« さらに笑えるドコモの吊革広告 | トップページ | 工学部だけの問題ではない »

2006年10月25日 (水曜日)

どっちもどっちだ、能がない

履修漏れは学校ぐるみ、県教委にウソ…富山・高岡南高

このリンクは読売新聞の記事だが、毎日新聞の記事によると生徒から「大学受験に必要な科目だけを集中的に勉強したい」という申し出があったそうだ。

世界史という特殊な科目を必修にして、日本史と地理のどちらかが選択必修というのも何だかなあ、と思うのだが、そういう学習指導要領の問題はさておき、学校側の対応は教育的でないなあ。否、「自分に都合の良いような違反をしても、嘘の申告で切り抜けられればいい」ということを身を以て実践している訳で、反教育的でさえある。

アホな生徒どもも、結局受験に関係ない科目を受験直前に勉強する羽目になった訳で、いい気味だよ。

急がば回れ。

31年前、自分たちも似たようないい加減なことをやっていた。しかし、そこには大人の対応というか、以心伝心というか、腹芸というか、進学校ならではの「成熟した伝統」があったと「言い訳」しておこう(笑)。

G県立T高校3年8組。理系であるが、日本史と世界史と政治経済が全員必修である。

政治経済のO先生。ラグビー部の顧問である。「居眠りも内職も人に迷惑かけなければかまわない。でも私語だけは迷惑になるからやめろ」。授業中に弁当食っていた奴もいる。あいつは確か今政治家である(^_^;)。でも、おしゃべりしていた奴には容赦なくチョークが飛んでいった。

世界史のO先生。政治経済のO先生とは別人である。文系のクラスと全く同じ手加減しない授業である。定期テストは論述式の問題ばかりであるし、授業中もよく説明的な解答を生徒に求める。私は世界史を受験科目にしていたので、これは役に立った。授業中も積極的に手を挙げて答えた。おかげで二年の時に苦手だった世界史だが、いつもクラスではトップの成績だった。先生も暗黙にわかっていて、私のような奴ばかりを指名し、受験科目でない奴はスルーしていた。

日本史のM先生。神主でもある。日本史を受験科目にしている奴が前の方の席に移動し、そうでないのは後方の席へ、そして内職。M先生は当時新任で、授業することに必死だったせいか、ほとんど黒板の方ばかり向いていたので、生徒の思うつぼであった。今から考えると本当に悪ガキだったよな、皆。7時間目に日本史の授業がある時なんか、机と椅子をベランダに運び出して「空席を消して」早退していた(笑)。

英語のN先生。後年自殺してしまったらしい。
自習、自習と大騒ぎして要求すると、何回かに一度、本当に自習にしてくれる。クラスになんとなく今日は授業やっても集中できない、という雰囲気が蔓延することがあって、阿吽の呼吸でこうなるのである。で、自習を勝ち取ると、本当に皆自分のやりたい勉強を集中してやっていたのである。

そもそも1年の時からずっとそうだったのだが、出張や病欠で先生が休むと、可能な限り、後の方の授業をその時間にもってきてくれたし、そうでなければその時間は自習になった。その変更を職員室前の掲示板にチェックに行くのが日直の役割だった。確かめてはいないが、恐らく今はそんなことしてないのだろうな。

でもね、ちゃんと皆、卒業に必要な科目は2/3以上出席して、試験も通って卒業した。

(追記)
盛岡一高の生徒の1人が「東大目指しているのに、これからの時期に不要な科目の勉強をするのは時間の無駄だ。これがきっかけになってルールが変わって欲しい」などとほざいているようだが、こんな奴、合格しても後輩とは認めないからな。おまいは受験秀才かもしれないが、考え方を変えないと世界に通用する教養人にはなれないぞ。教師もそういうことを教えてやれよ、言いたいが、地方の公立校の教師あたりでそれがわかっている奴はどれくらいいるかな?

もっともこいつも俺とは面識ないので、先輩として認識することも出来ないだろうが(笑)。大学の同期で盛岡一高出身が1人いるから、そいつに怒ってもらおうか、ね、K君。

今回は、関与した教師や教育委員会職員は、公文書偽造で厳重に処分、補習も時間どおりきっちりやって、学習指導要領を遵守させよ。それで卒業できなかったり、希望の大学に受からないなら、それまでの能力だ。浪人するなり第二志望以下の大学に進学すればいい。

格差社会を喧伝している人たちよ、日本社会に許されざる格差が存在するというなら、これも大学受験という場で格差が存在しているのだよ。糾弾してくれ。

|

« さらに笑えるドコモの吊革広告 | トップページ | 工学部だけの問題ではない »

コメント

>「大学受験に必要な科目だけを集中的に勉強したい」という申し出があったそうだ。

受験を前にして近視眼的になる子供にすれば当然の欲求です。申し出があろうがなかろうが、それを察して、原理原則と調整し実践・具体化するのが大人の行動と思いますが...。高校卒業資格がなければ大学入学できない、という当たり前の原理原則が学校側の頭の中にないらしい。

>そこには大人の対応というか、以心伝心というか、腹芸というか、進学校ならではの「成熟した伝統」があったと「言い訳」しておこう

実業高校を含め全国のほとんどの高校は、指導要領と現実との矛盾をこうやって解決しているはずです。
 教職員が数十名もいて、指導要領違反の行為が、生徒・父兄からチクられる可能性に気がまわらないとは、頭が悪すぎます。
 おそらく他校の事例も参考にし、県教委の一部の人間とは相談の上やったことでしょうから、富山県内で同様の履修漏れ校が多数でてくると考えられます。さらにはこの反動で、今後は指導要領に盲従するでしょうから、向こう何年かは、富山県の現役大学合格率は確実に低下すると予想します。

