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2008年8月 7日 (木曜日)

東京区部の下水道

一昨日の下水道管工事中に起きた事故の犠牲者の遺族・関係者の方にお悔やみ申し上げます。依然不明の方が一刻も早く発見されますように。埼玉県在住の方が複数いて、東京都のための工事で犠牲になったことには深く哀悼の意を表し、また感謝の気持ちを捧げたい。

それにしても、犠牲者の所属する会社はこの工事の「孫請け(ないし二次下請)」である。元請けの竹中土木はどうせ丸投げで、何も管理などしていなかったのだろう。安全管理も下請け、孫請けに丸投げか。安全管理のあり方もそうだが、いつまでこうした「前近代的」な発注、契約が続くのか。

下水道には大きく2種類ある。いくつかの意味で2種類ある。
市街地部においては国土交通省所管の都市下水道、これには公共下水道、流域下水道の2種類がある。
所管官庁という点では、もう一つ農林水産省所管の農村集落排水施設がある。実態はほとんど変わらない。農道が国県道などの一般道と一見して区別がつかないのと似たようなものだと粗っぽく喩えることができよう。

下水管の幹線管渠の形態には分流式と合流式がある。
降った雨を流す雨水管とトイレや台所などから排出される汚物を流す汚水管が別々になっているものを分流式といい、比較的新しく敷設された公共下水道や流域下水道においては分流式が採用されている。
ところが下水道の敷設時期が早かった東京都区部は、8割が合流式である。雨水管と汚水管が一つの管になっている、つまり早い話が降雨があると雨水で薄まった糞尿が下水管の中を流れるわけだ。
http://www.mlit.go.jp/crd/city/sewerage/yakuwari/cso_kaizen.html

この合流式の下水道は、法改正で改善が義務づけられた。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/kanko/kankou/s_of_tokyo/11.htm

今回の事故のあった雑司ヶ谷幹線も、上記の国土交通省のサイトの図で分かるように、合流式の区間である。今回の工事は、合流式の改善工事そのものではなく、管渠の更正(強度回復)のようだが、
http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000009.html
作業員達は、雨水で薄められた汚水に流されて亡くなった(行方不明)になってしまったのだ。
こんな屈辱的なことも少ないだろう。

そもそも東京の地名で「谷」がつくところは、本当に谷であって、低地で水害が発生しやすいところが多い。都市化で東京区部の起伏に富んだ地形はわかりにくい上に、小河川は暗渠化されて下水管に変容してしまったものが多い。川だと意識していれば、危機管理のあり方は違っていたかもしれないし、脱出することも相対的に容易(あくまで相対的に、であるが)だったかもしれない。

大都市には地下街や地下鉄などの施設も多く、豪雨や大地震などの際に同様の被害が発生する可能性が考えられる。気象情報の伝達、共有のあり方だけでなく、物理的な避難施設のあり方や避難の方法など、総合的に(広い意味での)地下トンネルの水害対策のあり方を検討すべきである。

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