で再開発できない土地に60億円出すのか不思議です。
なぜかこの問題に各種の記事は触れていないのだよな。

ということで、改めて調べてみた。あくまで現在の制度の中での現実はどうか、ということであり、その現実が好ましいかどうかという価値判断は別の問題であることはあらかじめお断りしておく。

まずは港区の都市計画図。
Shinagawa_takanawaguchi_2

図中の黄色の長方形が京品ホテルの位置(港区のウェブサイトで閲覧できる都市計画図に小生が画像ソフトで追加したもの)で、黒い線が都市計画道路である。図をクリックして拡大するとわかるが、京品ホテルは都市計画道路の予定地内に存在している。この都市計画道路は現在の国道15号(第一京浜)を拡幅する形で都市計画決定されており、正式名称は東京都市計画道路幹線街路放射第1号線といい、都市計画決定は昭21年3月26日である。計画決定からは既に62年近くが経過している。

一方、このホテルの現在の建物は昭和5年に建てられたものだという(京品ホテル)。築後16年で都市計画規制にひっかかり、年月の経過とともに耐震基準にも合致しなくなってしまった、ということだ。

第一京浜の拡幅がもたもたしているから今日まで残ってしまったことになるのだが(このホテルの経営者は、もしも経営が順調だったら、ずっと拡幅による買収にはごねて反対するつもりだったのだろうか)、仮に20億円かけて改築するとして、何ができるのか。

都市計画法に第53条という条項がある。例えばこのホテルが立地している東京都港区のサイトでは

「都市計画として計画決定された都市施設には、道路、公園、緑地等があります。その計画区域内では、事業認可されるまでの間についても、事業の施行に大きな支障を及ばさないように建築行為を制限しています。
建築物を建築する場合は、都市計画法第53条の規定に基づく許可が必要になります。詳しくは担当窓口までお問い合わせください。 」

と解説している。そして原則として許可されるのは同法第54条に規定された「2階以下で、かつ地階(地下)を有しないもの。主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること」なのである。RC造やSRC造は不可で、要するに「すぐに壊せる建物」と言ってよい。

運用でこの制限が要件付きで緩和されることはあるが、東京区部については東京都のサイトに記載がある。このホテルは要件に該当すると思われるが、それにしても巨額の負債を抱えている中でわざわざ金をかけて今よりも階数の低い(階数が3、高さが10m以下であり、かつ地階を有しないこと)建物を建てるバカはいないだろう。建替えではなく耐震補強にしても、いずれ除却しなくてはいけない都市計画法第53条区域の建物でやるなんて、普通では考えられない。

結局のところ、京品ホテルは現在地で現在の建物で営業を継続するのは、経営が悪化しなくても、あるいはリーマンブラザーズの経営破綻がなくとも、困難だったのである。

ホテルの従業員達が本当にホテル業に従事して顧客サービスをしたい、と思うなら、不法占拠のようなことを続けていないで(本日で強制退去されたものの、彼らは今後も騒ぎ続けるだろう)、自分たちでマーケティングから土地選定から資金集めからやって起業したらどうなのだろうか、と思ってしまう。
もっともそういう能力があったら、とっくにやっているだろうけれど。

ちなみに、この建物はなかなか風情があって個人的には好きだ(笑)。上記のWikipediaのサイトの写真を見ても分かるが、周囲のWingだの品川プリンスホテルなどの味気ない建物の中で異彩を放っている。遅かれ早かれ取り壊されてしまうだろうが、心情的には残しておきたい景観である。

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2009年1月24日 (土曜日)

The Black President with BlackBerry which might lead to blackout.

