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2007年2月 2日 (金曜日)

環境教育の暴走

地球温暖化:怪獣ガスラー、緑化で倒せ 紙芝居で防止訴え−−習志野

この単線思考には笑ってしまうな。本人は悪気がないどころか、いいことをしているつもりなんだろうが、複雑な自然現象をこういう風に単純化して捉えるやり方は、子供に対する教育としては適切ではない。これでは目的のためには手段を選ばない環境原理主義者ではないか。
頭脳の発達段階にある子供のうちは、もっと考えるための力、そしてその基礎となる科学知識をたたき込むべきだ。

>主人公は、二酸化炭素の怪獣「ガスラー」。車の排ガスや煙突の煙が好物で、成長しながら暑い息を吐いていく。<

大気汚染物質と温室効果ガスをごっちゃにしている点がまず問題だ。それと二酸化炭素そのものが高温の期待であるかのような錯覚を起こさせる危険性が大である。

>地球を見守ってきた空の精の天狗(てんぐ)「てんじいさん」、水の精のカッパ「カックン」の奮闘もむなしく、地球全体をガスラーに覆われてしまう。<

おいおい、そもそも本物の二酸化炭素はとっくの昔(40億年以上前)から地球全体を覆っているぞ。それに、もしもそんな、大気汚染物質を体内に取り込んだ怪獣が地球全体を覆ったら、逆に太陽光線が遮断されて気温は低下する(二酸化炭素だけなら太陽光は遮断しないが)。

嫌気性環境下でしか植物由来のメタンが生成されない、という従来考えられてきたことが実は違っていて、好気性環境下でも植物がメタンを生成する、というMax Planck研究所の研究結果が1年前のNatureに掲載されている。緑化は確かに二酸化炭素を吸収するかも知れないが、行きすぎると、それ以上に温室効果の大きいメタンを大量に生成する可能性があるのだ。

>尾曽さんは「一人一人の小さな力を集めて地球全体を守っていかないと温暖化は解決しない。100%理解してもらおうとは思わないが、大きくなって『あのことだったんだ』と思ってもらえれば」と話している。<

こういう紙芝居を見た子供が大きくなって、あれは一体何の騒ぎだったんだろう、と思う日が来る可能性だってあるのだ。

「二酸化炭素の発生増→温暖化の進行→緑化で解決」というほど地球環境は単純ではないのだ。

それから、この記事を書いた井上和也という記者。バングラデシュのことをバングラディシュと誤記しているが、ちゃんと勉強しようね。Dishという英語からの連想からか、この間違いをやる人は少なくない。ちょうどDesktop(机上)を記憶装置であるDiskと混同してDisktopという人がいるのと同じである。ベンガル語でデシュは国という意味で、バングラデシュはベンガル人の国、という意味である。

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