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2008年1月21日 (月曜日)

やはり二酸化炭素削減は利権の温床だ

CO2排出量、年2400万トン増=ガソリン暫定税率廃止で−政府試算
ガソリン値下げは温暖化助長−高村外相

政府も自民党も既得権益とそれにつながる利権を維持しようと必死だな。
そもそも「暫定」の税率が30年も続くこの国の制度そのものがおかしいのだが(戦時体制が未だに残っている源泉徴収制度も酷いが)、一度上げた税率によって確保された歳入が利権として固定化されてしまっている訳だ。

暫定税率が廃止されてガソリン価格が25円下がったとしてレギュラーガソリンはリッター当たり130円台である。これでもかつての価格(それが妥当かどうかの議論はあるだろうが、ここでは棚上げする)と比較すると高い。皆、現在の価格が生活や業務に必要なコストにはね返って困っているのだから、いきなり自動車利用が増大するとは考えにくい。政府の試算は自らに都合のいい前提でなされていると考えるべきだろう。

高村外相。もう少しまともな政治家だと思っていたが、所詮は利権屋か。
そこまで言うなら、自分達も自動車利用を控えたらどうだ。どうせそんなものシンボリックな効果しかないのは当然だが(私もあまりこういう感情的な批判はしたくないのだが)、自分達は旧態依然とした公用車を使っていながら、一般国民に負担を求めるのは納得が得られまい。

灯油は道路策定財源とは関係ないが、こういう話しをするのであれば、低所得者の暖房熱源として価格高騰に対して助成する、というのは二酸化炭素削減という政策と矛盾する。毎日新聞のアンケート(当ブログの先日のエントリーでも取り上げたが)では「環境のためなら生活の質を落としてもいい」という回答が半数程度あったということだが、灯油価格が上がったら寒くても我慢する、というのがその一つの例だ。助成は必要ないだろう。貧乏人は麦を食え、と言った首相がかつていたが、(地球環境のためなら)貧乏人は凍え死ね、と言える政治家などいやしないだろう。

ヒステリックで新興宗教にも似た「地球環境原理主義」は、それ自体が新たな利権の温床になる可能性がある(炭素税、環境税の導入など)と思っていたが、既に道路策定財源の暫定税率の撤廃が二酸化炭素削減にとってマイナスという、論点が意図的にずらされた政治的思惑から、実質的な環境税となりつつあるなど、旧来の利権まで環境利権に変えてしまう性格まで有していたことになる。

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コメント

> 管理人様

ホント、高村氏には失望であります。まぁ、日本の与党の政治家が、ほぼ大なり小なり似たようなものなんでしょうけどね。口先だけで誤魔化し、本質を示さないような連中は、信用なりませんな。

投稿: tenjin95 | 2008年1月21日 (月曜日) 07時02分

そういえば、田中康夫も一旦は公用車をプリウスにしておきながら結局エスティマとかいう事がありましたね。自分で給油しない人にはガソリンの事なんて分からないのです。多分。
というか、議員宿舎から国会議事堂や霞ヶ関なんて徒歩圏なんですから、抑も公用車なんか要らないような気もしますが。

投稿: 五月原清隆 | 2008年1月21日 (月曜日) 12時08分

>>tenjin95さん

今朝の某新聞にも、自民党の今回の対応は場当たり的だ、というような批判がありました。珍しくメディアにしてはまともな批判だなと。

自民党の人たちは道路がらみになると目の色が変わりますね。正月に首都圏某所で自民党の元代議士という人の話を聞く機会があったのですが、その人も、暫定税率を下げるのは駄目だ、と主張してました。議員辞めてもこれです、嗚呼。

>>五月原さん
自分たちは別だという特権意識があるのでしょうね。議員年金問題の時なんか露骨でした。

公用車でもせめて給油くらいは議員自身でやれせるようにすればいいのに。で、給油が終わったら「ただいま給油したガソリンを消費すると二酸化炭素排出量何kg」とアナウンスしてあげる、と(笑)。