オバマ大統領、携帯手放さず=メール継続、新生活楽しむ−米新報道官 (ウェブ魚拓はこちら)

盗聴は通話内容や相手を限定すれば、セキュリティの維持は可能だろう。

しかし、携帯が発する微弱な電波で居場所が特定されるので、暗殺の標的になりやすいという(ホントの話かね、これ。誰か詳しい人教えて欲しい)。
もしも本当の話なら、暗殺の危険が常につきまとうオバマ大統領にしては、不用心この上ないことになる。ブラックベリーなしの生活には容易にchangeできないようだ(笑)。

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2009年1月23日 (金曜日)

全く役(厄?)人天国だなあ

定食タダ食いし停職 神奈川県職員、庁内食堂の食券偽造 (ウェブ魚拓はこちら)

無銭飲食分は弁済し、定食もとい停職6ヶ月だそうだが、これは刑事事件にはならないのかな?静岡新聞の報道によると「食堂側は警察に被害届を出さない方針」だとか。町中の食堂で無銭飲食やらかしたら、普通は警察の世話になりますわな。

反省しているというのだが、万引きして捕まって金を払えばいいんだろ、と開き直る奴と大差ないような気がする。警察沙汰にしないなら、懲戒解雇でいいのではないか。

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やはり論争は必要だ

南極大陸でも温暖化確認、10年に0・1度ずつ気温上昇(読売新聞) (ウェブ魚拓はこちら)
地球温暖化:南極大陸も 10年ごとに0.12度--米ワシントン大分析(毎日新聞) (ウェブ魚拓はこちら)
南極大陸も温暖化 「寒冷化」の定説覆す米研究論文(朝日新聞) (ウェブ魚拓はこちら)
南極は内陸部も温暖化 米チームが衛星で解析(日経新聞) (ウェブ魚拓はこちら)

なんだか、各社とも嬉しそうだな(笑)。見出しは相変わらず煽動的である。読売新聞の見出しが「温暖化確認」などと1番断定的で問題がある。
その中では、毎日変態新聞が珍しく? 

南極では「寒冷化している」と主張する研究者もおり、温暖化をめぐる論争が激しい。IPCC報告書作成に参画した山内恭・国立極地研究所教授(極域気候学)は「南極の観測値は変動が大きいため、期間をどう取るかで結果が左右されやすい。影響力の大きい雑誌に発表して論争の決着を狙ったのだろうが、論争は活発化するだろう。南極大陸の気候変動は海面上昇など地球規模で影響を与えるので、観測体制の強化が必要だ」と話す。
という具合に中立的と思われる学者のコメントを掲載しており、この点は評価できる。

一方、朝日は「従来説を覆すもので、地球全体の温暖化の将来予測にも影響しそうだ」「今回の結果は国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた氷床融解や海面上昇の予測の見直しにつながる可能性がある」などと些か書き過ぎている。一般的に科学記事は朝日のものが信頼に足ると思われるが、この記事に関してはちょっと問題だな。

衛星のデータそのものは信頼してよいと考えられるが、「研究チームは過去25年間の衛星観測データと、昭和基地など42地点の過去約50年間の記録を使った。両者を比較・補完し、57~06年の南極の平均気温を算出した」とあるので、内陸部や東部の26年以上前の気温は補正されたデータなのだろう。従ってその補正のされ方について議論の余地があるように思う。

そもそもここ30年くらいは確かに温暖化しているのだから、南極だけが例外でなくともおかしくもなんともない。それに南極の場合、この程度の気温上昇では、棚氷の崩壊はともかく、全体としては降雪量が増えて氷床が厚くなると予測されるので、海面上昇と結びつけて論ずることには慎重になるべきである。この点も、近年の論争の多様化の影響からか、各社の記事内容とも、海面上昇にまで言及していない。やはり科学的な議論がなされるのは好ましいことであり、また必要なことであるということがわかる。

ところで、こうした50年単位の長期の気温変動とは別に、NASAのデータを見ると2008年は明らかに地球の平均気温が下がっていることがわかる。2007年と比較してもかなり顕著な下がり方をしているグラフもある。もちろんこれは1年での短期変動なので、長期的には温暖化傾向が続くのかも知れないが、北大西洋震動などから寒冷化サイクルにすでに入っているという主張もなされており、低温化の傾向が続く可能性も当然あるわけである。

