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2005年6月26日 (日曜日)

人権屋の臭いのする毎日社説

本日26日付の毎日新聞の社説の一つは、またそういう理屈で来るか、という人権原理主義ともいうべき内容である。

少年事件と法改正 厳罰化では子供を救えない

まず、この社説が登場した背景に、少年法と少年院法の改正案が国会審議中ということがあるが、偶然にしても立て続けに15歳の少年(高1と中3)が凶悪な殺人事件を引き起こした、ということが大きい。こういう事件がなければ、少年法改正による厳罰化に対して、社説で主張したかどうか、主張したとしても、ここまでセンセーショナルな書き方をしたかどうか、疑問である。

(ちなみに前者の事件は我が区内での出来事であり、当該少年の通学する学校もご近所である。私の知っている子供も複数通学している学校であるらしい。都立高校ということで、我が家の子供の通う高校も含めて都立高の全校長に招集がかかったようだ)

>>殺害現場の自宅をタイマーを使ってガス爆発させるという前代未聞の事件

確かにこんな事件は初めてかもしれないが、何か起きるたびに「前代未聞」などとつけて煽るのは感心しない。

>>少年による犯罪や非行では、まず背後で大人が少年に何らかの問題を起こしていないか、疑ってみる必要がある。

いよっ、出ました。子供は悪くないってか。
これも確かに、虐待された子供は、自分が親になっても子供を虐待しやすいというし、そこまで行かなくとも追いつめられて犯行に及ぶ、というのはやむを得ないだろう。そういう点で、この社説全体を流れる「大人をなんとかせよ」という主張には同意できる。

だが、それはそれとして、いかに子供とはいえ、義務教育を終え、あるいは終える直前でそれなりに分別もあるのだから、起こしてしまった事件に対して、きちんと罪を償うのは国民感情としても当たり前のことだと思う。

>>国会で審議中の少年法と少年院法の改正案をみると、疑問点が少なくない。刑事責任を問えない14歳未満の少年の事件で警察に強制調査権を与えたり、14歳以上という少年院送致の下限年齢を撤廃する……という触法少年への厳罰化に主眼が置かれているが、低年齢層の少年の事件ほど大人の責任が問われるべきはいうまでもない。

繰り返すが、大人の責任は責任として、罪を犯した少年少女がそれを償うのは当然だ。
英国で11歳の少年のおこした殺人事件に対して、どう対処したか、思い起こしてみるべきだろう。

>>少年法は、00年に刑事罰対象年齢を16歳から14歳に引き下げる改正が行われたばかりだ。神戸市の連続児童殺傷事件など14歳の少年による残忍な事件がたまたま相次いだため、凶悪犯罪の低年齢化が進んでいると騒いでの改正だったが、必要性は当時から疑問視されていた。

これは明らかに、論理のすり替えだ。
刑事罰対象年齢を引き下げたのは、刑法と少年法の間に矛盾があって、14〜16歳が「グレーゾーン」だったのを解消したということだ。それを疑問視したのも、人権屋と呼ばれる弁護士、政治家、プロ市民などだった。

>>偶発的な事件の衝撃に惑わされることなく、可塑性に富んだ子供を非行や犯罪の道から救い出し、健全に育成することを目的とする少年法の保護主義の精神に立ち返る時ではないか。

凶悪な事件を引き起こす子供が本当に可塑性に富んでいるのか?悪い方への可塑性に富んでいるとも考えられる。これも繰り返し言われることだが、そもそも少年法の当初の趣旨は、戦後の混乱期、食糧難の時期に、空腹のためにやむを得ず窃盗してしまったような子供を、温かく見守って立ち直らせよう、ということだったはずだ。戦後民主主義や人権尊重の風潮の中で、いつの間にか、この趣旨が拡大解釈され、趣旨がすり替わってしまった。

>>少年事件を一掃するには、続発する児童虐待に象徴される大人たちのゆがんだ育児やしつけ、子への接し方を正常化させる対策こそ優先すべきだ。

この趣旨には基本的に賛同する。だが、新聞に期待などできないだろうが、ここまでいうなら、「大人の正常化」をどうやって実現するのか、提示してみよ。お題目だけ唱えて、具体的な中身は人任せ、というのが新聞の主張の重大欠陥だ。

>>今回の改正案は、関係者間に異論のない公的付添人制度の導入を除き、子供を守る視座から見直すべきである。

ここでいう「守られる対象となる子供」は、文脈から判断して、きっと加害少年なのだろうな。
しかし、子供だろうと重大な犯罪を犯したら、それなりの償いをすべきである。守るべきは、そうした凶悪な子供ではなく、その被害者となる可能性のある周囲の子供や大人なのではないのか?

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コメント

まあ、ガキだろうとキチガイだろうと犯罪者は犯罪者なのですがねえ。何故その原則に立てないかな?

物分りのいいマスコミってのは糞の役にも立たない。ガキを甘やかすなと言いたいですね。

投稿: JosephYoiko | 2005年6月26日 (日曜日) 13時22分

>>Yoikoさん


全くもってそのとおり。
佐世保の事件など、被害者の父親は毎日新聞の社員。
彼は、社の主張のための生け贄なのかもしれません。

投稿: フロレスタン | 2005年6月26日 (日曜日) 13時41分

この種の社会的に人間の区別をする法律は、もともと恣意的ですよね。「寿命が延びて、政治無関心、無責任な若者が増えたから投票年齢を25歳にしろ」という話も、筋が通っていないとはいえない、のと同じ。

投稿: スーパーTS | 2005年6月26日 (日曜日) 21時07分

知的レベルに応じて投票権を変えろ、と言ったら怒られますかね(^_^;)。株式会社の総会だと投票権は所有している株の数に比例するんですけどねえ。

投稿: フロレスタン | 2005年6月26日 (日曜日) 22時37分

毎日の夕刊(月曜日)に、犯罪少年の3割が親から虐待受けていた、という記事が、計ったように掲載されてます。でも、7割は違うんじゃないの、と。

そして、こちらはネットで見たけどアカヒの記事(そのうち記事削除されそうだから、リンクしない)は、相変わらず、少年の心が見えない、などと、専門家があれこれ思案している様子を伝えている。

新聞が期待しているような心の闇なんて、もともとないんじゃないかなあ。彼は非常に冷徹に両親を見つめ、そして自分と両親との関係を考えて、そして殺害に及んだ。そういう少年であり、そういう特異な宿命の家族だった、と割り切れないのだろうかね、マスゴミは。

投稿: フロレスタン | 2005年6月28日 (火曜日) 02時23分

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