ところで、この高校の当該生徒・父兄は損害賠償請求するのでしょうね?裁判でも起こせば、この馬鹿な大人たちには良い躾になると思いますが...。

投稿: ドルフィン | 2006年10月25日 (水曜日) 18時01分

いやあ、同じような高校が10県まで見つかったというニュース。わが母校とは違うG県T高校でもそうだったようで、校長は「親心」と言っていた野がテレビニュースで映し出された。間違った親心ですな。

それにしても、「高校卒業していない」大学生ないし高卒生が日本にはたくさんいる訳だ、なんてこった。

投稿: フロレスタン | 2006年10月25日 (水曜日) 22時01分

フロレスタンさん:
トラックバックをはらせていただきました。

ご批判はごもっともとは思いますが、現実問題として、地方の公立高校と大都市圏の中高一貫との教育レベルの格差はかなり大きいものがあります。

それだけでなく、いわゆる「ゆとり教育」の影響で授業時間数が減る中、地方の県教委は数値目標を立てて4年生大学(特に国公立への)進学実績を上げようと懸命になっています。
#いわゆる私学の中高一貫進学校との進学実績の差を小さくする。というのが目的です。

それらの目標を達成するべく、現場ではいわばある種の必要悪として、このようなことが状態化していたのです。

>生徒・父兄からチクられる
とおっしゃいますが、地方の公立の進学校であるならば父兄自身も、程度の差はあれ、予備校化を黙認していたり、あるいはむしろ積極的にそうなることを期待していたりしますから、
>高校の当該生徒・父兄は損害賠償請求するのでしょうね?
そういった訴訟リスクも小さいと判断したと考えられます。

私はそれが、100%悪いことであるとは思えません。

投稿: MadDoc | 2006年10月25日 (水曜日) 22時54分

>>MadDocさん

私の考え方とドルフィンさんのコメントに対するご意見がごっちゃになっているようですが(^_^;)。

私もですね、予備校化を完全否定している訳ではありません。でもね。いくら目的が大学受験であっても、教育機関、それも公立の教育機関が、国の定めたルールをないがしろにしてまでいいとは思いません。

だから、予備校化しつつ必修の単位はちゃんと取得していた自分の高校時代のことを書いたのです。

もちろん時代が違うというのはあります。
しかし厳格にルールを適用して、卒業させない、となったらどうしますか。それでも予備校化を黙認するのでしょうか。

目的のために手段を正当化するのはやはりいかんと思いますね。

投稿: フロレスタン | 2006年10月25日 (水曜日) 23時10分

フロレスタンさん:
>私の考え方とドルフィンさんのコメントに対するご意見がごっちゃになっているようですが
確かそうですね。(^_^;;
失礼致しました。

私の経験を書くと長くなるので、それは自分のブログのエントリにしたいと思いますが、
>目的のために手段を正当化するのはやはりいかんと思いますね。

別に「正当化」したいと思っているわけではありません。
ただ、私はマキャベリストですので、「目的のためには手段を選ばない」ことも時として有効であると信じており、特にこの問題では、私学や大都市圏の高校との対抗上「必要悪」としてやむを得ないのではないか?
と感じたわけです。
無論それが「正しいこと」であるとは思ってはいないのですが・・・

投稿: MadDoc | 2006年10月26日 (木曜日) 00時01分

>>MadDocさん

今回のケースでは、多くの県で、履修していないのに履修した、という虚偽の報告が高校から教育委員会に出されていますね。

虚偽の報告をしなくても良いような方法を考えるべきです。それで予備校化するのなら私も賛同します。それこそ本当のマキャベリズムではないでしょうか。

投稿: フロレスタン | 2006年10月26日 (木曜日) 00時05分

フロレスタンさん:
>虚偽の報告をしなくても良いような方法を考えるべきです。
それはそうです。
その結果として「予備校化」ではなく本来のちゃんとした教育になるのであれば、それはそれで大変良いことだと思いますし。

投稿: MadDoc | 2006年10月26日 (木曜日) 02時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34842/12423056

この記事へのトラックバック一覧です: どっちもどっちだ、能がない:

» 地方の進学校における学習指導とは? [スシの暗黒狂]
これは結構やっかいな問題である。 というのも、大都市圏で育った方には想像できないことかも知れないが、地方において進学校といえば、それはその地方で伝統のある公立高校である。 鹿児島ラサールや長崎青雲などは例外といって良い。 で、そのような地方には中高一貫の私学などというものは存在しない。 東京や近畿圏などなら、同じ進学校でも複数の選択肢が存在するが、地方ではそもそも選択の余地がない。 しかも公立高校であるから、開成や灘・ラサ... [続きを読む]

受信: 2006年10月25日 (水曜日) 22時34分

» 前エントリの続き [スシの暗黒狂]
フロレスタンさんのところで予告した私自身の高校時代についてなど・・・ ちなみに私の母校の高校は新潟の、一応その学区では一番とされる進学校である。 私の高校時代はとにかく、地元の国立大学工学部への進学が目的だったので、それに邁進しようとしていた。 しかし、高校入学直後からどうも勉強が解らなくなった。 一応、授業の予習や復習はそれなりにやるのだが、どうしても試験の点数が上がらない。 で、とうとう高校2年の終わりに�... [続きを読む]

受信: 2006年10月26日 (木曜日) 02時23分

« さらに笑えるドコモの吊革広告 | トップページ | 工学部だけの問題ではない »