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2005年4月23日 (土曜日)

大規模郊外型ショッピングセンターの時代なのか

ふるさと高崎市に隣接する群馬県庁所在地の前橋市で、注目すべき動きがある。

県外者でもご存じの方がいるように、両市は歴史的に因縁浅からぬライバル都市である。
江戸時代はどちらも徳川氏の譜代大名の城下町であったが、下馬将軍酒井忠清を輩出した前橋の方が規模が大きかった。高崎だるまで有名な少林山達磨寺は旧碓氷郡に属し、前橋藩の領地であった。だが、中山道と三国街道の分岐点に位置し宿場町でもあった高崎の方が経済的には繁栄し、「お江戸見たけりゃ高崎田町」と言われた。現在も高崎が新幹線の停車駅を抱え、群馬の玄関口であり、商業も栄えている。

もちろん、郊外型のショッピングセンターが相次いで立地する中、高崎にも中心市街地の空洞化の問題はあるのだが、前橋の方が深刻だ。一件、また一件と商店が歯抜けになる様子は前橋の方がひどいようだ。

その前橋の中心市街地で、昨年閉店した西武系の商業施設の建物を、所有者の西友から市が買い取って、複合施設として利用する話が進んでいる。市では六億円程度で建物を買い取り、商業、飲食、教育、コミュニティ施設などからなる施設とし、中心市街地の活性化に役立てる意向だという。この場所は本当に市の中心部で、国道17号と50号の交差点のすぐ近くで、交通条件も悪くない。元日の実業団駅伝のコース上の第7区間、ゴール付近に位置している。

だが一方で、こういう話も同時並行である。

前橋市内の国道17号は、上記の交差点の南でほぼ直角に西方に曲がって高崎方面へと続いている。ここを曲がらずにまっすぐ南に行くと、北関東自動車道の前橋南インターに通じる(まっすぐ行ってそのまま即インターではないけれど)。そのインター周辺にイオングループが大規模ショッピングセンターを計画しているというのである。しかも、地元資本のベイシア(サッカーJ2ザスパ草津のオフィシャルスポンサーでもある)も出展計画があり、一部の敷地がイオンの計画と重複しているというのだ。この両者は、群馬県内の他の場所でも大規模ショッピングセンターを運営している。

前橋南インター周辺は、農業振興区域が指定されており、これを解除しないと開発はできないのだが、一方地方拠点法という法律で、地域核として拠点地区に指定されてもいる。この指定自体はもう10年くらい前のもので、インターができる前になされている。時間の経過とともに、実態に即していない可能性もあるのだが、行政はこういう指定を見直したり解除したりすることは稀である。

この地区は「流通や研究開発機能などが集積する拠点」ということになっているが、ここでいう流通とはイオンやベイシアのような大規模小売り施設ではなく、物流拠点のようなイメージである。これは同時代に(いや、今でもそうか)全国的に「インター周辺は物流基地」という思考停止状態の構想が描かれたことから間違いないと考えられる。恥を承知で、自分もそういう計画づくりに荷担していた。

そもそも、研究開発機能とショッピングセンターでは違和感がありありでしょ?物流でも変ではあるが、それでも企業の研究開発部門と併設なら、多少は言い訳ができる(かな?)

前橋市の都市計画で、郊外に商業開発はこれ以上認めない、とすればよいのだが、日本の場合なかなかそこまで踏み切れないという現実がある。都市計画マスタープランで郊外開発抑制の記述をし、農業振興地域の解除をせず、そして地方拠点法の指定を解除すれば(できるとしたら)、イオンもベイシアも手が出せないはずだ。

もっとも、そうしたら中心市街地が活性化するか、というとそんな単純ではない。
まず、車社会の群馬県(最近富山県に抜かれたらしいが、世帯あたりの自動車保有台数は全国1、2を争う)で、今更郊外開発の一カ所を規制したところで、他にも同種の施設はたくさんあるのだから、そちらに人が流れる状況は一朝一夕には変わらない。中心市街地の商業者の努力が重要であることは論を待たないが、それだけで人が集まるほど生やさしくはない。農業が魅力のある産業になれば、わざわざ指定されている農業振興地域を解除してまで宅地化する必要もないのだから、産業全体の問題として捕らえる必要もあるだろう。足としての交通問題もある。

ともかくも、これまでにつくられた様々な計画、あるいは行政施策などを洗いざらいにして、それらの廃止や縮小も含めて、一度大掃除をすることから始めなければ、相変わらずパッチワークで整合性がとれない状態は続く。幸い、現在の市長は当選一期目とフレッシュで、改革指向も強いようである。ここはその市長に一つリーダーシップを発揮してもらい、そこに皆の知恵を結集する仕組みづくりが第一歩だと考える。

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コメント

わが町でも安川電機の工場敷地を半分借り手か買い取ってか、イオンができた。人口減少時代にあってスーパー業界の中ではイオンは、投資しすぎだとの見方もあるらしい。

投稿: スーパーTS | 2005年4月23日 (土曜日) 17時10分

ああ、あのジャスコなら、M議員に案内されて一度行きました。確か、中の飲食だったか食料品売り場だったか、深夜営業しているんですよね。
物流トラックの出入りする搬入口の向かいが、K産党の市会議員の自宅だとか(^_^;)。

そういえば、元記事の前橋ですが、もう一つ、中心市街地にあるダイハツ工場の跡地にもショッピングセンターの計画があった。どう見てもオーバーフロアだと思うのですが。

郊外型SCが食い合うアメリカの都市郊外のようになってしまうと、競争に負けた方は、ゴーストタウン状態になる。

投稿: フロレスタン | 2005年4月23日 (土曜日) 17時27分

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