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2009年1月21日 (水曜日)

VAIO Type PのPはpekeないしponkotsuのPか(^_^;)

満を持してミニノートに参入 逆風下のソニーの“成算”

まあ、VAIOなのでねえ。一年くらいでHDDがクラッシュするなど、ソニータイマーが炸裂しそう。
製品コンセプトは面白いしマーケティングとしてはありだと思うが、中上級ユーザーにとっては、予約したり待ってまで買う製品ではないような気がする。

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2009年1月20日 (火曜日)

突っ込みどころ満載な「識者」の語る経済危機脱出策

毎日「変態」新聞の今日の記事から

世界不況:識者に聞く 「金融腐蝕列島」の作家・高杉良さん
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私は経済小説を含めて小説というのをほとんど読まないが、「経済小説の第一人者」がこんな認識で、全国紙に識者として主張を開陳するというは、世も末のような気がする。

米国流の市場原理主義の敗北だ。
もうこれは殺し文句ですな。もちろんサブプライムローン問題のように行き過ぎたところはあったろうが、それで全てをわかったようなつもりになるのは思考停止である。日本の場合、官製不況をはじめとする日本独自の問題のこともきちんと捉えるべきだろう。もともとの体力が上であれば、ここまでひどくなったかどうか。
かつて企業経営者には「雇用に手をつけたら、自らも去る」との矜持(きょうじ)があった。あらゆる経営努力を尽くして、最後の最後が雇用調整だった。
これまでも景気の波はあったし、危機的な状況もあった。しかし少なくとも1980年代までは基本的に右肩上がりの経済成長、特に1970年代までは高度成長だったから、今の経営者と同列に比較するのは酷というものだ。
市場原理主義の結果、潤沢な内部留保を持つ企業まで景気が悪くなると真っ先に業績の調整弁として雇用削減に走るようになった。
小泉改革以前でも、雇用の調整弁としての期間工というのは存在したわけですが、何故かそのことはスルー。
派遣問題への対応など制度見直しも必要だがより重要なのは日本の企業経営者の意識だ。経営者は「多少給料を下げるかもしれないが、内部留保を取り崩してでも雇用は守る」との明確なメッセージを発するべきだ。
この点に関しては、自分自身のささやかな経験から、竹中平蔵氏、木村剛氏や池田信夫氏らの意見に賛成である。労働市場の流動化の促進、正社員過保護の撤廃、一部の生産性の低いホワイトカラーの給与の適正化などである。会社を経営したことのない連中からどんなに批判されても、内部留保を取り崩す経営者はいないだろう。いたとしてらスタンドプレーが自爆行為だ(笑)。

そんなことをして、後々企業経営がおかしくなったら、ダブルスタンダードのメディアは、あの時内部留保を取り崩したからおかしくなったのだ、などと言い出しかねない。

高杉氏の主張によると企業経営者の意識を変えれば全てがうまくいくように読める。
しかし、現状で企業経営者にできることは少ないだろう。

私は企業の中間管理職らミドルに焦点を当て、エールを送る小説を書いてきたが、日本再生に向けてミドルが本当にやる気を出せるかどうかだ。
ミドルというのが具体的に何歳くらいを指すのか不明だが、それこそ生産性以上に給料を得ている連中のことを指すのであれば笑止千万だ。よしんば給料の高くない中小企業の中高年労働者に対してエールを送るのであれば、それこそ一つの企業にしがみつくのではなく、他の会社や業種に移っても(転職者に冷たい今の日本社会が原因の)様々なハンディなしに働けるような労働環境づくりが必要だ。国や自治体が政策として実施するのであれば、そういう点が重要だ。もっとも、厚労省系の天下り組織の跳梁跋扈は排斥しなければならないが。

