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2008年2月22日 (金曜日)

国際建設技術協会のお仕事

(※木村剛氏のブログにトラックバックを打ったところ、ニフティの調子がおかしかったようで3回も重複してしまいました。お詫びします。)

道路特定財源をめぐって、国土交通省所管の公益法人複数団体に、随意契約で高額の委託調査料が何年も払われている、という報道があった。昨晩のテレビニュース及び今日の朝刊で、社団法人国際建設技術協会が、海外の道路事情に関して2006年度に9200万円の調査費でWikipediaなどネット情報の引用が大半の報告書を三部作成しただけ、という報道があった。

PDFが作成できる今日、報告書の部数が少ないことはあまり問題にすべきではない。むしろ紙やスペースの無駄を省くという意味ではなくてもいいくらいだ。電子納品にして必要なところだけ印刷できるようにすればよい。問題は中身だな。

私は2001年度に、この国際建設技術協会から300150万円(消費税抜き)プラス10日間ほどの海外調査費実費で、第二次大戦後につくられた欧州のニュータウンの着工後数十年経過した時点での管理状況を調査する、という業務を請け負ったことがある。当時一緒に仕事をしてくれた協会の担当者の方は、もともと住宅・都市整備公団(当時、現都市再生機構)からの出向で、現在は協会に所属しておらず、ありのままをこのブログで公開しても迷惑はかからないと思うので、その時の実態を知ってもらうために記述することにする。

道路特定財源のお金が入っていたかどうかは不明である。この調査はもともと当時の住宅・都市整備公団と地域振興整備公団が国際建設技術協会に発注したもので、私の会社(実質私1人)はそのうち英仏のニュータウンの実態調査と分析を担当した。ドイツに関しては別の人に発注がなされ、協会の担当者の方も別の分担や業務全体の統括があり、いわゆる丸投げではなく、きちんと仕事をこなしていた。英仏の現地調査も私とその方の2人で行く予定だったのが、急遽別の海外業務が入ってしまい、私1人で行くことになった。2法人から委託費の合計額は正確には知らされていないが、1000万円前後だったと思う。

私の仕事は2001年の9月くらいから翌年の5月くらいまで続いた。3月ではなく5月だったのは、報告書作成の最終調整に手間取ったためであり、こんなことは業界の人間であれば常識であった。3月の年度末に仕様書を満たす報告書案はきちんと提出している。

当時もインターネットは使ったが、Wikipediaなどは存在しなかった。それでも特に英国の中央政府や自治体はかなりの情報量をインターネットを通じて発信しており、資料調査ではかなり役に立った。この頃は日本の公的機関はほとんどまともな情報をネットで発信しておらず、彼我の差にため息が出たものである。

2002年の1月には、実際に英仏の複数のニュータウン管理機関を尋ねてヒアリング調査を行うことになり、電子メールが役に立ったが、そのアポ取りも1人でやった。なかなか連絡がつかずに現地入りしてからホテルから電話をかけたこともあった。英国では全てのやりとりを私1人でこなしたのである。フランスについては、私の拙いフランス語では業務目的が十分に果たせない可能性が大きいため、協会の担当者を通じて現地にいる日本人留学生を紹介してもらって同行をお願いし、私のフランス語の大いなる不足分を補ってもらった。彼女は留学中で自分の勉強にもなるから、と報酬を辞退しようとしたが、現地での学習のたしにと、数万円の通訳報酬を支払った。

交通費はというと、成田〜ロンドン・パリ〜成田往復のディスカウントチケット、英国内のブリットレールパスとロンドン〜パリのユーロスター2等、それにロンドン、パリ市内の地下鉄運賃くらいで、現地で購入した図書類と前述の通訳費用を含めても全体で30万円程度であった。なお、今はどうか知らないが当時協会はパリに欧州事務所を構えていて、そこの職員の方(日本の民間企業からの出向とのこと)にもフランスでの調査での連絡や車での送迎などでお世話になった。

自分の執筆した分の報告書の箇所は自信があるので、もしも協会か発注元の旧公団に残っていれば是非見てもらいたいと思う。おかげで、決して高くない報酬だったが、かわいらしい日本人女性とパリで数日を一緒に過ごすことができ、日英同盟100周年の記念すべき年に英国を訪問でき、鉄道発祥の国でもあるその英国で、リバプールからの帰途ロンドン直前で3時間も立ち往生した列車に閉じこめられるというおまけまで付き、英仏トンネルも通過したし、フランスの地方自治にも多少明るくなった。

同じ組織(国際建設技術協会)の仕事だが、9200万円もかけてWikipediaの引用でお茶を濁した報告書とは雲泥の差である。

(追記)
大きな声では言えないが(笑)、協会の欧州事務所はTour Montparnasseなどという知る人ぞ知るビルに入っていて、金かかっている割にはたいしたことはしていなかったようで、当時の所長も使えない人だったらしい。

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コメント

以前、この組織で働いていました。
この報告書を作った人物は確かに能力・人格の面で問題だらけです。

しかし、他の職員の方たちは真面目で優秀な人たちが多かったと思います。

問題のある職員を認識したとしても、半民半官の組織なので一般の企業のように適切な対応が出来ず野放しになっているのが事実です。この件の一番の被害者は、他の真面目で優秀な職員の方たちだったと思います。

投稿: | 2009年4月29日 (水曜日) 23時16分

>>七さん

官庁、半官半民、民間問わず、どんな組織でもそれなりの人数の職員がいれば優秀な人もいれば、ダメな人も存在しますね。

おっしゃるように一部の不届き者のために、組織全体が貶められるのは困ったものです。

私がここの仕事をお手伝いした時には、けっこう気持ちよく仕事ができたという記憶があります。全体のことは断定できませんが、真面目で優秀な人が多かったことは間違いないでしょう。

投稿: フロレスタン | 2009年4月29日 (水曜日) 23時21分

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