« 今度は栃木 | トップページ | 人材難か独裁か »

2005年12月 3日 (土曜日)

そろそろ発言してみるか

何のことかって、構造計算偽装問題である。カテゴリーを見て欲しいのだが、多分これまでのエントリーで一番多い(笑)。それだけ関連する分野が多岐にわたっているということである。

まず、アトラス設計の渡辺朋幸氏という人物が、姉歯の偽造を見破った、ということでテレビニュースに写っていたが、身辺大丈夫か?そのすぐあとに出てきた証言者は頚から下しか映してなかったぞ。勇気には敬意を表するが、くれぐれも気をつけてくれ。自殺とはいうものの既に今回関係者が1人死んでいる。

今回、偽装が見抜けなかった原因として、構造計算は誰にでも出来る訳でなく、建築の中でも特殊な専門分野である、ということが言われている。そのこと自体はそのとおりなんだが、役所にしても民間の検査確認機関にしても大学の建築学科卒や建築士の有資格者雇っている訳だよな。大学の建築学科では構造の授業やるし、一級建築士の試験でも構造科目の試験はあるぞ。

計算や設計は出来なくても、書類見ておかしいかどうか判断するくらいの基礎知識はあるはずだ。職務怠慢なのか「業界の慣行ないし常識」とやらに嵌ってしまっていたか。だって現場の鉄筋工がおかしいって言っているんだぜ。上記「渡辺氏の告発会見」のニュースでもやっていたが、10階建ての集合住宅の梁で、20mm径(だったかな)の鉄筋5本ってのはどう見てもおかしいぜ。建築基準法に合致させるには32mmの鉄筋17本が必要なんだそうだ。

そこまでの正確な計算や設計は構造の専門家でないからできないとしても、大雑把にみて適切かどうかの判断くらいできないのでは木偶の坊だ。17本と5本だよ。しかも太さが違う。

さて、最近になってクローズアップされつつある日本ERI。ここの社長は、私からすると、同じ大学・学科出身の大先輩なのだが、敢えて言わせてもらえば、会社の体質に問題はなかったろうか。偽装物件を担当した社員に対して、おかしい、気をつけろ、という警告があったようだが、それが上司に伝わらなかった、と報道されている。だから会社としては関知してない、という言い訳にしたいのかもしれないが、その程度の社員教育も出来ないで数百人の建築士を雇って業界最大手というのは情けない話である。

大部分の建築士はきちんと仕事をしているはず(そう信じたい)ので、世間の風当たりが必要以上に強くなって、ヒステリックな反応になっているのは残念である。

|

« 今度は栃木 | トップページ | 人材難か独裁か »

コメント

>>フロレスタンさん

>大雑把にみて適切かどうかの判断くらいできないのでは木偶の坊だ。17本と5本だよ。しかも太さが違う。

仰るとおりですね。設計から施工まで、真っ当なプロが一人としていなかったということでしょう。
私の知る構造設計屋は「プロ」ですがね。

建築というと、建築学科の学生のほとんどは、いわゆる"建築家"志望で明日の安藤忠雄を目指していたりするし、マスコミの扱ってきた建築も意匠の範疇を出ていない(ような気がする)。構造設計の建築士には陽が当たらず、よって世間の評価に晒されることも無いから、ロクでもないことをしやすい土壌だったのではないでしょうか。
建築を志す学生には刮目しろと言いたいです。

ちなみに建築学会のHPを覗いたら、今回の件で12/26にシンポをやるらしいです。なんだか泥縄・・・・・。

投稿: Joe | 2005年12月 3日 (土曜日) 18時58分

>>Joeさん

私は今年度まで某私立大学の建築学科の4年生に意匠コースの都市計画を教えてました。4年生になる時に、構造・設備・意匠と分かれて、意匠は単体の建築設計が大半で少数の都市計画専攻の学生の面倒を見ていた訳ですが、おっしゃるように皆、最初は意匠を手がける建築家を目指しますね。デザイン力がないから構造や設備に行った、という「負け犬根性」や意匠設計の建築家に対するコンプレックスなどを持っていると、悪いことする土壌に徒花割かせる危険性があると思います。

地震国日本の建築を支えている、というプライドを持って欲しいものです。だいたい意匠やるのは数学(構造計算)苦手、ってのが多いと思いますので。

投稿: フロレスタン | 2005年12月 3日 (土曜日) 19時09分

> 姉歯の偽造を見破った、ということでテレビニュースに
> 写っていたが、身辺大丈夫か?そのすぐあとに出てき
> た証言者は頚から下しか映してなかったぞ。勇気には
> 敬意を表するが、くれぐれも気をつけてくれ。自殺とは
> いうものの既に今回関係者が1人死んでいる。

 私も、同感です。義理ではあるが、親戚に当たる人なので、心配です。実際のところは、マスコミ等が押しかけて来たり、電話があったりで、仕事にも支障がでる状態だったので、止むを得ず会見に応じたという事らしいです(朋幸さんは、ヒューザーの小嶋のように、でしゃばって表に出たがるような人ではなく、どちらかというと、まじめで控えめなタイプです)。

投稿: SK_Stud68 | 2005年12月 4日 (日曜日) 22時11分

>>SK_Stud68さん

身内の方からのコメントですね。ありがとうございます。
繰り返しになりますが、機会がありましたら、くれぐれもご用心下さいとお伝え下さい。

渡辺さんが真面目で控えめなタイプというのは、テレビを見ていてよくわかります。これからも頑張って(というか、これまでどおりきちんと仕事をこなして)欲しいものです。

投稿: フロレスタン | 2005年12月 5日 (月曜日) 00時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34842/7438130

この記事へのトラックバック一覧です: そろそろ発言してみるか:

» 倒壊マンションの固定資産税が大変だ! [話題沸騰☆税務と会計のビックリ箱〜埼玉県川越市の大林税務会計事務所です!]
<耐震偽造>使用禁止命令のマンション住民に税減免 川崎市 耐震データ偽造問題で、川崎市は30日、使用禁止命令を出した分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(同市川崎区)の住民について、固定資産税と都市計画税を減免すると発表した。一連の問題で、税....... [続きを読む]

受信: 2005年12月 3日 (土曜日) 09時35分

» 日本住宅建設産業協会とヒューザーらの関係 [東急リバブル東急不動産被害者の会]
耐震強度偽装物件の建築主であるヒューザーの小嶋進社長と東日本住宅の桃野直樹社長は共に社団法人日本住宅建設産業協会の理事である。 日本住宅建設産業協会加盟の会社経営者約20人が伊藤公介議員を囲む「住宅政策研究会」を設け、度々勉強会を開いていた。政治献金も毎年行っていた(「ヒューザーら加盟の協会メンバー伊藤元長官に毎年献金」読売新聞2006年1月16日)。 研究会にはヒューザーの小嶋社長も参加していた。協会理事長などの役員である住宅会社社長も研究会メンバーに名前を連ねていたことが関係者の証言で判... [続きを読む]

受信: 2006年1月23日 (月曜日) 22時13分

« 今度は栃木 | トップページ | 人材難か独裁か »