それよりも、若者が将来に希望を持てるようにすることが必要ではないのか。エールを送る先を間違えておるよ、高杉氏は。

オバマ次期大統領が中産階級の底上げを宣言している。
そりゃ、民主党の支持層だもんね。当たり前のことだろう。翻って日本では若い人たちの考えはほとんど選挙に反映されない(投票しないやつも悪いのだが)。いつまでも高齢者や圧力団体、利権団体、特定の宗教団体に顔を向け続ける自公連立政権では、今回の経済危機脱出は困難だろうが、だからといってこれまた既得権益の固まりのような労働組合に支持されている民主党にも期待できないのが、この国の不幸だ。もちょっと自民党から「造反」が出てこないと袋小路だな。

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2009年1月18日 (日曜日)

科学力検定ブログパーツ

Nenpiroさんのブログで見つけました。
公開されている基礎編を試しにやってみたら、300点中230点と出ました。
左のサイドバーにブログパーツを貼ってありますので、よろしければチャレンジなさってみて下さい。

なお都道府県対抗では現在東京都が一位です。

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2009年1月14日 (水曜日)

柔軟性の重要性

高専生お手柄! 実験で教科書定説覆す 09年度版から修正へウェブ魚拓はこちら

これは事実ならお手柄だな。指導教授はちゃんと追試したんだろうな(^_^;)。
同じ硫黄相手でも、自殺のための硫化水素づくりに走る若者が多い世相である。

固定観念にとらわれないで、常に疑問を持つ、発想を柔軟に、ということの重要性を教えてくれる好例だ。年齢に関係なく、こういう視点を持ち続けていたいものだ。硫黄中の不純物ではないが、一般的に大人の方が不純の度合いが高いのだろう(笑)。新年早々、若い人からこういう刺激をもらうというのは爽快な気分になるものである。

問題は日本国内でこういう「才能」をなかなか生かせないことだ。

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2009年1月12日 (月曜日)

見出しを読むにも必要なメディアリテラシー

変態新聞こと毎日新聞の今朝の記事。
地球温暖化:主犯は? 人間活動VS自然変動 5研究者、学会誌上で討論ウェブ魚拓はこちら

実際の紙面では「温暖化の主犯は?」というフレーズがメインの見出しで白抜き文字で強調されている。
登場する学者やその主張については、当ブログを始めいろいろなところで紹介され、書籍も多く出ているので、ここでは詳細については触れない。武田邦彦氏が登場していないのは、せめてもの変態新聞の抵抗か(笑)。まあこの際いいだろう。データの取り扱いについていろいろと批判もあるしね。恐らく赤祖父、伊藤、草野の三氏の見解が妥当なところだと思う。

一番問題なのは、見出しだ。「主犯」という言葉を使っているところから、温暖化は悪であるという暗黙の前提が記者(田中泰義・理系白書のウェブサイトを見れば地球温暖化についてはIPCCべったりであることがわかる)及び変態新聞社にあることが見て取れる。温暖化の恐怖を煽っているのだから当然かもしれないが、それは一面的というものだ。江守氏以外の4人は地球温暖化を一方的に悪とは見なしていないし、ましてや特定の主犯が存在するという主張もしていない(もちろん根源的には太陽活動なのだが)はずである。

記事がバイアスだらけで、それを取り除いて中立公平に読むのに様々な情報収集や学習が必要になる現状では、新聞とはやはり終わったメディアだと言わざるを得ない。

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2009年1月11日 (日曜日)

だだっ子長野県

前から一度記事にしようと思っていた中央リニア新幹線のルート問題。JR東海の主張する南アルプス貫通のCルートを支持する、というかそれしかあり得ない、ということを考察してみることにする。

いわゆる中央リニア新幹線では、ABCの3ルートが候補に挙がっており、全額自己費用で建設すると表明しているJR東海は、当然のように最短ルートのCルート(南アルプスをトンネルで貫通する)を前提に事業計画を作っている。トンネル(トンネルは日本語で隧道=ずいどう=といいます、念のため)掘削の費用と、ABルートで迂回した場合の建設費増加と土地買収費用を天秤にかけていることは言うまでもないが、開業後の走行性を重要視していることは明らかである。

