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2005年6月 6日 (月曜日)

地球環境ファッショまたは地球温暖化ファッショの時代

今日、都内某所で「太陽活動の長期変動から見た気象変動の現在」という講演会を聞いた。講師は神奈川大学名誉教授の桜井邦明氏。太陽物理学が専攻の京大ご出身の理学博士で、若き日には「地球温暖化問題の震源地」でもあるNASAに留学していたこともある。
内容は太陽黒点の11年周期、マウンダー極小期、太陽放射エネルギーと地表温度変化、放射性炭素と太陽活動、太陽期限の磁気の強さと黒点活動、地磁気活動と温度変化といった項目について、具体的なデータを示しながら説明がなされた。

地球温暖化・二酸化炭素原因説に対するアンチテーゼとして、太陽活動との関連は最も有力かつ一般的な主張としてなされる。1850年代以降、大気中の二酸化炭素濃度は増加し続けているが、その間、1960〜70年代にかけて地球の平均気温は低下傾向にあり、氷河期の到来すら喧伝されたのは、つい昨日のことのようである。寒冷化を主張した学者はその後口をつぐんでいるそうだ。嗚呼。中世の10〜12世紀頃の300年ほどは、現在よりも平均気温が(少なくとも北半球では)高かったことがほぼ確実視されている。逆に1800年前後は小氷河期といってもよく、フランスではぶどうが不作でワインが作れず、穀物の不作による食糧難がフランス革命の原因だったとの説もある。この頃、日本も不作、飢饉が頻発している。富士山や浅間山の爆発はこれに輪をかけた。

これに対して、太陽活動の変動による宇宙線放射の変動、そしてこれが地球大気中で生成する炭素18やベリリウム10の存在量や地磁気の活動量と地球の平均気温変化は、二酸化炭素の増加量と比較して遙かに高い精度で相関している、というかグラフに表現するとシンクロしている。

温暖化の原因と思われる太陽または地球に関する現象としては、黒点以外にも、地軸の傾きの変動、ミランコビッチサイクル、公転軌道の変化による相対的な距離の変動などいろいろとあるので、黒点だけが温暖化の原因とは言えないだろうが、その膨大なエネルギー放出量を考えると、かなり大きな原因であることは間違いないと思われる。

それで地表の平均気温が上昇すれば、大気中の二酸化炭素濃度も上昇する。こうなるとイタチごっこだ。

だが、現在が太陽活動の活発なピークであり、今後は再び黒点数が減少していき、地球の気温も下がる可能性がある、ということだ。20年後くらいには、どちらの方向に進んでいるかのわかるかもしれない。昨年夏の猛暑がピークだったりして。

京都議定書の目標の二酸化炭素排出量の6%削減も、現実には8%増加してしまっているので、14%の削減が必要だ。世界レベルでみても最高水準のエネルギー消費効率を実現している日本は不利だ。外交でヨーロッパに負けたとも言える。あちらは削減量を稼ぎやすい旧東ドイツを含む東欧があり、環境税の実施国も多いなど、最初から土俵が違っている。

こういう議定書の目標を達成するためだろうか、最近は環境ファッショ状態である。
桜井氏は、環境関連のセミナーなどに招かれて今回のような話をすると、「そういう話をされると困る」「こういう話はしないでくれ」と言われるという。今日の講演は、最初からわかっている人達が聞きに来ており、例外だったのだ。

逆に二酸化炭層・温暖化主犯説をとる人達にとっては、書籍の出版も多く講演には引っ張りだこ、研究予算もつきやすい、という循環が生ずる。だが、かつて氷河期の到来を予測してはずれるとほおかむりしている人達と同様、もしも今後温暖化の予測がはずれたら、こういう人達はどう説明するのだろうか。

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コメント

なるほど。理系白書ブログでのコメントはこういう裏背景があったのか。納得がいきました。

投稿: JosephYoiko | 2005年6月 7日 (火曜日) 00時28分

人類が文明を持たなくても、あるいは人類が存在しなくても、気候は安定することなく変動し続けるということを知らない人々の方が多いのでしょうか。

温暖な時代に食糧生産能力限界に近づいていたフランスの人口。急激な寒冷化にみまわれたとき、人々は病死したネズミさえ食べたとか。それは、1300年代、遠い過去と呼ぶには近い時代のできごと。

投稿: 理都@コンティンジェント | 2005年6月 7日 (火曜日) 02時03分

御用学者と温暖化対策=科学者と政策(国際政治)の関係としてみると、科学は中立でありえない。ガリレオと同じか?

学生時代、宇井純氏や中西準子氏が冷や飯食わされていたのを見てたから、実感できるよね。

投稿: スーパーTS | 2005年6月 7日 (火曜日) 08時37分

>>JosephYoikoさん
そういうことです(^_^)。省エネ省資源の必要性は大いに認めるところですが、地球温暖化問題と絡めることには異議あり、です。

>>理都さん
いらっしゃいませ。
ハーメルンの笛吹の物語も、ペストによる子供の大量死の記録だろうという話が昨日の講演でありました。13世紀はモンゴルの世界制覇の時代ですが、これが東からペストをヨーロッパにもたらした。温暖な気候でどこも農作物が豊作で、国力が豊かだったからこその大ユーラシア帝国の出現でしょう。

>>スーパーTSさん
特に、我々が学生の頃と現在の、消費者団体や市民運動団体などの中西先生に対する姿勢の変化に、このことが如実に出ていると言えますね。

投稿: フロレスタン | 2005年6月 7日 (火曜日) 11時01分

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