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2008年12月16日 (火曜日)

勝手に感情論に走った似非ヒューマニズムの典型

放鳥トキに「温かい対応」を=国に方針転換求める-新潟県と佐渡市 (ウェプ魚拓はこちら)

まったく何でもかんでも死んだらかわいそうという条件反射はやめにしたらどうか。

野生復帰のための放鳥なら、「環境省の専門家会合で固まった、緊急時を除き餌付けを原則行わないとの方針」は正しい。野生のなんたるかを考えれば、一部の人間の感情だけで餌付けを行うのは朱鷺のためにならない。「県民や国民の感情にもご配慮をいただき、放鳥トキに温かい対応が取れないかご再考願う」とあるが、勝手に国民を持ち出すな。温かい対応を、というなら、時期尚早であるとして放鳥をやめればいい。放鳥しておいてかわいそうだから対応を、というのは優しそうに見えて、長期的に考えれば朱鷺にとってはむしろ残酷だ。野生というのは過酷な環境なのだ。

(追記)
こんな記事もあった。
トキ:海を渡る…想定外100キロ移動 (ウェプ魚拓はこちら)
この記事中に出てくる佐渡トキ保護センター初代所長の近辻さんの話のように、人間が考えるよりも逞しいのだろう。朱鷺の学名はNipponia Nipponだ。Sadoia Sadoではない。佐渡の関係者の努力には敬意を払うにやぶさかではないが、朱鷺への過剰な感情移入はかえって理性的な判断のできる人々の嫌悪感を促進するだけだと思う。

(追記2)
泉田新潟県知事の「トキは人間の営みの中で生息してきた鳥。大自然の中で生きてきた鳥ではない」という指摘が正論だ、という主張のブログ記事(環境庁はトキを全滅させる気?)からトラックバックをもらった。主張は理解できる。当エントリーとは対照的な記述だが、全く正反対のことを言っているとも思えない。

「野生ということで勘違いをしている人がいる」とも記されている。が、それはちょっと違うのではないか。野生は野生だ。朱鷺がもともとそういう環境で生息できない、というなら野生復帰事業という名称自体がまやかしで、環境省のええかっこしだ。「人工環境での保護下から人間との共生への第一歩」とでも言えばよいのだ。冗長だけどね(笑)。地元の人が求めているのはそういう状況なのだろう。結局は私も書いたが時期尚早ということだろう。朱鷺が生息するのに必要な環境が整わないのに放鳥するのは無謀だったのだ。大空を舞う朱鷺の姿は感動的だろうが、現状は同床異夢だ。

メディアの報道はとかく感情を前面に出す傾向がある(トラックバック元の社員食堂と派遣労働者に関する別エントリーで指摘されているのなどは典型的)。本当に広く国民に対して訴えたいなら、泉田知事は、そういうメディアの本質を理解した上で、客観的な事実を冷徹に述べる必要がある。

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コメント

 タヌキに食われたとか。
 タヌキにはいいご馳走だったことでしょう。

 不謹慎かもしれませんが、トキはぜひ食べてみたい。かつては食べたのは、美味いから食べたのだろうと思います。たぶん鶴のような感じだろうなあ、と勝手に思い込んでいます。鶴も食べたことはないのですが。
 で、たぶんかつては、鶴の肉に偽装されたトキの肉が出回っていたのではないかと思うのですが。

 

投稿: Joe | 2008年12月18日 (木曜日) 22時56分

>>Joeさん

まあ、鳥ですから鶏肉みたいなものではないでしょうか。爬虫類や両生類の肉も鶏肉みたいな味だと聞いたことがある(食べたことはありません)。鴨や雉も食用ですよね。

話が本筋からそれてしまいましたが、新潟県と対立している環境省の専門家会議というのどういうメンバーなのでしょうね。環境省のサイトに情報があるのかなあ。

投稿: フロレスタン | 2008年12月18日 (木曜日) 23時12分

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