ちなみに長野県は地域振興という名の下に、おもちゃを欲しがる子供のように、諏訪、上伊那地方を通過するBルートを要望しているが、Cルートが東京・名古屋間約280kmなのに対して、Bルートは50kmほど長くなるようだ。

JR東海の計画では、あくまでこのルートは東海道新幹線のバイパスであり、完成後はのぞみの代替となる特急をリニアルートに走らせ、東海道新幹線はローカルサービスを重視する(緊急時を除いて、現状のひかり、こだまの機能に特化する、ということだろう)という方針だから当然走行距離の短いCルートを選択する。所要時間もそうだが、運営費用面でも大きく差が出る(路盤や車両の維持補修、エネルギーコストなど)。

Cルートの場合、沿線の各県に1駅設置というから、品川・相模原(橋本付近)・甲府付近・飯田付近・恵那付近?・名古屋ということになるだろう。駅間は5区間、平均約56kmとなる。のぞみの代替ということになると、現状のダイヤ構成や輸送需要から、東京・名古屋間ノンストップが最大9本/時間、各駅停車タイプが1本ということなると予測できる。列車間隔は平均で6分ということになる。

車両の加速性能を250 2.5km/h/秒、最高速度を500km/hとすると、最高速に達するまでに200秒、約14km走行することになり、ノンストップタイプで東京・名古屋間の所要時間は約36分ということになる。実際には加減速以外のすべての区間を最高速度で走ることはないだろうから、所要時間は40分程度ということになる。Bルートの場合だと、迂回による曲線区間での減速を無視したとしても約7分の所要時間増となるので、実際のダイヤ編成では50分と設定されるだろう。

ノンストップ列車1本につき10分の違い。これが累積された場合の国民的損失を考慮すべきである。
なまじ「鉄道」だと思うから長野県は変な欲が出るのであり、これは航空機と同等の機能の輸送機関だと考える方が妥当だろう。

一方各駅停車タイプはどうかというと、駅間距離を単純化してすべて56kmとすると、全280kmのうち半分の140kmは加減速することになり、最高速度で走行できるのは最大でも140kmということになる。各駅間の所要時間は10分程度である。ノンストップタイプが6分ヘッドで走行するので、中間駅では全て待避が必要となる。

各駅での待避時間を5分とすると(ダイヤ編成でもっと短縮できるかもしれないが)と中間駅の待避で合計20分、走行時間が10×5区間の50分で、東京・名古屋間は70分ということになる。ノンストップタイプの倍近い所要時間である。

これがBルートだと長野県が3駅設置を要求しているので、中間駅は6駅、駅間は7区間となり、平均は約47km。加減速区間は330kmのうち196kmにも及ぶ。最高速度が出せるのは全線のうち4割に過ぎない。待避時間が30分、走行時間が約73分で東京・名古屋間の所要時間は103分である。ちょうど今ののぞみくらいだな(笑)。

かなりダイヤ編成上のボトルネックになりそうである。そこそこ需要があったとしても1時間に2本以上の各駅停車タイプを運行するのは困難だと思われる。JR東海の本音は中間駅は設置したくない、だろう。

長野県サイドから見れば、確かに諏訪地域から東京まで1時間以内で到達できる、というのは悲願かもしれないが、そのために国民レベルで失うものが大きい。冷静に考えれば、在来線の中央東線の改良が妥当なところ。山岳区間が多いので困難かもしれないが、最高速度130km/hではなく160km/hを目指した改良をJR東日本にはたらきかけたらどうか。その方が沿線の各自治体にとってもメリットが大きいはずである。変化球としては諏訪から北陸新幹線佐久平駅あたりまで北越急行(新潟県)のような高規格の短絡線を建設するというのもありかもしれない。

