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2005年5月 4日 (水曜日)

トンデモな「大学教授」他

本当に日本の新聞というのは突っ込みどころ満載である。誰か金をくれるなら、仕事にしてもいいくらいだ、と思う人はかなりの数に上るのではないかと思う(笑)。

さて、毎日新聞の今朝の投書「みんなの広場」。投稿主は小笠原林樹なる74歳の大学教授。この方、元文部相主任教科書調査官という経歴で、言語学方面の人のようである。大学教授などという肩書きで投書しているので、匿名にするのはやめた。

氏曰く、ジェンダーフリーという言葉は和製英語でなく、れっきとした英語表現である。英米の新聞、雑誌などでは使われているし、かの地(どこのことだ?)の学者、教育者、評論家も日常頻繁に使っている、とのことだ。

そう言われちゃあ、調べない訳にはいくまい。といっても、やったのはgoogle使った英語のサイトの検索だけどね(笑)。そしたら、確かに出てきましたよ、確かに。でも、上位に来たのはみんな言語学、文法関連のサイトだ。インド・ヨーロッパ語族の多くの言語は、名詞や代名詞に性(gender)の区別がある。英語では消滅してしまったので、これはgender-freeな言語である、ということだ。もっとも、英語でも例えばshipを受ける代名詞がsheであったりするので、かつてshipが女性名詞であったことが窺える。ラテン系の言語は男性と女性だけの区別だが、ゲルマン系やスラプ系ではこれに中性名詞が加わる。ゲルマン系の言語ではドイツ語以外の主要言語(スウェーデン語など)では男性と女性の区別がなくなって、汎性あるいは両性といったgender区分になっているので、英語を追いかけてgender-free化しつつあるということだろう。ドイツ語は頑固な言語だね(^_^)。

小笠原教授。あなたの言うことは確かに正しい。といっても特定の分野に限定してのことだ。
こういうトリックで、善良な一般市民を騙さないで欲しい。かつては文部省に勤務し、今は大学教授とのことだから私学だとしても国の助成が入っているだろうから、あなたは税金泥棒だ。

生物としての人間の性差を否定する、いわゆるジェンダーフリー論者にとって、こういう「援護射撃」はありがたいだろう。もっとも氏自体がジェンダーフリー論者かもしれないが。なにしろ「この概念は日本社会に部分的入っていて」として、看護婦→看護師への言い換えがよい例である、としているのだ。

こんな意見が堂々と掲載されるのだから、新聞の投書欄というのも本当に困ったものだ。

ついでに批判しておくと、この投書のすぐ下には、66歳の京都府在住の男性が、石破前防衛庁長官の徴兵制発言を批判して、「戦争の体験がない者が何を言っているのか」とのたもうている。
そりゃ、あんたは6歳まで戦争が行われていた時代を生きて来たろうよ。でも、じゃあ戦争の何を知っている?戦争を体験してなければ、戦争のことに言及してはいけないというなら、戦争しようじゃないか、と開き直ってみる。もっとも、近代戦を遂行するなら、戦力の質が低くて不揃いな徴兵制はマイナスだ、という事実がある。徴兵制イコール即戦争遂行という短絡的な発想は自らの無知をさらけ出しているにすぎない。

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コメント

毎日新聞のその投書、そんなトリックがあるとは知らず、タイトルだけ見て「そうなのか」と思ってやり過ごしていました。

投稿: gotaku | 2005年5月 5日 (木曜日) 12時26分

gotakuさん、コメントありがとうございます。

新聞記事、特に投書は眉に唾して読まないといけないと思います。大学教授の言うことなら何でも正しい、という訳ではありませんし、やはり疑問に思ったら検証することが必要です。

私もかつて3度ほど朝日新聞の投書欄に採用されたことがあります。私の場合、ほぼ原文のまま掲載してもらえましたが、それでも一部ニュアンスが違うな、という箇所が掲載紙を見たらありました。

編集者が都合のいいように書き換えることもありますので、要注意です。

投稿: フロレスタン | 2005年5月 5日 (木曜日) 16時23分

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