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2005年4月 9日 (土曜日)

善意の環境保護運動が環境を保護するとは限らない

読売新聞のネット配信ニュースから。

 メダカやタナゴ類など絶滅が心配される魚の保護や自然の復元を目的にした放流も、やり方が適切でなければかえって環境の悪化を招くとして、日本魚類学会が「放流ガイドライン」をまとめた。

 「放流による保全は容易ではなく、生息環境の保護などの方が、安易な放流よりはるかに有効」と呼びかけている。

 水産業やレジャー関係の放流は対象としていない。「環境を保全したい」という善意の放流にも、生息に適さない状態に放流すれば死滅するだけで、守るべき在来種が遺伝的に孤立している場合には放流種と交雑してむしろ環境に適応できなくなったり、放流種に乗っ取られたりすることもあるなどの問題がある。

 指針では▽環境保全、生息状況の調査、啓発などの継続的活動の方が安易な放流より有効であるため、事前に放流が最も効果的な方法か十分に検討▽生息環境として適切か、他種への影響などを予測——などを提唱している。

 指針は学会ホームページ(http://www.fish-isj.jp/info/050406.html)に掲載している。

 作業部会のメンバー、森誠一・岐阜経済大教授(保全環境生態学)は「希少種を守る放流も安易にはできない、と認識をあらためてもらうことが指針のねらい」と強調している。
(読売新聞) - 4月9日12時38分更新


この日本魚類学会の呼びかけは、しごくまっとうなことを言っている。いや、今更、という気がしないではない。もっと早く、警告すべきだった。

サケの放流をはじめとして、以前からこの手の「環境保護運動」は行われてきている。しかし、人間のエゴである場合が少なくない。勝手に放流される魚は気の毒だ。

環境破壊が人間のエゴとして批判されることが多いが、こういう運動も根っこは同じである。やっていることが「いいこと」のように思えるから批判されにくにいし、新聞などの既存メディアはそれどころか、賞賛するような論調の記事すら平気で書いてきた。この点は猛省すべき。そして運動を行うのなら、このガイドラインのとおり、調査すべき点はきちんと調査し、そして科学的な知見に基づいた学習も必要だろう。

それにしても、水産業はともかく、レジャー関係の放流が対象外でいいのだろうか。水産業できちんと生息環境を管理できるのであれば問題は少ないのであろうが、レジャー関係となると、きちんと管理できない場合もあるのではないか。ブラックバスの規制も現在進行形の問題としてある。この点に関しては、もっと突っ込んだ議論と対応策の検討が必要だろう。

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