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2009年1月 7日 (水曜日)

この国の20世紀後半からの住宅政策とは何だったのだろうか

■1.序
派遣社員の解雇に伴う社宅・寮からの追い出し。これは企業からすれば当然の行為である。
解雇そのものの妥当性、適法性は棚上げして言えば、従業員でも下請け企業の社員でも何でもない人間に費用を払って住居を提供する義務は企業にはないし、会計処理、税務対策上も問題がある。

■2.住宅の区分
そもそも社宅という存在が特異なものであり、また経営体力の弱い中小零細企業にまねができることでもない。
住宅を所有で分類すると、持ち家、貸家(賃貸住宅)に分けられ、建設・管理主体で区分すれば公営(あるいは公共)と民営に分けられる。

公共主体で持ち家を供給しているのは、都市再生機構(旧住宅・都市整備公団でその全身が日本住宅公団)である。都道府県営や市町村営住宅は中低所得者対象の賃貸住宅である。それ以外に、都道府県の住宅供給公社があり、また民営の賃貸住宅に対して公的な補助をしたり借り上げたりする制度(特定優良賃貸住宅)も近年はある。

社宅・寮の類は、これも企業が一般の住宅を借り上げて社員に提供する形態もあるが、大企業の場合など、社員寮として独立した建物になっていることが多い。この公営版が公務員宿舎である。また雇用促進事業団住宅のような「盲腸的存在」もある。郵政の宿舎は今は民営か(笑)。

■3.持家率について
2005年の国勢調査によると、全国の持家率の平均は62.8%。つまりほぼ3世帯に2世帯が持ち家である。これは戦後の住宅政策の誘導による結果であると言ってよい。ちなみに東京は47.4%で最低、大阪府が54.3%で低い方から3番目、富山県が一番高くて79.1%、2位が秋田県の78.0%、3位が福井県の75.8%など、大都市部の持家率が低く、地方が高い。富山県の持家率の高さは有名である。また、実態を見ると、持ち家の率だけでなく、住宅の規模(広さ)も当然のことながら地方が大都市よりも勝っている。

一方、2003年の土地・住宅統計調査によると、世帯主の年齢階層別では高齢者ほど持ち家率が高くなっている。
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2003/panflet/4cyou3.htm
この調査では数値が若干異なるが、都道府県別の持家率も掲載されており、上記とほぼ同様の結果である。
「逃げ切り」のできた年代である。

■4.持ち家取得を支えた住宅金融政策とその限界
20世紀後半の日本の高度経済成長は、農山村から若者を大都市に労働者として移住させ、主として第二次産業(建設、製造)の生産高を伸ばす形で達成された。企業は低廉な費用で社宅を用意して、年々増える給与は貯蓄に回させ、住宅購入の頭金に充当し、不足分は住宅ローンで賄った。そのための機関が住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)であり、また年金保険料を原資とした年金住宅融資がこれを補った。

この制度の前提は、右肩上がりの経済成長と給与の増加、終身雇用制及び年二回以上のボーナス支給である。これが崩壊する前に高度成長の果実を手にした、現在の高齢者世帯の持家率が高いのは当然の結果だろう。住宅の取得価格は年収の5倍が目安とされた。住宅ローンの返済月額が収入の3割を超えないように、という試算から求められた。年収500万円なら2500万円の住宅が適正ということだ。

大都市近郊は開発され、都市計画も1968年の法改正で、それまでの住居地域、商業地域、工業地域の三区分だった用途地域を8区分にし(現在は1992年の改正で12区分)、第一種及び第二種住居専用地域や工業専用地域が設置され、職住分離の推進が図られた。もっとも今や工業専用地域は、その硬直性と規制の厳しさ故に、お荷物になっていると言ってよい。

よほど頭金を貯めていないと、購入価額の不足分を住宅金融公庫の融資だけで賄うのは無理で、相対的に高金利の銀行の住宅ローンもあるが、これを嫌えば年金住宅融資ということになる。

