« オリジナリティって何だ | トップページ | その存在を知らない人も多くなっただろう »

2008年7月13日 (日曜日)

無知による情報操作?思考停止の科学と宗教

世界遺産の厳島神社 冠水が10倍に 温暖化の影響
ウェブ魚拓はこちら

この記事だが、厳島神社が造営されたという1164年は中世の温暖期にあたる。北半球は全般的に気温が高く、日本も今よりも暖かかったという。温暖化が原因ならば矛盾する。最近の温暖化傾向は1980年代からとされており、記事中の

年に数回の冠水はあり、1990年代(平成2〜11年)の記録では、最大年に4回の冠水があり、平均は1・3回だった。床板のすき間から水を逃す構造で、昔から冠水することを前提にした対策はとられていた。
 しかし、2000年代に入ってからは、01年(平成13年)に12回を記録したのをはじめ、04年(16年)は17回、06年(18年)には22回と急増し、年平均は11回になった。
というのもちょっとおかしい。何でも地球温暖化を原因にしてしまう最近の風潮に、岡山大理学部の塚本修教授が悪のりしているのか、その風潮を助長しようとしているのか、単なる無知か御用学者か、はたまた研究予算獲得のためか。

場所は瀬戸内海という閉鎖的海洋である。
1956年当時と比較して、沿岸域の埋め立てや流入する河川の上流域での森林荒廃などによる物的状況の変化、宮島自体の雨水流出係数の変化、海流の変化、厳島神社の建造物の劣化など、現場を知らない私でも常識的に考えて、いろいろと可能性は考えられる。世界遺産を守りたい、早急な対策が必要だ、という考え方はわかるが、いきなり地球温暖化のせいにするのではなく、こういう時こそ学際的な研究によって、様々な可能性を研究し知見を得ることが科学・技術の発展にとって不可欠である。

ちなみに東京湾とその周辺の海域の年間平均潮位のデータが「日本列島沿岸の年平均潮位=グラフ・海域Ⅲ」に掲載されている。
1956〜2006(の前後)で見ると、東京は1.80m→1.94m、横須賀は1.38m→1.58m、千葉は約1.7m→1.88mで概ね15〜20cm程度の上昇である。外洋に近い久里浜が約1.6m→1.95mと上昇幅が大きい。厳島神社の条件が久里浜に近いとは考えにくいのだが。

芝浦は約1.8m強でほとんど変化がない。東京湾の最奥部という位置から見て外海の変化を受けにくいこともあるだろうが、50年前に既に都市化や埋立てが進行していて、今とあまり変わりがない、ということも原因として考えられる。

また海域IVで名古屋港を見ると、2.10m→2.15mであまり変化がなく、寒冷化が喧伝されていた1970年代の方が2.2m前後と平均潮位が高いのである。海域VIに瀬戸内西部から豊後水道、日向灘のデータがあるが、広島の対岸の松山では潮位は下がり気味であり、各地のデータと比較しても広島が異常だと考える方が自然なのだ。

(追記)
池田信夫blogの2008-7-12の「地球温暖化詐欺」というエントリーに「コメントで教えてもらったイギリスの公共放送、チャネル4の放送したドキュメンタリー(日本語字幕つき)。特にIPCCが政治的に利用され、利権化した過程を、科学者の証言で追っている。『科学は本質的に宗教であり、政治なのだ』というM.ポラニーの言葉を思い起こさせる」という記述があるのだが、世界遺産登録というもう一つの国際政治の利権と駆け引きも含めて、この「厳島冠水危機騒ぎ」も政治的に利用される可能性がありそうだ。日本政府も排出権取引だのCDMだので莫大な金を国外流出させていないで、造船と海外貿易という12世紀当時の貴族社会では考えられなかった先見性で富を得た、厳島神社造営者である平清盛を見習ってはどうだろうか。

|

« オリジナリティって何だ | トップページ | その存在を知らない人も多くなっただろう »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34842/41816823

この記事へのトラックバック一覧です: 無知による情報操作?思考停止の科学と宗教:

« オリジナリティって何だ | トップページ | その存在を知らない人も多くなっただろう »