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2006年1月 6日 (金曜日)

ロボット考(というほど大それたものじゃないけど)

毎日新聞の発信箱の記事を批判した新年早々のエントリーの続きを。

別に私はロボットマニアでもないし、特別詳しい訳でもありません。ちなみに、鉄腕アトムや鉄人28号をガキの頃(幼稚園〜小学校低学年)見て育った世代です。

さて、上記エントリーに対していただいたコメントに対する再コメントから。
John Smithさんからは、キリスト教との関係で神の摂理に触れると言うことからアメリカではロボットが忌み嫌われることがある、という指摘をいただきました。なるほど、これは頷けることである。我々日本人一般の宗教には、天地創造の唯一神が存在していない。そして日本人はロボットに愛情を持っている、と言ってよい、とも。

yellow crossさんからは、(毎日の記事は)どうせなら実際に存在するのだから、ホンダのASIMOを取り上げて欲しかった、というご指摘です。私は自分のエントリー書いている時にASIMOが頭に浮かびましたね。あれも日本のロボット産業の一つのシンボルでしょう。

そのASIMO、似たようなのにムラタセイサク君(温泉カワセミさんに指摘されました。そういえばそうだった(笑)、ホンダのCMとごっちゃになってたよ、みっともねえ)が最近テレビCMに登場しています。あのぎこちない歩き方があまり好きではない(笑)。それとロボット直接関係ないんだけど、子供が自転車乗れるように練習につきあっている父親が、携帯電話なったら自転車そっちのけで電話に出る(倒れた子供をムラタセイサク君ASIMOが助ける)、というのが不愉快でして。目の前にいる子供の自転車練習より、携帯が大事かよ、と突っ込みたい。

tygrysojciecさんからは、「現時点の『二足歩行ロボット』は実用性が殆ど無い試作品である、というご指摘です。確かにそのとおりですね。ASIMOが何か実用面で役に立っているか、といえばそれはない。テレビやイベント、展示会に出るくらいなものです。一種の「人寄せパンダ」というべきか。

そして「産業用ロボットという形の機械は、設計/製造された本人以外にはなかなか愛情を感じ得る機械では無いと思います。当社の工場や研究所にも産業用ロボットはありますが、運用担当者には使用している機械という、愛車や愛用している工具に対する物と同じ愛着しかありません」というご指摘もりました。これも確かにそのとおりだと思います。私自身の仕事はロボットには縁がないものですが、仮にあったとしてもtygrysojciecさんのご指摘のように感じることでしょう。

「件の記者ですが、産業用ロボットの設計・製造現場どころか、運用現場である日本の製造現場すらをまともに取材したことが無いのではないでしょうか?」という問いかけですが、多分そうでしょうねw。彼女はシンポジウムなんかはよく出ているし、学者の取材などはよくするみたいですが、新聞記事やブログからは、どうも製造業などの現場を避けているのではないか、と感じられます。

JosephYoikoさんからは「スポット熔接するための産業用ロボットはターミネーターみたいでちょっと怖い」というコメント。まあ産業用ロボットなんてそんなものでしょう。道具ですから、変にこったデザインにしてコストかけるほどバカバカしいことはない。

江戸時代のからくり人形とドラえもんや鉄腕アトムだけで日本のロボット産業を語る、というのはあまりにも舌足らずだと言わざるを得ないでしょう。

さて、ドラえもんや鉄腕アトムですが、彼らは本当にロボットなのでしょうか。アニメのキャラに突っ込んでもしょうがないのですが(笑)、あれだけ動きが人間に近くて、自発的に会話できるのだから、改めて考えてみると、どちらかというとサイボーグではないかと思いますね。鉄腕アトムなんかサイボーグ002と004と009(石ノ森章太郎原作)足したようなものでしょう。009自体が001〜008までのいいとこ取りした存在ではありますが(^_^;)。

その点、鉄人28号はロボットですな。もっともでかすぎて、あんなのつくっても制御できないと思うけど(できたとしてもエネルギー効率悪そうだし、そもそも一歩歩いただけで大地震だよw)。鉄人28号の初回の冒頭にちょこっと出てきた鉄人27号ってのは何だったんだろうか?26号以前はどうなっているのよ。そういえば、かつて広島カープで鉄人と言われた衣笠選手は、最初の背番号は28だったな。