平均的なサラリーマンの手の届く住宅は、多くはマンションと呼ばれる共同住宅(英語のmansionが大邸宅の意味であることは言うまでもない)で、東京都心から30~50kmくらい離れた地域に立地し、長距離通勤と満員の通勤電車を出現させた。これらの住宅地、特に多摩ニュータウンのような大規模で比較的早くから開発された住宅地は、建物の老朽化と居住者の高齢化という二重の老化現象でゴーストタウン化する恐れがある。エレベーターの設置されていない4、5階建ての公営住宅など、即座に全部取り壊して建て替えた方がよい。財源の問題はあるが(事業主による公募債あたりかなあ)、これはこれで景気の刺激に対象はなるのではなかろうか。

私自身はこうした開発に携わったことはないが、大学時代の教材であり、自戒の念も含めて言えば、こうした開発に携わっていた人たちは本当に50年後のことを考えていたのか、問い詰めたい気分である。問題の先送りはこの国の以前からの宿痾なのだろうか。

年金保険料が住宅政策に関与することで、これは厚生行政の利権となったともいえる。給与が伸び続ければ年金保険料の負担はあまり苦にならないし、持ち家を購入するために年金住宅融資を利用しようとすれば保険料を滞納するわけにはいかない。何のことはない、持ち家推進という住宅政策の利権に、旧大蔵省、厚生省と建設省が群がったという構図である。

1980年代までの長閑でよき時代は終わりを告げた。今や年収200万円の時代。年収の5倍というなら住宅価格(土地も込み)は1000万円でなくてはならない。実際に東京で売りに出されている共同住宅の価格は3000万円を超えている。とは言っても、実際には購買意欲の参加の所得層もあるわけで、一昨年くらいまではマンションブームだった。東京の持家率も増加している。それで調子に乗って住宅の過剰在庫となり、金融引き締めだ。そりゃあ不動産不況にもなるわな。国の住宅政策に基づく一種の官製不況かもしれない。

■5.適正な税の使い道とはいえない(広い意味での)公営住宅
一方、公営住宅は、というと、中低所得者向けの賃貸住宅なので、入居には所得制限があり、これを超えると退去しなくてはならないのだが、実際には居住していることそのものが既得権益となって、退去しないで税金泥棒と化している世帯がいる。公営住宅に住みながら、宝飾類に身を包み、毛皮のコートを着て高級外車に乗っている、という輩がそれである。

今、政府や自治体が失業者に対する一時的な措置として提供しようとしているのが、こうした住宅の空室である。
低所得者向けの住宅供給ということでは、本来の目的に近い形なのだろうが、通常時は目的外居住が常態化し、こういう非常時に正常に近い形になる、という公営住宅とは一体何なのだろうか、考えさせられる。

もう一つの「公営住宅」である公務員宿舎は、立地条件がよく規模もそこそこなのに、家賃は割安である。
民間企業が同様の水準で社宅に社員を住まわせたら、恐らく税務調査で給与認定されて追徴金が追いかけてくる。官尊民卑である。

■6.そして今
一人残らずすべての国民が路上生活せずに暮らす、というのは不可能だろうが、ホームレスの増加が社会問題になるまでは、日本の住宅事情はそれに近いものであった。しかしそれは砂上の楼閣だったのだ。ホームレスの中には持ち家を購入しながら途中で破綻してローンが払えなくなった人もいるだろう。アメリカのサブプライムローンに似たようなステップ返済(ゆとりローン)などという制度を、かつて住宅金融公庫も実施していたのだ。
http://www.tomatohome.jp/pub/yutoik/yutori.html

ああ、2世代で返済などという若年層にしわ寄せの行く仕組みもあったな。

そして、職を失うと同時に住むところもなくなる、という人が多数出ている社会状況になってしまった。
彼らの中には地方出身者も多いだろうが、その地方も持家率が高くて住宅事情はよいように見えのに、地域経済が疲弊し、受け皿になりえていない。

