恥ずかしい広告を打った殺人商品製造販売企業JT
今朝4日付の日経新聞の36面は、日本たばこ産業(JT)のマナーについての全面広告だ。
「ちょっと変わった広告」と題して、マナーの向上に関してのYes/Noクエスチョンのアンケート結果を掲載している。回答自体が、どこまで本気にしていいのか眉唾ものだが(実害がないから、本当はマナー違反をしていても、していないと回答する喫煙者もいるだろう)、それは突っ込まないことにする。
笑ってしまうのは、この広告が日本語と英語の併記になっていて、日本語の部分を除去しても成立するのだが、そうするとJTの意図と全く逆になってしまうことだ。
全体を通して、〜〜していない、というマナーに関して、YesとNoの比率が円グラフで表示されていて、Yesが過半数で伸びている、ということを主張している。つまりマナーは向上したのだ、と言いたそう。
ところが、実際にどうなっているか、というのを例示すると、こうなのだ。
歩道などに吸い殻を捨てないそして、Yesが58.6%で+1.6%upとなっている。
I never toss away cigarette butts wherever I happen to be.
英語が本当にわかっている人ならお気づきだろう。
これでは、歩道などに吸い殻を捨てる人が58.6%で1.6%の増加なのだ。
なぜなら、Yesということは、Yes, I toss away cigareete butts .......ということだからだ。
他に8項目あるが全部この調子である。マナーは悪くなっているというわけだ(笑)。
日本語の新聞の広告なのだからいいではないか、という反論は当然予想される。しかし、そうなら何も中途半端に英語を使うことはない。日本語もわかる日本在住の英語のネイティブスピーカーが見たらどう受け取るだろうか。否定疑問文に対するはい、いいえとYes、Noが日本語と英語とで逆なことを理解してくれる優しい人もいるだろう。しかし、そうでない人もいておかしくない。
JTはロシアで高額の課税請求をされた。ロシア語の否定疑問文に対する回答Da,Nyetは日本語と同じだ。まさか、ロシアでは、そのことを知らずに英語と同じだと思って失敗したのではないだろうな。
まあ、いずれにしても確かに「ちょっと変わった広告」である。
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コメント
JTのマナー広告の英語について拙ブログに書いたあと、同じようなことを主張していらっしゃる方がいらっしゃらないかと検索したところ、こちらにたどりつきました。
それでトラックバックさせていただきました。
あまりの和製英語ぶりに、電車の中であれを目にすると目を伏せたくなります。
投稿: ramona lull | 2005年9月28日 (水曜日) 17時05分
>>ramona lullさん
はじめまして。かなり前の記事に目をとめていただいてありがとうございます。
小生の批判Yes, Noの誤用ですが、確かにあの和製英語っぷりも恥ずかしいものがあります。都営地下鉄三田線のホームドアに書いてある英語の出鱈目ぶりにも呆れましたね。今、ちょっと思い出せないのですが、今度確認して見ます。
投稿: フロレスタン | 2005年9月28日 (水曜日) 23時48分