宇宙戦艦ヤマトに出てくる「アナライザー」というロボットがあります。あれが多分まともな高性能ロボットの一つの典型ではないかと思う訳です。でも人間的な感情が入っているんだよなあ。これはアニメだから仕方ないけど。あと、ヤマトの真田技師長もサイボーグだったな。

まあロボットが人間の変わりや手助けをする機械ということであれば、身の回りに「ロボットもどき」はたくさんあると言ってもよいでしょう。逆に、そうすると「からくり人形」はロボットなのか、という疑問もわいてきてしまうのですよねえ(苦笑)。

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コメント

フロレスタンさん、

>アメリカではロボットが忌み嫌われることがある、という指摘をいただきました。

ロボットSFの大家アイザック・アジモフのストーリーの中では、人間の側がロボットを必要以上に警戒し、忌み嫌うというプロットを用いたものが良く出て来ます(フランケンシュタイン・コンプレックスと表現したりしてます)し、またロボットなる言葉を創出したカレル・チャペックのSF戯曲「RUR」では、奴隷的に扱われていたロボット達が反乱を起こします。ただ、日本ではこういうプロットでも、必ずと言っていいほど「人間の味方」をするロボットが出て来るように思います。

で、私が思うに、日本人は「ロボットを愛している」と言うよりも、欧米人とは違って「ロボットを嫌ってはいない」のが実相では無いのかなぁ。


>倒れた子供をASIMOが助ける

えぇ~っと、それはASIMOじゃなくて、自転車に乗ってるムラタセイサク君でおます。

http://www.murataboy.com/


>改めて考えてみると、どちらかというとサイボーグではないかと思いますね。

う~んとですねぇ、定義上サイボーグは生体を機械で補ったものなので、あくまで元になる生きた(もしくは生きてた)人間が要るです。ドラえもんやアトムは一から機械として作ってるので、ちょっと違うです。ドッチかというと「アンドロイド」(ドラは猫やから違うか・・・)が正しい表現やと思うです。


>逆に、そうすると「からくり人形」はロボットなのか、という疑問もわいてきてしまうのですよねえ(苦笑)。

確かに(笑)。そぉ言う意味では「からくり人形」は、ASIMOやAIBOと同じく「オモチャ」もしくは「人寄せパンダ」の部類ですわな。だからといって技術レベルが低いわけでは決して無いですけどね。

投稿: 温泉カワセミ | 2006年1月 6日 (金曜日) 01時17分

>>温泉カワセミさん

自らの恥を晒す形で訂正しておきました(^_^;)。
こんなんじゃ、愛情ありませんな、私(笑)。

我が家にもしも2台似たようなロボットがあったら、間違って使いそうだなあ....

あと、サイボーグとアンドロイドね。サイボーグの定義は知ってましたけど、要はやつらは人間的なところがある、と言いたかったので、その意味でアンドロイド(除くドラえもん)の方が適切でしょうね。ところでアトムって、元になる生体があった訳ではないけれど、制作者の天馬博士が死んだ自分の子供の代わりにつくったものですよね。

投稿: フロレスタン | 2006年1月 6日 (金曜日) 02時17分

フロレスタンさん:

私の拙速なコメントにも言及していただき、ありがとうございます。
他の皆様方のコメントを拝読すると、ロボット産業に門外漢の私のコメントは論点がずれていてたようですね。お恥ずかしいかぎりです。(T_T)
(アシモについては、勤務先の取引先にホンダがあることから連想しました)

件の記者さんの文章の「暴挙」は、未だ健在ですね。多種多様なことがらを十把一絡げ(『江戸の匠(たくみ)の技』)、根拠が希薄にもかかわらず断定口調(『日本の製造業は生まれたのだ』)。
この記者さん、知れば知るほど幻滅していきます・・。

投稿: yellow cross | 2006年1月 6日 (金曜日) 16時17分

>>yellow crossさん

レスが遅くなりました。
あまり細かいことは気にせずに、自由にコメントして下さい。ロボット産業の専門家は少ないはずですし、違った視点からの見方がまた刺激になることもあります。

あの記者さんに対しては、JosephYoikoさんの「追及」があるでしょうが、私も私の視点から批判していくつもりです。
そうでないと、理系白書06がトンデモ記事になりそうなので(^_^;)。脇の甘いところはどんどん突いていきましょう。

投稿: フロレスタン | 2006年1月 8日 (日曜日) 17時21分

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