そうこうしているうちに少子高齢化が進行すれば、既存の住宅ストックの維持管理をしきれない、という問題も出てくる。老朽化した空き家が多く放置されれば、防災や防犯上も好ましくない。

目先の景気対策ではなく、人材の流動化の促進や新たな成長産業を伸ばすなどして経済の活性化を図らないと、持ち家重視を継続するにせよ賃貸重視に転換するにせよ、あるいは第三の道を模索するにせよ、21世紀の住宅政策は描けないだろう。惰性でこれまでの政策を続けたのではだめだ。そのためには視野狭窄に陥った正義感で何でも法律で規制しようとする官製不況の根っこをまず絶たなければらないだろう。

■7.終わりに
あまり論理的でない文章をだらだらと書き連ねてきた。きちんとやろうとしたら、時間をかけて資料を精査して、きちんとした論文にする必要があるが、そんなつもりはとりあえずない(笑)。拙稿について読者諸兄の批判を仰ぎたいところである。

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2009年1月 1日 (木曜日)

総理就任以来今までは逃げていたくせに

<年頭所感>麻生首相「世界で最も早く不況から脱出する」

1月1日0時7分配信 毎日新聞

 麻生太郎首相は1月1日付で年頭の所感を発表した。米国発の世界的な金融・経済危機に触れ、「国民の景気や生活に対する不安を取り除くため、政府は全力を尽くす。世界で最も早くこの不況から脱出するのは日本だ」と危機脱出に向けた決意を表明した。

 また、「日本、日本人はその底力にもっと自信を持っていい。ピンチをチャンスに変え、困難を必ず乗り越えることができると信じている」とし、持論である「日本の底力」を強調。「受け身ではだめだ。望むべき未来を切り拓(ひら)くために、行動を起こさなければならない。私は決して逃げない」と国民に協力を呼びかけた。

単なる能書きや決意表明、スローガンの類なら総理大臣でなくとも発することはできる。世界最速で不況から脱出するのは日本、というならその具体的な方法を示してもらいたいものだ。

技術立国の担い手である理系出身者は冷遇され、若年・中堅層は雇用不安や賃金格差に悩まされている。
円高を生かせない現状は、相変わらず輸出(外需)依存であり、その主要な担い手のアメリカ合衆国やシナが転けている状態で、どうやって世界で一番早く不況から脱出するのだろうか。そもそも経済がグローバル化した現在、こういう国家間競争に意味があるのか。

私は逃げない、というなら、選挙の票目当ての高齢者優遇(社会福祉予算の9割以上が高齢者向け!)をいい加減に思い切って切り替えて若年層をもっと手厚く遇し、定額給付金のような愚かな施策の減資を(目先の雇用対策だけでなく)新産業創出のために使ったらどうか。そして官僚社会主義の日本の社会システムを破壊すべきである。地方自治体の業務と重複する霞ヶ関の地方出先機関は統廃合ではなく廃止することが必要だろう。

こうした既得権益のせいで、日本人はもはや底力を発揮できないくらい疲弊しているのではないか。
歴史的に遡れば、こうした官僚社会主義国家としての近代日本の基礎を作ったのは麻生総理の高祖父に当たる大久保利通だ。皮肉なものだ。

もっとも国民の景気や生活に対する不安を取り除くというなら、こうした大規模な政策転換をすることができない麻生総理自身の退陣が当面の一番の処方箋だ。逃げないで欲しい(笑)。

(追記)
同様の論調のブログです。
新年から世迷言?
お客様の世界各国を差し置いてどうして最初に不況を脱出出来る?

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謹賀新年

(喪中の方を除いて)あけましておめでとうございます。

先行き不透明な時代になってしまいましたが、本年もよろしくお願いします。
世直しに直接の役には立てませんが、引き続き世の不条理、不合理の指摘と若干の提案をしていく所存です。

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