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2004年12月14日 (火曜日)

続・ユシチェンコ事件

毎日新聞の13日夕刊にユシチェンコ氏のリアルな顔写真が掲載されていた。
本当にお気の毒である。命に別状がなかったのは不幸中の幸いだ。
外国の政争のことはとりあえず置いておこう。

顔写真は一面だが、10面に関連記事がある。
金沢工大の露本伊佐男助教授(環境科学)の話として、「ダイオキシンの致死性の高さは、サリンの2倍、
青酸カリの1000倍。動物実験で摂取から死に至るまで1週間から7週間かかる」と掲載されている。
原文のままである。

非科学的な文章である。本当にこの助教授氏がこう言ったのなら、この人は本当に学者か、と問いたい。
まあ、私も取材されたことはあるので、一応わかるが、新聞記者が取材対象の言ったことをそのまま文章
になどしない。非科学的な科学者もいないことはないけどね。つまり本当のお莫迦さんか、特定のイデオ
ロギーに染まって、学者のふりした運動家であるか、なのだが。

添削を始めよう(笑)。
本当に科学的に書くのなら、まず「致死性の高さ」などとは言わないだろう。半数致死量(LD50)など
の値を使うはずである。
次に、サリンや青酸カリ(これも科学者は普通こう言わんだろう。シアン化カリウムとでも言ったのを、
記者が青酸カリと書き換えたに違いない)という特定の物質と、ダイオキシンという複数物質の総称を比較
している点である。ダイオキシン類の中には毒性の低いものもある、というより、200種類余りの物質の
うち、毒性が強いのは限られている。その中でも、もっとも毒性が強いとされているのが、2,3,7,8-テトラ
クロロ−ジベンゾ−p−ジオキシンなる物質である。
それと、いかがわしいのが動物実験ね。上記の物質は確かにサリンや青酸カリよりもLD50は低いようで
ある(少ない量で死ぬから毒性が強い)。しかし、ラットだったかマウスだったかが対象であり、人間も
同様とは限らない。どうも人間はこのダイオキシン類中最強の物質に対して、けっこう抵抗力があるよう
なのである。

そろそろ、新聞記事で、こういう人にいらぬ危機感を持たせて煽るような書き方はしないでもらいたい
ものである。

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