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2004年12月31日 (金曜日)

年の瀬の逮捕劇

昨日、奈良県で小一の女の子を惨殺して性欲の対象とした猟奇殺人の犯人が逮捕・送検された。年内の解決に周辺住民はひとまず安心して年が越せるだろう。

小林薫、か。いったい全国に何人同姓同名がいるのだろうか。私の高校時代の教師にもいたし、俳優にもいる。この手の犯罪の被疑者だが、しばしばありふれた名前であることが多い。全国の同姓同名はその都度迷惑だな。大久保清なんてのもいたし、宮崎勤なんてのも決して珍しい名前ではない。今回の犯人は、宮崎事件と同じ頃にも事件を起こしているのだな。

毎日新聞の記者は、その弁舌に騙された、などと弁解しているが、記事を読む限りでは自分の莫迦さ加減を露呈している。おかしいと感じはしたようだが、それ以上突っ込まなかったようだ。

まあでもいい。新聞記者の程度などこんなものだろう。多くは期待していない。
犯人が勤めていたのが毎日新聞の販売店であることもこの際どうでもいい。取引関係では会っても別法人だし、そもそも今回の犯人は読売や朝日の販売店にも勤めていたようだ。たまたま逮捕された時が毎日販売店だっただけのことだ。そのことで毎日新聞は後ろめたさを感じる必要はない。それよりも、いつもながらの報道しかできないことに対して、猛省をして欲しいものである。

何か。犯人が逮捕されると、すぐに社会に責任を転嫁するような記事になる。
今回は、作家や精神科医を「専門家」として動員して、社会のせいにしようとしている。専門家でも立場や考え方が異なれば主張もことなるものであり、自社の記事に都合のよい専門家の声だけ掲載する手法は、もう賢明な読者からは見抜かれておるぞ。

作家の高村薫の主張は自己矛盾しておる。同じ薫どうしで身びいきになったかな(笑)。曰く、
「容疑者は携帯メールがなくても事件を起こしただろうが、携帯で写真を送れなければ表現する方法は限られていた」
携帯で写真を送れなければ、普通にプリントした写真を送るだけのことだろう。メディアが電子か紙か、リアルタイムかそうでないかの違いだけだ。それより本質的なことは、要するにこの犯人は、そもそも事件を起こす要素をもっていた、ということだ。それは前科を見ても明らかだ。

しかし、その直後には、カメラ付き携帯というツールの出現で「誰でも犯罪者になりうる危うさを感じた」とある。をいをい。そんな飛躍した主張をするあんたの方に、私は危うさを感じますぜ。カメラ付き携帯、あるいはネットに氾濫する様々な情報に接すると、誰でも犯罪者になるのかいな。そんな莫迦な。

本人は、ビデオやコミックを見て幼女に興味を持ったと話しているらしく、家にもコレクションがたくさんあったらしいが、逆だろう。もともと幼女に興味があるやつが、その性欲を満たすために幼女を扱ったビデオやコミックを大量に集めた、というのが正しい順番であろう。

精神科医の野田正彰氏(この人もよく名前を見る)のコメントは「犯人の引きこもりがちな人格と携帯電話は親和性があり、携帯中毒状態の犯人が携帯メールで写真を送ったことで遺族をいたぶることになった」という趣旨のことを述べていた。それは的確な指摘であると思う。しかし、その後がいけない。「女児を対象にした犯罪自体は昔から変わらずある(そりゃそうだよ。アメリカのミーガン事件など典型だろう)、とした上で『ビデオショップやネットなど、身近に強烈な情報がある。異常なほどの刺激の質と量をもっと社会は認識すべきだ』」と訴えているという。

この人、自分の精神状態を鑑定した方がよさそうである。
主張自体は、この手の犯罪は昔からあり、今回の犯人も起こすべくして起こした人格である、といっているのに等しいのに、最後に来てビデオやネットのせいにするのは、なんでも新しい情報ツールのせいにすればいいという昨今ありがちな思考停止である。

統計をとれば、恐らく幼女に対する性的な要素を含んだ誘拐・殺人事件の発生とビデオやネットとに相関性があるなどという結論は出ないと思われる。

アメリカのミーガン法のように、犯罪者情報を公開にするのも抑止力になるのかもしれないが、それよりもこの手の犯罪者は、死刑に出来ないのなら永久に一般社会から隔離した方がよさそうである。人権?そんなことをいう人は、自分に娘がいて、この種の事件の被害に遭ったと考えてみて下さい。

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コメント

性犯罪者を全て死刑・去勢にしろと短絡的に考えている人(被害関係者を除く)は、冤罪が発生する事に対して無頓着である可能性が高い。
冤罪について指摘すると、「疑われる方が悪い、仕方がない」で済ませる場合が多いが、それはレイプ犯が「被害者に落ち度がある」と言い訳しているのと変わらないような気がする。
「被害者の人権を守る」という錦の御旗を掲げているが、その被害者の中には冤罪被害者も含まれているのだろうか?

投稿: 774 | 2005年7月 2日 (土曜日) 03時10分

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