投稿: フロレスタン | 2008年1月21日 (月曜日) 19時41分

暫定税率を下げると道路が作れなくなるなどと宣伝していますが、道路に使っている予算はこの暫定税率分だけなのでしょうか?
このような論は、オドシ以外の何者でもないでしょう。単にペースを落とすか、優先順位をはっきりさせる必要があるだけではないのですかね。
こういう議論はあまり聞かないですね。

投稿: そろそろ | 2008年1月24日 (木曜日) 21時13分

>>そろそろさん

基本的に道路特定財源は道路整備目的ですから(踏切解消のための鉄道の連続立体交差事業なども含みますが)、暫定税率なくしても道路はつくれますね。

要は30年も「暫定」を続けたので、恒久化して、この財源を前提に予算を組んでいるところが問題です。

「単にペースを落とすか、優先順位をはっきりさせる必要がある」

おっしゃるとおりです。だから日本の政治は政局はあっても政策がない、と言われるのでしょうね。

都市部の渋滞解消に必要な道路になかなかお金が回ってこなくて、選挙の票集め目的としか思えないような投資効果の少ない地方の道路が建設されたりします(それは都市部の感情論だという声も聞こえてきそうですが)。

技術開発も含めて建設や維持に要するコストダウンの検討も必要でしょう。

先日の新聞で、高度医療の受けられる県庁所在地まで50kmある地方のまちでは道路整備が命に関わる、となどという地方の主張が掲載されていました。これなども人命を盾に取った脅しだと思います。

これだと心肺停止状態の患者を時速100kmで搬送しても30分かかります。助かっても重篤な後遺症が残ります。本当に緊急ならヘリコプターで輸送しないと。そこまで緊急性がないのであれば、それは道路の問題よりも医療制度の問題が根っこにあると考えるべきではないかと思います。最近の「救急患者受け入れ拒否」(というメディアによる医療機関叩き)を見てもそれは明らかです。

投稿: フロレスタン | 2008年1月25日 (金曜日) 14時49分

>だから日本の政治は政局はあっても政策がないと

私が以前住んでいたヨーロッパのある小国では、ガソリン税で高速道路を作っていましたが、計画分の資金が集まったからといって、ガソリン税を一般財源化する決定をしたことがありました.撤廃案もありましたが、周辺国から買いに来る車が増えるだけだ、と言う論がかなり説得力があったようで.いずれにしても筋は通ってますよね.それに引き換え、この国は節度がなさすぎるように思えます.こんな国でしたかね.

投稿: そろそろ | 2008年1月26日 (土曜日) 19時24分

>>そろそろさん

はい、筋が通っていますね、その国は。
EU統合前には、付加価値税の安い国に買い物客が集まったという報道を見たこともあります。

この国が節度をなくしたのは、多分田中内閣あたりからではないかと個人的には思います。官僚主導、ばらまき政治の台頭ですね。もっとも戦費調達のための源泉徴収制度が残っているくらいだから、素地はもっと前からあったのでしょうが。

投稿: フロレスタン | 2008年1月26日 (土曜日) 22時11分

環境というのがファッション化して、ますます混迷している気がします。
そもそも環境税をかけて新しい事業をすると、ますます二酸化炭素を使うじゃないですか。
やるなら、エコ減税とかでとにかく環境負荷を減らすことを論理的に考えないと・・・。

まあ、利権屋云々はやはり、選挙に金がかかる政治家はそうなっていかざるを得ないですね。

投稿: takeyan | 2008年1月27日 (日曜日) 13時01分

>>takeyanさん

全くですね。
環境税なんか導入したら、政治家や役所は自ら環境負荷を高めつつ、民間に対して環境負荷を減らせ、とやり出すことでしょう。

ファッションかならまだしも、ファッショ化する危険すらあるのではないでしょうか。

大東亜戦争の戦費調達 = 環境税(炭素税)
みんなで二酸化炭素削減 = 一億火の玉
軍部が暴走 = 官邸や環境省が暴走

こういうのを左翼用語で「軍靴の音が聞こえる」と言いますね(笑)。

投稿: フロレスタン | 2008年1月27日 (日曜日) 14時58分

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